第7話 魔王あなたもですか
E月tz日
目の前広げられている壮絶な戦いにドン引きです。
魔王が変態で筋肉でした。
とうとう相対した勇者と魔王。魔王は開口一番からおかしかった。
「見事なプリケツだ。ハムストリングスをどれだけイジメ抜いた? お前なら我がはんり……ではなく右腕にふさわしい。一緒に世界を共有財産にしないか?」
タケオはサイドトライセップスのポージングで答えます。
両手を後ろに回して筋肉を誇示し始めたので了承かと勘違いしましたが、お前の手は取らないという意味でした。
そこからは怒涛のポージングバトルです。騎士たちのコールにも熱が入ります。私からは熱が抜けていきます。このポージングバトルには敵はいません。全員味方です。魔王にも賛辞のコールが飛び交います。疎外感があるのは私だけです。
そういえばタケオは魔王に見覚えがあるかのように「……ダークドレア……」と驚愕し呟いていました。もしかしたら巨神族のタケオは相手を知っているのかもしれません。ならば魔王ではなく邪神の類。思考が遠くに飛び何かがつかめそうになりました。あともう少しというところで魔王が膝をつきました。勝敗がついたようです。
「どうしてそこまで絞れた」
「大会中の状態で召喚されたからな」
勇者と魔王は熱い握手を交わして互いの健闘を讃えあいました。
神々というのは人間から理解の遠い存在なのですね。
また一つ学びました。
魔王はこの世界から手を引くことを約束し去っていきました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます