第7話 魔王あなたもですか

 E月tz日

 

 目の前広げられている壮絶な戦いにドン引きです。

 魔王が変態で筋肉でした。

 とうとう相対した勇者と魔王。魔王は開口一番からおかしかった。

 

「見事なプリケツだ。ハムスプリングスをどれだけイジメ抜いた? お前なら我がはんり……ではなく右腕にふさわしい。一緒に世界を共有財産にしないか?」


 タケオはサイドトライセップスのポージングで答えます。

 両手を後ろに回して筋肉を誇示し始めたので了承かと勘違いしましたが、お前の手は取らないという意味でした。

 そこからは怒涛のポージングバトルです。騎士たちのコールにも熱が入ります。私からは熱が抜けていきます。ここにはポージングバトルには敵はいません。全員味方です。魔王にも賛辞のコールが飛び交います。疎外感があるのは私だけです。

 そういえばタケオは魔王に見覚えがあるかのように「……ダークドレア……」と驚愕し呟いていました。もしかしたら巨神族のタケオは相手を知っているのかもしれません。ならば魔王ではなく邪神の類。思考が遠くに飛び何かがつかめそうになりました。あともう少しというところで魔王が膝をつきました。勝敗がついたようです。


「どうしてそこまで絞れた」

「大会中の状態で召喚されたからな」


 勇者と魔王は熱い握手を交わして互いの健闘を讃えあいました。

 神々というのは人間から理解の遠い存在なのですね。

 また一つ学びました。

 魔王はこの世界から手を引くことを約束し去っていきました。

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