第4話 密着

ようやく次の列車が来る。



「てか、結局守さんは何をする予定だったんです?」


「映画を見に行こうと思ってました」


「そうなんですか・・・時間が決まってますよね。だったら映画を見終わってから、嘘つきな守さんの性根をたたき直す事にします」


ドアが開きハナはそう言ってそそくさと列車に乗り込む。


「で、映画館の最寄り駅はどこですか?」


ハナは列車の中から黄色い線の内側にいる守に聞く。


「ここです」


守は下に人差し指を向けると、同時にドアが閉まる。


「えっ!」


ハナは慌てて飛び出る。

勢いよく飛び出たので止まることが出来ず、守の胸に飛び込む形になった。


「ごっごめんなさい」


「大丈夫ですよ。ハナさん軽いんで痛くないです」


密着する二人。


「ん?・・・プゴプゴ 守さん」


「なんですか? ハナさん」


くっついている分よく匂う。


「嘘つきましたね」

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