第21話 聖也とタマ先生と小鳥さんの鑑定結果
「分からない箇所が多いですが、今分かる範囲はここまでです。あとは時間が経てば分かるようになるかと」
「そうか。分かった。しかしこれは。これから皆にどう説明するかのう」
「そのまま説明するしかないだろう。だがその前に、全員の確認を終わらせてしまわなければ」
「そうだの。では次は…」
「あの」
「ユウヤ殿質問が?」
王様が優也お兄ちゃんにちょっと困った顔して、でもちょっとだけ笑ってる顔で、聞き返してきました。
「この鑑定が間違っているという事はないのですか?」
「この鑑定の道具は、間違う事はない。大昔から使われてきている物なのじゃ。ワシもきっとユウヤ殿も、信じ難いだろうが、この結果が間違いという事はない」
「そうですか…。ポチが…」
みんなが僕を見てきます。何? みんなどうしたの? そんな変な事書いてあったかな? あのね、僕勇者だって書いたあったけど。えっと勇者は、絵本でどんなことしてたっけ? みんなを守ったり、冒険したり? 僕がタマ先生にそう聞いたら、色々混ざってるわよって。ん?
僕のことはまた後でお話しするって、次はタマ先生の番でした。タマ先生も優也お兄ちゃんに抱っこされて、冷たい板を触ります。タマ先生はピャッてならなかったよ。すぐに僕の時みたいに、光の壁が現れて、文字が出てきました。
[名前]タマ 又はタマ先生
[種族]猫
[性別]メス
[年齢]***
[称号]賢者 感銘で堅実な者 考える者 聖也とポチの先生 ***
[レベル]1
[体力]100
[魔力]100
[能力]言語能力取得? ***
[スキル]***
[加護]***
「にゃんにゃん、お前タマっていう名前があったのか。ていうか、先生って」
え? 何々? 優也お兄ちゃん今、タマ先生のこと『にゃんにゃん』じゃなくて、『タマ先生』って言った? どうして分かったの? 誰か今、優也お兄ちゃんに教えたっけ?
僕が優也お兄ちゃんを見たり、王様達を交互に見てたら、タマ先生が今説明したでしょうって。僕のことを少し押しました。それから見てみなさいって。1番上の文字、タマ先生の名前が書いてあるって。
ん? だってあの文字は、僕には優也お兄ちゃんが書いてたり、絵本で見る文字に見えるけど、何て書いてあるかは分からないよ? ***のマークとかなら分かるけど。
僕がそう言ったら、タマ先生が変な顔をしました。それから『え?』って。タマ先生が上から文字を読んでいきます。タマ先生は文字をすらすら読んじゃいました。でも読んだあとは考え込んじゃって。それからどうして文字が分かるのかしらとか、年齢が教示されなくて良かったわとか。1人でブツブツ言ってたよ。
優也お兄ちゃんはタマ先生を見たまま、後で聖也にタマ先生の名前を教えないとって。そうだ! 聖也もタマ先生の名前知らなかったもんね。今は鑑定の結果とかお話とか、ちょっと忙しいからね。ちゃんと後で教えてあげてね、優也お兄ちゃん。
タマ先生のブツブツが止まらないまま、次は聖也の番です。聖也も僕達と一緒。優也お兄ちゃんに抱っこしてもらって、板に触って。
「みょうぉぉぉ」
聖也も冷たかったみたい。変な声出して、それからお手々をピロロロって振ってました。優也お兄ちゃんがちょっとだけ笑ってたよ。すぐに光の壁が出て、文字が出ました。タマ先生に考えるのやめてもらって、文字を読んでもらいます。お兄ちゃんも教えてくれるけど、タマ先生分かるんでしょう? さっきの説明、タマ先生の方が分かったんだもん。
[名前]川本聖也
[種族]人族
[性別]男
[年齢]2歳
[称号]神官 ポチと兄が大好きな者 ポチ似のぬいぐるみが大好きな者 タマ先生の生徒 ポチに顔を舐められる者 ***
[レベル]1
[体力]90
[魔力]90
[能力]***
[スキル]***
[加護]***
僕も聖也も、タマ先生も、みんな少しずつ違うけど、同じような事もいっぱい書いてありました。あとね***のマークがいっぱい。みんなお揃い。僕嬉しくなっちゃいます。聖也もマークがいっぱいって、お揃いって喜んでたよ。
でも僕達の文字を見たあと、優也お兄ちゃんがとっても大きなため息を吐きました。それからタマ先生も。
『ポチ、そんなに良い事じゃないのよ。まぁ、良いことでもあるのだけれど。はぁ、私達これからどうなるのかしら』
ノーマンお爺さんは次に、誰の鑑定の結果を見るか王様に聞きます。優也お兄ちゃんか小鳥さんね。王様は先に小鳥さんの鑑定をみたいって。ノーマンお爺さんは前に小鳥さんの鑑定をした事があって、その時とほとんど変わらないんだけど。少しだけ変わったって言いました。
[名前]***
[種族]鳥 プロテクトバード
[性別]雄
[年齢]1歳
[称号]ナイト 森の迷子 勇者と出会いし者 ***
[レベル]1
[体力]50
[魔力]50
[能力]言語能力取得? ***
[スキル]***
[加護]***
小鳥さんは名前が分かりませんでした。分からないんじゃないくて、名前ないって言ってたでしょう。だから***マークなんだって。あとは小鳥さんは1歳でした。聖也よりも小さかったよ。
「これが鑑定結果です。レベルや体力、魔力など。これからの訓練や実践によって、伸びるでしょうが、今の段階では年齢と比較してもかなり低いかと」
「確かにそうじゃな。じゃが、ここへ来たばかりという事もあるのだろう。体がこの世界にまだあっていない事も、数値が低い要因じゃろうのう」
「しかし、迷い鳥までもが、勇者殿に関係するとは。勇者一行は、別の世界から来るものだと」
王様達のお話が止まりません。みんなそれぞれ違うことしてるの。僕はみんなお揃いで嬉しくて、しっぽをふりふり。聖也も最初は喜んでたんだけど、喉乾いちゃったみたい。自分で手を伸ばしてコップを持って、ジュースをゴクゴク。
タマ先生はブツブツがまた始まっちゃって。小鳥さんは聖也の頭の上でうとうと、こっくり。寝始めちゃいました。
その時、
「あ、あの!!」
優也お兄ちゃんの大きな声を出したんだ。そしたらせっかく寝始めた小鳥さんが、
『ぴょっ!?』
って鳴きながら起きて、みんなが優也お兄ちゃんを見ました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます