第22話 優也お兄ちゃんの鑑定結果は間違いなし?

「ちょっと色々、鑑定結果については、何だそれというのもありましたが、ポチ達の事は一応は確認できました。それについてはまた、これから詳しく聞きたいと思いますが。すみません。私の鑑定結果をても」


「そ、そうじゃったな。ユウヤ殿の鑑定結果がまだじゃったの。確かに勇者様とその関係者については確認が取れた。ユウヤ殿の言った通り、変わった事も記されていたが。先にユウヤ殿の鑑定結果を確認しよう」


 王様が頷いて、優也お兄ちゃんがそっと板を触ります。そうそう、僕お揃いで嬉しくて喜んでたし。それからみんなもそれぞれお話してたから、優也お兄ちゃんの鑑定の結果見てなかったもんね。

 でも。優也お兄ちゃんが言ってた、「何だそれ」とか、王様の言ってた「変わった事」って何のことかな? 変な事書いてあったの? ん?


 お兄ちゃんが板を触ったら、すぐに光の板に文字が出て。それを見たお兄ちゃんは、なんかとってもがっくりしてました。それで変な事言ってたんだ。嬉しいけど嬉しくないとか。どうして僕やタマ先生、小鳥さんに聖也なんだって。


 お兄ちゃんの鑑定の結果を見て、今までブツブツ言ってたタマ先生は。


『まぁまぁ。これは優也らしい結果ね』


 そう言ってニコニコ笑ったんだ。それから今度はお優也兄ちゃんが、ブツブツ言い始めちゃって。お兄ちゃんが鑑定の結果を教えてくれないから、タマ先生に読んでもらいました。あのね、お兄ちゃんの鑑定の結果、***マークが1つもなかったんだ。


[名前]川本優也

[種族]人族

[性別]男

[年齢]24歳

[称号]料理人 聖也の保護者 聖也達を見守る者 どんな食材も美味しい料理に変える者 料理ためならどんな物を食べてもお腹を壊さない者 料理の神に愛されし者

[レベル]50

[体力]500

[魔力]500

[能力]SS

[スキル]包丁さばきレベル10 鍋の使い方レベル10 フライパンの使い方レベル10 その他料理の作業レベル10

[加護]酒神の加護レベル7


 おお!! 何か分かんないけど、凄い気がするよ。称号も僕達よりも多いし、それに数字もいっぱい。これって凄いんでしょう? タマ先生に聞いたら、1番良いレベルが何か分からないから、凄いかどうかまだ分からないって。

 え~、凄いはずだよ。さっきお兄ちゃん嬉しくないって言ってたけど、嬉しいも言ってたもんね。それはきっと鑑定の結果が良かったからだよ。


『鑑定って、正しいのかはまだ分からないけど、間違ってはいなさそうね』


 どうしって?って聞いたら、優也お兄ちゃんの鑑定に書いてあったことは、ほとんどが料理に関することでしょう?って。あっ、そういえば。包丁とか鍋とか、美味しい料理に変えちゃうとか。

 お兄ちゃんのご飯、とっても美味しいもんね。聖也もお外、えっとお店とかでご飯を食べると残しちゃうけど、お兄ちゃんのご飯は全部食べるんだ。


 なんでお店のこと知ってるかっていうと、僕やタマ先生みたいに、動物はお店の中になかなか入れないんだけど。時々入れたり、お外だったら一緒にご飯を食べられるお店があるから。その時いつも聖也はご飯を残すの。


「これは。王宮で働けるレベルの料理人スキルじゃな」


「いや、アーネル。もしかしたらトップを争うくらいなんじゃないか?」


「と、まずは全ての鑑定が終わったの。ノーマン、記録はどうじゃ?」


「全てこちらに」


「よし、皆とりあえず落ち着こう。そしてこれからの話じゃ」


 いつの間にか1度は椅子に座ってた王様もおじさん達も、それからがっくりして、お椅子に座ってた優也お兄ちゃんも、みんなが立ちあがっちゃってて。みんなが座った後、ノーマンお爺さんが板と石を片付けました。小鳥さんはまた聖也の頭の上でこっくり始めたよ。


 それからノーマンお爺さんはドアを開けて、外にいた誰かとお話し。少しして新しい飲み物が運ばれてきて、みんなが一気にそれを飲んじゃいました。


「本当にこんな鑑定結果は初めてじゃが。どうじゃろうか、ユウヤ殿。この鑑定の結果は間違いがない。こちらのポチ様とセイヤ様、タマ様、そしてプロテクトバードが、勇者様とその仲間として選ばれた」


「…これは、もうどうしようもないのでしょうか? みんな小さな子達ばかり。こんなに小さいのに、戦うことなんて。それに、俺達が住んでいた世界に、ここのような危険なことはほぼないんです。まぁ、色々とありますが、それでも俺達は幸せに暮らしてきた。それなのに…。俺が代わることはできないのですか?」


「それは出来ないのじゃ。それぞれの鑑定結果が変わるとすれば。それは表示が消えるか、新たにスキル能力を得るか。移し替えることはできん。すまんがな」


「王様は、ポチ達が戦えると?」


「それはワシから話そう。ワシはアーネルの弟でボルドーという。よろしく頼む」


「よろしくお願いします」


 2人いたおじさんの1人は、アーネル王様の弟だって。弟、聖也と一緒だね。おじさんだけど。


「今の鑑定結果で分かったことだが、先ほどもチラッと言ったが、ポチ様も聖也様も、他の方々も、体力や魔力など、その年齢を考えれば、低いくらいなのだ。今の段階では戦うことなど出来はしない」


「ですが、勇者は魔王?を倒すために呼ばれたんですよね。今もし、襲ってくるようなことがあれば」


「魔王はすぐに襲ってくるわけではないのだ。神はそれも含めて、今の段階で勇者様方を、ここへお連れした」


 何か難しい話しが始まっちゃいました。タマ先生はよく聞いておかなくちゃって、優也お兄ちゃんのお膝に乗って、ボルドーのお話を聞いてます。僕は聖也のお膝の上。伏せの格好をして、なんとなくお話しを聞いてました。


 それでね、その話の途中、急に変な感じがしたんだ。

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