【シロのひとり語り】

【シロのひとり語り】


))この地球といわれる星がまだ今ほど形も軌道も定まっていない頃。原始太陽からの強烈な電磁波で急速に温められた内部水蒸気爆発により、この星の一部は宇宙へと弾け飛んだ。

その中で比較的大きな塊の一つがこの星の引力圏内に留まり、冷えて固まり、衛星となった。

それが、今、目にしている[月]だ。

[月のウサギ]に見える凹みが、この[巽島]と同じ形なのは決して偶然ではなく、片や大地に残り、片や空に飛ばされた、まさしく同じ原始地球の表面だったことの証なのだ。

そのせいか、この島で生まれた[龍]は月の影響を強く受けるのだ。 ((

今日は満月。

満潮にひかれるように地下ドームから海に出てきて蒼白で強い月の明かりで自身の輝白の巨体を光らせていた。

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