第25話 小鳥さんの魔法、そして僕は!?

 アイツは一体? フリップは魔人って言ったわよね。もし私の考えがあっているのら、これから私達が戦わないといけなくなる存在ってことよね。

 アイツがこっちを気にする前に、なんとか今の状況を変える方法を考えないと。それにポチには自分が勇者だって、言わないようにさせなくちゃ。


 騎士やさっきまでこの部屋に居て、魔人が現れて駆けつけた人達が、攻撃で飛ばされる中。なんとかポチに、自分が勇者だって言わないように伝えたけれど。その後も私達は何もできないまま。


 気づけば聖也を守ってくれていたフリップは、他の人達と同じように飛ばされて、聖也を守っているのはポチと私だけになってしまったわ。そして魔神の手が聖也に伸びてきて、ポチが魔神に噛みつこうとした時、それは起こったの。


 あの子がこんな力を使えるなんて。もしかしてこれが私達の力? 勇者としてのポチの力が、今どのくらい使えるか分からないけれど。勇者とその仲間と私達自身がそれを認識した事で、今力が発揮できた? なら私の力は? 

 ステータスを思い出して。私は賢者だったわよね。そして考える者ってあったわ。考える、考えるのよ私! そしてポチに指示を! 

 

 魔人があの子の力に一瞬引いた隙に、私はなんとか考えをまとめようとして。その時ポチが変な事をポソッと。


『…』


 !? あの子があそこまで出来たのだから、きっとポチも!


『ポチ、聖也を思って!! 貴方にはアイツを倒す力があるわ! 絵本の勇者と同じよ!! 強く願って!! アイツに勝てるって。そして聖也をも守るのよ!!』


      *********


 魔人が聖也を捕まえようとして、聖也は僕を抱きしめたまま、その場にしゃがみ込んだよ。それで僕が魔人の腕を噛みつこうとした瞬間。

 小鳥さんが僕達の前にふらふら飛んできて、瞬間とっても眩しく光ったんだ。でも光はすぐに消えて。そしたら魔人と僕達の間に、綺麗な白色透明の壁ができてました。


『わぁ、できた!!』


 小鳥さんがそう言います。魔人は白色透明な壁を見て、しゅっと消えた後、壊れちゃって外が見えてたでしょう? その外の方まで移動しました。


『何だアレは。あの壁から#あの__・__#力を感じるぞ。どういう事だ!?』


『この綺麗な壁、小鳥さんの魔法?』


『う~ん、たぶん? ぼくね、きゅうにできるってかんじたの。それでかべでろっておもったら、このかべがでたんだよ』


 凄いね。小鳥さんの壁のおかげで、聖也を守れたよ。ありがとう!! 僕が小鳥さんにありがとうしてる間、タマ先生は何も言わずに、とっても難しい顔してました。タマ先生、今のうちに聖也を逃さないと! あっ、ほら! あの魔人がまたこっちに来ようとしてるよ。


 と、また一瞬で魔人が僕達の前に現れて、それで聖也をまた捕まえようとしました。でも小鳥さんが僕達の前で、またまた壁を作ってくれて。う~。僕も何かできたら良いのに。大切な僕の弟の聖也。守るのは僕の役目なのに。僕、噛み付くことくらいしかできないよ。僕も何か、何かできない。聖也を守る力はない?


 そう思った時でした。急に体の中がポカポカしてきて。それからなんか体の中からそのポカポカが溢れる感じがしたんだ。それから力が溢れるような感じも。


『体、ポカポカ。それに何か力がこう、ふよふよって』


 僕がそう言ったら、タマ先生がハッとした顔をしました。それからすぐにまた難しい顔になったけど。魔人はその間にまたお外に。小鳥さんが出してくれた白色透明な壁を、何回か攻撃したんだけど。でも壁はぜんぜん壊れなくて。『ちっ』って言いながら離れました。


『くそっ、変な魔法を使いやがって。しかもあの力に似ているなど。次は確実に』


 魔人が僕達を睨みました。それと同時にタマ先生が僕に。


『ポチ、聖也を思って!! 貴方にはアイツを倒す力があるわ! 絵本の勇者と同じよ!! 強く願って!! アイツに勝てるって。そして聖也をも守るのよ!!』


 魔人が変な顔をします。ん? あれ? もしかして僕達の言葉分かってる? うん、でも今はそれよりもタマ先生が言ったこと。絵本と同じ。絵本の勇者はとってもの強くて。僕もさっき勇者って言われて。

 アイツに勝てる? 勇者の僕なら? 勇者になって聖也を守る? 


 僕はタマ先生に言われた通り、いっぱいいっぱいお願いしました。あの魔人に勝てるって。聖也を守れるって。そしたら体の中ポカポカも力も、もっともっと強くなってきたんだ。

 最後に1番強くお願いをした僕。その瞬間、ポカポカと力が弾けたような感じがしました。そして…。


『わぁ! ポチすごいねぇ』


『え? ポチ? まさかそうなるとは思わなかったわ』


「ふおぉぉぉ! ぽちしゅごい!!」


 聖也も興奮して叫びます。何々、みんなどうしたの? 僕は周りをキョロキョロします。ん? 何かいつもと違うような。いつもは地面がすぐ目の前に見えるのに、今はちょっと遠くに見えるよ。それにこれ、誰の足? とっても大きな犬の足が見えたんだ。


『ポチ! 貴方大きくなったのよ!』


 タマ先生が僕の隣でそう言います。そういえばタマ先生も小さいような。あれ? 僕は自分の体を見ました。それからもう1回周りをキョロキョロ。それで壁の所に割れちゃった鏡が付いてたんだけど。


『ふわ!! 僕大きい!! タマ先生! 僕大きくなっちゃった!!』


 僕ビックリだよ。鏡に映ってる僕、ライオンさんみたいに大きくなってたんだ。うんとね、多分ライオンさんよりも大きいかも。顔がね、聖也の体の半分くらいの大きさなんだ。だから体もとっても大きくて。


『ポチ、貴方が大きくなった事は、後で考えるわよ。今はアイツを倒すことだけ考えて。きっと今の貴方は勇者として、アイツを倒す事ができるわ!』


 お話してる時、魔人が僕達の前に、僕はしっぽで魔人を追い払います。それでねしっぽが魔人に当たったら、魔人が壁に思いっきりぶつかって、壁に魔人の形が残っちゃいました。


 やった!! 僕のしっぽ攻撃で魔人を吹き飛ばしたよ!!


      =========


いつもご愛読ありがとうございます。ありぽんです。


私ごとで恐縮なのですが。現在、ちょっと色々な事があり、

なんと言いますか、心が付いてきてない状態です。

そのため、本当ならいつも楽しく書いている物語が、2行書いては止まり、

あるいは、全く書けなくなったり。

うまく説明できないのですが、今、私の心がこういう状態になっております。

なるべくでしたら、毎日更新したいのですが、

もしかしたら時々更新が止まるかもしれません。

いつもご愛読頂いている皆様には、申し訳ございませんが、

その程よろしくお願いします。

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