第4話 5年ぶりの再会
感知器に引っかかったので、扉の前にいる者が誰なのかホームモニターを起動し確認した。
「あら!」
誰なのか確認するとレッジィーナは、久しぶりに見たその女性の顔に嬉しくなり声を出し、出迎えのために扉に向い扉を開けた。
「マリー!久しぶりね」
「レッジィーナお嬢様。お久しぶりでございます」
レッジィーナとマリーは再会を喜び抱き合った。
「マリー。話があって来たのでしょう。中に入って頂戴」
レッジィーナは、エルメスの隣に座るとマリーをさっきまでレッジィーナが座っていた側のソファーに座らせた。
「話を聞く前に二人共初対面だから紹介するわね。
エルメス、私の専属メイドをしてくれていたマリーよ」
「はじめまして、マリーナ・ガルシアです。よろしくお願いいたします」
ソファーから立ち上がるとマリーはエルメスに挨拶し、またソファーに座ったた。
「マリー、こちらは、私の公私のパートナーであるエルメスよ」
「エルメス・ルシファーだ。よろしくな」
エルメスは、ソファーに座ったまま挨拶した。
二人の紹介が済んだので、話に入る前に軽い世間話からはいる。
「それにしてもよくこのログハウスに私が居るってわかったわね」
「旦那様がレッジィーナお嬢様は、宿を取らず、何処かにログハウスを出してそこに居るはずだからと仰られましたので、ログハウスの近くに人だかりができていたのですぐにわかりました」
外は人だかりができているのね。出迎えた時もマリーだけを見て、外の様子など気にもしなったレッジィーナであった。
「まあ、今までなかった物が突然あったら騒ぎになるよな。奴らも騒ぎを聞いてくるかもな」
「かもしれないけど、外の音は中には聞こえないし、許可しなければ入ってもこれないから気にする必要もないわ。
それよりマリー。公爵家から除籍され平民ということになっているのだからこれからは前みたいにジーナって呼んでよ」
「国王に除籍したと伝えただけで、書類を提出したわけではないのでまだカルサール公爵令嬢のままですし、今日は旦那様の使いで来たのですからレッジィーナお嬢様も呼ばせていただきす。
私も旦那様の命で、私も一緒に行くことになりました」
マリーも私たちと帯同することになったのね。
専属メイドなのに私が国外に行った時もマリーは帯同せず、マリーの母親であり、メイド長のマリッサが私に帯同していたからマリーとは旅行したことがなかったから今回の旅は楽しみが増えたわね。
「では、旅の時はジーナって呼んでね。あいつらもマリーが私を愛称で呼んでも気にしないだろうしね」
私は平民で、マリーは伯爵令嬢だからね。
元専属メイドでも伯爵令嬢のマリーをマリーって私が呼んだらマリーナ嬢と呼べとか文句を言ってくるかもだけどね。
「そうですね。そうさせていただきます。
あと明日にも宰相の職をマヌーケ侯爵に引き継ぎ、出立前に旦那様がハザードへ当主の座を引き渡すとのことです」
いらないカルサール公爵家当主、宰相という肩書をさっさと手放したいのですねお父様。
今回の旅が全て私達の計画通りに行けばカルサール公爵家なんて無くなってしまいますし、真面目に当主、宰相として領民、国のために頑張ってきたけど、愚かな国王たちに呆れ国王たちや多くの国民たちを見限った。
だから国王たちと一緒に泥なんか被りたくないですもんね。
「そうなのか。では、すべて終わったらジーナの父上を我が国の宰相として迎えるとしよう。
レイブン殿の有能さは、遠く離れた我が国にも届くほどだからな。
うちの現宰相も弱小国のゴルチェ王国の宰相にしておくなど宝の持ち腐れだ。
レイブン殿になら宰相の職を奪われても文句はない。
そして自分は宰相補佐として国を更に栄えさせるのに協力するために尽くすと言っていた」
お父様がエルメスの国の宰相になるのか。
それにハザート宰相がそんなことを言っていたなんて知らなかった。
「レイブン殿の後任で宰相になるマヌーケ侯爵とはどうなのだ?」
「「口だけ無能、銭ゲバ野郎ですね」」
私とマリーは同時に、その言葉を口にした。
まあ、この国の大多数の貴族が無能な汚職貴族ですけどね。
「この国の多くの貴族たちがマヌーケほどではなくても無能な汚職貴族ですね」
「それは……私達の計画無くても近いうちにこの国は破滅したんじゃないか。
まあ、ジーナへの行いを後悔させ、絶望のドン底に落とすために自らの手でやるけどね」
ゴルチェ王国以外の国の民は、王侯貴族から平民まで王侯貴族と平民、各個人によって能力差などはあるが誰でも魔法が使えるのだ。
なぜ弱小国で魔法も使えない、未だに剣や槍、弓、銃器だけで戦うゴルチェ王国が他国から攻め込まれないかという宰相であるレイブンや娘のレッジィーナなど一部の有能な貴族たちの存在、頑張りのおかげである。
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