第54話 脚本作り

 翌日の月曜日、朝から明日夏とハートレッドは『ハートリングス対ギャラクシーインベーダーズ』のシナリオを一緒に考えるために、パラダイス興行に来ていた。

「明日夏さん、やっぱり『ハートリングス』の最初の登場シーンが問題ですよね。」

「違う違う。一番重要なのは『ハートリングス』の変身シーンだよ。」

「それは分からないことはないです。女性戦士の変身シーンだと、空中元素固定装置を使った変身みたいに、一瞬裸になるんですか?」

「レッドちゃん、空中元素固定装置って何?」

二人の話を聞いていた悟が答える。

「キューティーハニーかな。」

「キューティーハニー。聞いたことはありますが、何で社長が知っているんですか。」

「子供のころに学校で有名だったからだよ。」

「社長の子供のころの話なら、昔のアニメじゃなくて実写版でしょうか。」

「そうだと思う。」

「そうだとすると、ちょっと待ってて下さい・・・。あった。明日夏さん、これがその変身シーンです。」

ハートレッドがPCの画面で変身シーンの動画を見せる。

「社長も子供のころは、こんなエッチなものを見ていたんですね。」

「明日夏ちゃん、光でほとんど何も見えないし。」

「明日夏さん、社長が小学生のころの話ですから、これでエッチな雰囲気を味わっていただけだと思います。大目に見ましょう。」

「レッドちゃんは優しいね。でも、この変身シーンは、水着かレオタードを着て撮影しているのかな?」

「たぶんそうだと思います。すごく明るくしていて時間も短いですから、色は着ているものを肌色にしているのか、画像処理で肌色にしているのかは分かりません。」

「今なら緑色の服を着てクロマ合成をすればいいかもしれないね。でも、マー君がそういう編集ができるかな。かなり心もとない。」

「そうですね。編集は細かいところまでチェックしないといけないですから、撮影より難度が高いかもしれませんね。」

「撮影の方は、最悪はカメラを固定すればいいからね。」

「そうです。監督とお兄さんなら文字通り目をつぶって撮影するかもしれません。」

「ははははは、そうかもしれないね。」

「冗談はともかく、二人は女性の水着の撮影をしたことがあるのでしょうか。」

「どうだろうね。アキさんとやらと海に遊びに行ったことはあるみたいだが。」

久美が話す。

「ハワイでの撮影のときに、明日夏が水着で少年に胸を触らせていたから、少年は大丈夫なんじゃないか。」

「えっ、明日夏さんそんな大胆なことをしたんですか。」

「違う、違う!ナンシーがいたずらをしてバナナの皮を床に置いたから、それで滑って私がマー君の方に転んだだけ。」

「明日夏さん、バナナの皮で滑るってアニメの中の人みたいですね。でも、怪我はしなかったんですよね。」

「うん。それはマー君が受け止めてくれたから大丈夫だったよ。それで、マー君がナンシーちゃんに転ばすのは危ないって説教していた。」

「危険なことに対して説教をすると言うのは、お兄さんらしいですね。その時には、他にも水着の女性がいたんですか?」

「撮影の最終日にみんなで浜辺で遊んだ時なら、橘さん、ミサちゃん、ナンシーちゃん、亜美ちゃんがいた。男性は社長とマー君だけ。」

「それなら、お兄さんが水着姿を撮影するのは大丈夫そうですね。」

「そうかもね。ミサちゃんなんか、その前日にケーブルにつまずいて、マー君に胸を触らせていたという話だし。」

「そうなんですね。ミサさんの場合はわざとかもしれませんが、ハワイの撮影って本当にすごかったんですね。次に行くときには是非私も誘って下さい。」

「いいけど。普通は女子だけで行っているよ。」

久美が話に加わる。

「そうなんだよ。だからそれは不健全だよといつも言っている。明日夏も美香も男と海に行ったことがなかったから、ハワイではやたら舞い上がっていたんだよ。」

「橘さん、だから私は行ったことがありますって。」

「小学校2年の時か。」

「そうですけど。」

「それは問題外だろう。レッドは経験あるのか?」

「残念ながら私もないです。でも、監督とお兄さんなら、荷物運びのために来てと言えば、仕方がないなと言いながらも、来てくれると思いますけど。」

「レッドの方が、明日夏や美香より男の扱いが上手そうだな。」

明日夏が答える。

「橘さんよりもです。」

「うるさいな。」

「でも、レッドちゃん、マー君はアキさんとやらでライブの仕事があったら来てくれないと思うよ。」

「うーん、そうか。でも、そういう時は、プロデューサーからお兄さんにお願いしてもらえば絶対来ると思います。」

「尚ちゃんは、自分たちが遊ぶためにマー君を困らせたりはしない。」

「なるほど。とすると、二人が確実に来るようにするためには、アキさんとユミさんも呼ぶということですね。」

「予定が合えばそうだろうね。」

「亜美さんも来るなら、徹君も呼べば面白くなりそうですね。」

「レッドちゃん、もしかしてトラブルを期待していない?」

「トラブルでなくて、ストーリーのヒントが得られるかもしれないと思って。」

「ストーリーのために、人間性を失わないようにね。」

「どっかで聞いたセリフですけど、了解です。」


 ハートレッドが久美に尋ねる。

「それで、橘さんには、ハワイで面白い話はなかったんですか?」

「あるわけないだろう。」

悟が話に加わる。

「面白いかどうか分からないけど、撮影の打ち上げの時に、久美は酔っぱらって誠君に迷惑をかけていた。」

「それはありそうですね。」

「悪いが、その時のことはほとんど覚えていない。きっと、少年にもっとガツンと行けって言っていたんじゃないか。」

「まあ、そんなことも言ってたね。」

「それを言うのは橘さんらしいと思いますが、お兄さんと社長は縁の下の力持ちをしているのが一番楽しんじゃないかなと思います。先週の私たちの撮影の時も、お兄さんは少し下がって、周りを見ながら行動して、それがやりがいという感じでした。」

「それじゃあ、だめなんだよ。」

「でも、橘さん、このパラダイス興行も社長が後ろから支えているから、うまく行っているんです。」

「それは分かっているけどさ。」

「ですので、橘さんが前方に集中して道を切り開くことが重要なんですよ。」

明日夏も同意する。

「そうです。橘さんはあっちこっちで爆発しないで、前に進んで下さい。」

悟が話を加える。

「前に進むという意味で、面接の時に物怖じしたりしないことが重要かな。」

「社長の言う通り、芸能人の面接で物怖じすると、仕事ができないと思われてしまいますので、失敗しても構いませんので、自信を持って話すようにしましょう。」

「その通りです。私だって受かったんですから。」

「分かったよ。でも、何で明日夏とミサがハワイで少年におっぱいを触れさせた話から、こんな話になったんだ。」

「えーと、橘さんが少年に説教した話からです。」

「そうか。まあいい。次はみんなを見習って、私も頑張らないととは思っている。」

「はい。分からないことがあったら、何でも聞いて下さい。」

「そうだな。悟のためにもそうするよ。」

「あの、私にも聞いて下さい。」

「明日夏は、いい。」

「何でですか。」

「参考にならんだろう。2次元キャラクターのために頑張りますなんて言った明日夏の面接なんて。」

「尚ちゃんの、総理大臣は?」

「それも、無理だな。」

「プロデューサーは、ヘルツレコードの面接で総理大臣になるためにアイドルになると言ったんですか。」

「そうみたいだよ。」

「社長、やっぱり、パラダイス興業はすごいです。」

「ははははは。」

「レッドちゃんはヘルツレコードの面接で何て言ったの?」

「私のは平凡です。ダンスでたくさんの人を楽しくしたいって言いました。」

「オーソドックスだね。レッドちゃんは何を言っても大丈夫だと思うよ。」

「BLの素晴らしさを伝えるためにと言ってもですか?」

悟が答える。

「どうだろう。多様性の時代だし、今なら受かったと思うけど。」

「はい、プロデューサーと知り合ってから、私たちが落ちたのは、相手が悪すぎただけなんじゃないかと思っています。」

「尚ちゃんはちょっと特別だから。」

「私もそう思います。橘さんも歌がとても上手ですから、面接ではロック歌手として無難なことを自信を持っていえば大丈夫だと思います。」

「僕もそう思うよ。」

「無難なことねー。」

「久美、僕も相談に乗るから、何でも聞いて。」

「分かった。平凡さなら、悟に敵う奴はいないからな。」

「橘さん、社長みたいな辛抱強いイケメンなんて、そうそういませんから。」

「そうかもしれないけど、二人は自分たちの仕事をしなさい。」

「はい。」「はーい。」


 明日夏とハートレッドが『ハートリングス対ギャラクシーインベーダー』のストーリーを作る話に戻す。

「それでは、明日夏さん、おしゃべりはこのぐらいにして、ストーリーを考えましょう。」

「おしゃべりしていたのは、レッドちゃんだったような。」

「芸能界に入った目的は、楽しくすることですから、おしゃべりは重要です。」

「まあ、アイドルだから、そうかもしれないね。」

「そうだ。せっかくですから明日夏さんも出演しませんか。よくある最初は敵か味方が分からない魔法使いとか?」

「私は魔法使いなの?」

「戦隊と魔法少女がいますから、あとは剣士、槍使い、弓使い、魔法使い、バーサーカーじゃないですか。」

「確かにその中なら、私は魔法使いかな。それで、アイシャちゃんをバーサーカーで出すといいかも。」

「バーサーカーは、橘さんじゃないんですか。」

「バーサーカーは、普段はおとなしくなくちゃいけないから。」

「なるほど。アイシャさんは女王様とか似合いそうですから、何かがあると、いきなり暴れ出す感じですね。」

「そうそう。」

「そうだ。社長も出演してみませんか。マスクを付けてタキシードを着て、私たちを陰から支援する役とか。」

「僕はいいよ。表に出るタイプじゃない。」

「外見的にはそんなことはないと思いますが、視聴対象が男性ですから、イケメンすぎると、男性ファンが嫉妬して面倒と言う問題もありますね。今回は見送りますか。」

「僕はイケメンじゃないと思うけど、見送るのがいいと思う。それに、たぶんそのころは、久美のプロデュースで忙しいし。」

「そうですね。分かりました。明日夏さんは他に出演者のあてがありますか。」

「橘さんを『ギャラクシーインベーダー』側の女王様と考えていたけど、橘さんも忙しいから見送るしかなさそうだね。」

「そうですね。アキさんに人質役で出てもらいましょうか?」

「それは、海に誘い出すため?」

「それもありますが、お願いしたら何でもやってくれそうだし。」

「酷いことをされる人質の役なの?」

「はい。お嬢様アイドルの役で、『ギャラクシーインベーダー』に酷いことをされているところに、我々が現れる感じです。」

「鉄板だね。でもそういう役を、本当にやってくれるかな。」

「『トリプレット』と『ハートリンクス』が出るビデオに出れば、『ユナイテッドアローズ』の人気も高まりますから、かなりのことはやってくれるんじゃないでしょうか。」

「なんかレッドちゃん、だんだんコッコさんとやらに似てきたね。」

「そうなんですか。それは光栄です。」

「本当に芸術のために人間性を無くしそうな人になってきた。でも、あまり変なことだと、絶対マー君が止めるよ。」

「はい。ですので、水曜日に監督とお兄さんにどこまでできるか検討するようにお願いしようと思います。こちらとしては、それに従います。」

「なるほど。ちゃんと考えてあると言うことね。」

「はい、それにお兄さんの制約がないと、相手がアキさんの場合、プロデューサーのタガが外れて、アキさんを際限なく虐待しそうで怖いです。」

「それは、・・・・・。」

「プロデューサーがアキさんに少し嫉妬しているところがある気がして。監督と違ってアキさんは女性ですし。」

「なるほど、ありうるか。冷静な分析だね。」

「ですので、この件は監督とお兄さんが許すところまでということで進めましょう。」

「うん、それなら問題が起きないね。」


 ハートレッドが話を進める。

「そうすると、あとは変身アイテムを考えないといけないですね。」

「グッズとして売れるし、変身アイテムはあった方が良さそうだね。レッドちゃんたちは名前からして、ハート型が基本なんだろうけど。」

「はい、それがいいと思います。」

「尚ちゃんたちの衣装は、溝口エイジェンシーの方で作っているんだよね。」

「こういう感じになるそうです。」

「なるほど、これは悪の魔法少女という感じで、尚ちゃんに良く似合っている。」

「プロデューサーは怖いですが、悪というわけではないと思いますよ。」

「それは分かっているけど、悪が良く似合う。」

「怖い目と悪が合うという感じですか。」

「まあ、そうだね。」

「こちらも、変身アイテムが必要そうですね。」

「基本となるデザインは何がいいかね?」

「三連符ですか?」

「『ギャラクシーインベーダーズ』の中の人が誰だかわかってしまうけど、まあいいか。」

「はい、もうみんな知っているでしょうから。」

「そうだね。」

「明日夏さんに、変身アイテムのギミックを考えて頂けますか。それに合わせてデザインは私が考えます。」

「了解。」

「変身時のダンスは各自考えることを基本にして、由香と私が相談に乗ることにします。」

「そうだね。でも、ビデオは15分が4回の予定だよね。8人が変身するんじゃ、初回は変身シーンで終わってしまいそうだね。」

「そうなりそうですね。でも、変身シーンがクライマックスで、最初っからクライマックスにならないように頑張りましょうか。」

「それはそうだね。」


 明日夏とハートレッドがストーリーを考えているうちに休憩時間になった。悟がいれたお茶を見ながら、ハートレッドが思い出したように悟に尋ねた。

「そうだ。平田社長!」

「レッドちゃん、何?」

「パラダイス興行のお茶には、秘密の薬とかが入っていたりしませんか?」

「いや、そんなことは絶対ないよ。どうしたの?」

「それとも、お茶自体が特殊なお茶とか?」

明日夏が尋ねる。

「レッドちゃん、どうしたの?社長が私たちに変なことをするわけはないと思うよ。」

「別に変なことじゃないんですが、年末に作ったばかりの衣装がきつくなって調整することになったんです。」

「お餅の食べ過ぎで太ったの?」

「違います。ウエストは変わっていません。あの、胸だけ大きくなったんです。測ったら、Dカップになってて。今井さんは喜んで衣装の調整をお願いしてくれましたが、パラダイス興行に所属する女性の皆さんの胸が大きいのは、社長が何かの秘薬を盛って皆さんの胸を育てているのかなと思って。」

「胸を育てるって。レッドちゃんも、表現が立派なオタクになってきたね。」

「有難うございます。」

明日夏が誠の蹴上がりの同級生(Aカップ)のことを思い出しながら、悟に尋ねる。

「そう言えば、尚ちゃんも、亜美ちゃんも、私もここに来て大きくなったし、ミサちゃんもこっちに来るようになって、また大きくなったみたいだし、どうなんですか、社長?」

「明日夏ちゃん、冷静に考えてごらん。もし僕がそんな薬を作れるなら、僕はその薬だけで大金持ちになれるよ。」

「それはそうですね。」

「それに・・・・。」

「それに?」

「何でもない。」

「社長、何か隠しましたね。」

「明日夏さん、たぶん、由香のことを言おうとしたんだと思います。」

「うん、レットちゃんの言う通りだね。酷い社長だ。でもレッドちゃん、やっぱり秘密の薬はないと思うよ。」

「そうですね。そうだとすると、社長には、胸がまだ育つ女性を見抜く目があるということですか?だからアキさんをここのオーディションで落としたんですね。」

「レッドちゃん、そう言えば、アキさんとやらに会ったことがあるの?」

「金曜日の夜に、監督にビデオを撮影してもらったときに、アキさんはスティックマイクを持って音声の収録を担当していました。」

「とすると、マー君も一緒だったんだね。」

「はい。お兄さんは、さっき言った通り、AD(アシスタントディレクター)みたいな仕事と、動画の編集を担当して忙しそうに働いていました。」

「マー君らしいね。それで、社長、アキさんとやらの件、どうなんですか?」

「いや、あの時は今ほど歌が上手じゃなかったし、うちでプロデュースするという感じじゃなかった。久美、そうだろう。」

「悟の言うことは間違っていない。」

「僕としては、溝口エイジェンシーの方が上手にアキさんをプロデュースできるんじゃないかとは思うけど。」

「なるほど。パラダイス興行が採用するためには、一つでもいいから飛びぬけた才能が必要と言うことですね。」

「そうだと思う。」

「亜美さんのEカップとか?」

「亜美ちゃんは声だった。歌も上手だったけど。」

「分かりました。そう言うことにしておきます。」

「有難う。」

「まあレッドちゃん、もし社長が趣味で私たちに薬を盛っていたとしても、毒でないことは確認しているはずだから心配はいらないと思うよ。」

「橘さんで確認したということですか?」

「そっ、そうか。それは考えなかった。橘さんは昔から巨乳だったんですか?」

「明日夏、巨乳ってなんだ。でも、大きくなったのは大学に入ってからかな。」

「ほら。とすると、社長はお金儲けのためでなく、気に入った女性の胸を育てるのが趣味で、由佳が例外なのは、いつも豊さんに会うためにあまり事務所にいないからか。これなら全て辻褄が合います。」

「なるほど。」

「あの、名探偵レッドちゃん、そういうレッドちゃんのことが分かると、溝口社長に怒られるので、ほどほどにお願いします。」

「社長、心配はいりません。ちょっと肩こりが酷くなっただけで、他に体の不具合はありません。趣味なら続けていても、パラダイス興行関係者以外の人には絶対に言いません。」

「レッドちゃん、そっちの話じゃなくて。」

「悟、心配しなくても、全部レッドの冗談だよ。」

「そっ、そうか。」

「私も大学で変ったというのは嘘で、本当は高校3年のころから変わっていない。」

「それはそれで、すごいですけど。」

「でもレッド、肩こりなら運動をすることだよ。キックボクシング、やってみる?」

「面白そうですが、時間がなくて。橘さん、キックボクシングをしていると肩がこらないんですか?」

「こらないね。」

「明日夏さんは?」

「まあ、アニメを集中して6時間ぐらい観ているとこるけどね。」

「確かに、それはそうかもしれませんね。」

「レッドちゃんの肩が凝るようになったのは、イラストを描くようになったからじゃないの?」

「あっ、それはそうか。あれは時間を忘れちゃいますからね。明日夏さん、見てみます?大輝さんと治さんのイラスト?」

「えっ、うちの大輝さんと治さんのイラストなんて描いているの!?うん、見たい。」

「分かりました。」

明日夏がハートレッドのタブレットを見る。

「最近は携帯タブレットで描くのね?」

「本当はちゃんとした液タブで描きたいのですが、家だと勉強もしなくちゃいけないので、出先で描くために仕方がないです。」

「受験生だからか。でも、このイラスト、ギターを持つように手を絡めているところなんて、良く描けている。」

「二人とも暇そうにしていたので、モデルをやってもらいましたから。目もなかなかいいでしょう。」

「そうだね。社長に見せていい?」

「はい、どうぞ。」

明日夏が社長にハートレッドのタブレットを見せる。

「社長、これをデスデーモンズのアクスタにしたら売れるんじゃないでしょうか。」

「ははははは、僕には分からないけど、ハートレッドちゃんが描いたなら、うちで販売するのは無理だよ。会社をつぶすわけにはいかない。」

「私の名前を出さずに、取り分もなしでも構いませんが。」

「万が一のことを考えると、それでも難しいかな。」

「確かに、うちのトップアイドルに何をやらせている!って怒られそうだね。レッドちゃん、今は描き溜めておいて、アイドルを辞めるときに、個展でも開いたら。」

「個展ですか。はい、今は描き溜めることにします。でも、この絵は明日夏さんに送りますので、二人に見せてあげて下さい。」

「了解。二人がどんな反応をするか楽しみだね。」


 その時、由香がやってきた。

「みなさん、こんにちは。」

「由香ちゃん、こんにちは。こんな時間に珍しいね。」

「社長に呼ばれて来ました。」

「そうなんだ。また何かやったの。」

「明日夏さんじゃありませんから、俺は何か失敗をしたことはありません。」

「由香ちゃん、酷い。」

「昨日、豊のことを鎌田さんに話しました。リーダーが関係者まで隠しておくのはもう限界だろうということで。」

「なるほど。それで呼ばれたわけか。大変だね。」

「明日夏、二十歳にもなって、付き合った男がいないという方が大変よ。」

「橘さん、ですから、小学生2年までは、男の子と毎日のように会って、私の歌を聞いてもらっていました。」

「明日夏、その男の子も明日夏に気があったのかもしれないけど、さすがに、大人の恋愛と比べるのは違うだろう。」

「橘さん、気があったと思いますか?」

「毎日会っていたんなら、気があったと思うけど。」

「なるほど。」

「いや、明日夏、そんなことでニヤける方が問題だ。」

「橘さん、私の話はもういいです。それより、由香ちゃんの方でしょう。」

「それはそうだな。」

「それで、溝口社長と溝口マネージャー、ヘルツレコードの森永本部長と鎌田さん、こちらは由香ちゃんと久美と僕で話し合うことになったんだけど。」

「えっ、リーダーは?」

「一応、尚ちゃんはまだ14歳だから、大人の話は聞かせられないこともあるかもしれないということで、今回は呼ばないことにした。」

「それはやっぱり不安です。」

「だから、僕も久美も行くって。」

「明日夏さん、レッド、こういう場合、リーダーと社長とどっちが頼りになると思います?」

「それは尚ちゃんだね。」

「私もプロデューサーの方が頼りになると思います。」

「二人とも酷い。」

「社長、そういうことではなくて、リーダーは豊の件がバレた時の対策を、デビューする前からずうっとしてきていましたから。」

「そう言えば、そうだったね。」

「尚ちゃんは偉いね。」

「それじゃあ、やっぱり尚ちゃんも呼ぶことにしようか。」

「はい、リーダーに聞かせられないような話は絶対にしませんので大丈夫です。」

「分かった。『トリプレット』の将来を話すには尚ちゃんがいた方がいいから。」

「有難うございます。」

「それじゃあ、今日の記者会見で尚ちゃんに会うから、その時話しておく。」

「有難うございます。」


 由香が話を変える。

「社長、映画の方はどうなりそうですか?」

「どうやら北映は社内のダンス関係者から由香ちゃんと豊さんのことを聞いていたようで、元々検討していたみたい。それで、その関係が公になっても、観客数が増えることはあっても減ることはないという判断だったようで、映画の計画に影響はないとのこと。」

「分かりました。」

「由香ちゃん、複雑な表情だね。」

「いえ、明日夏さん、覚悟は決めていましたから大丈夫です。」

「豊さんとも相談したのね?」

「した。」

「それで、何と言っていたの?」

「チャンスだから出た方がいいと言っていた。」

「まあ、由香ちゃん良かったんじゃない。」

「少し寂しそうな顔をしていたけど。」

「愛されている感が半端ないね。」

「へへへへへ。」

「由香ちゃん、19歳だから社長もOKなんだよね。」

「社長は俺が決めていいと言っている。社長はお金じゃなく、俺たちを育てるのが趣味みたいな人だからな。」

それを聞いて、明日夏とハートレッドが吹き出した。久美も苦笑していた。

「二人とも、どうしたんだ?橘さんも?」

「何でもない。ごめんなさい。」

「由香ちゃん、ごめんなさい。」

「由佳、本当に何でもない。」

「まあいいけど。それで、レッド、イエローの方はどんな感じだ?」

「落ち着いているよ。両親とも相談して、イエローももう覚悟を決めたという感じかな。」

「そうか。イエローは恋愛未経験か?」

「そうだと思う。というか、恋愛経験者は由佳ぐらいじゃないの。」

「それは、そうか。」


 明日夏がハートレッドに尋ねる。

「レッドちゃんには、そういう話は来ないの?」

「正月映画の話は来ています。ベッドシーンはないけど、キスシーンとか下着姿になるシーンはあるかもしれないという話です。」

「やっぱり、ファーストキスになるの?」

「そうなります。」

「どうするの?」

「映画の前に、監督とお兄さんにファーストキスをしてもらって、それを堪能してから、私がその上にキスして、ファーストキスを済ませてしまおうと思っています。」

「レッド、何だそれ。」

「うーん、何だか良く分からない俳優とするよりは、自分の趣味に捧げたい。」

「そうか。でも、ファーストキスがいきなり2Pか。」

「由香、2Pって?」

「えーと。」

「ごめん。オタク用語じゃないけど一応知っている。でもそういうことになるのね。」

「俺はそっちの方ができねえ。」

「レッドちゃん、それで二人はやってくれそうなの?」

「私がファーストキスで、良く知らない人と最初は絶対にいやと言ってお願いすれば、やってもらえそうな気がします。」

「うーーん、それはレッドちゃんの言う通りかもしれないね。」

「レッドとキスできるなら普通はするだろう。豊かでもあぶねえよ。」

「ううん。二人の場合、一人にお願いしたら躊躇すると思う。でも二人だからできる。」

「それもレッドちゃんの言う通りだね。」

「明日夏さんにキスシーンがある映画の話がきたらどうします?」

「私には絶対に来ないだろうけど、来たらどうしようかねー。事務所の経営が危なくないなら断るかねー。」

「それが明日夏さんですよね。でも事務所の経営が危なかったら?」

「うーん。」

「それでは、私と同じことを。お勧めは、大輝さんと治さんです。」

「えーーーーーー。あの二人でか・・・・。」

「明日夏ちゃん、事務所の方は僕が何とかするから、明日夏ちゃんは無理をすることはない。そういう時は断って。」

「社長、有難うございます。やっぱり溝口エイジェンシーのタレントは大変だね。」

「その分、有名になれますので仕方がないです。でも明日夏さん、この『ハートリングス対ギャラクシーインベーダーズ』のビデオがうまくいけば、その映画化が先行して、私の映画は後回しになるかもしれません。」

「レッド、そんなことあるのか?」

「尚美さんが全年齢の人に人気があって、亜美さんが小学生男子に人気があります。一応、私も若い男性に人気も出てきていますので、家族向け映画として制作すれば、私の単独の映画より何倍も集客が見込めますので、ありだと思っています。」

「なるほど。それじゃあ、レッドちゃんのために頑張って構成を考えないとか。」

「はい、是非、よろしくお願いします。」


 明日夏とハートレッドは休憩時間を終えて、『ハートリングス対ギャラクシーインベーダーズ』のストーリーをまた考え始めていた。

「それじゃあ、地球のバーサーカー王女はアイシャちゃんにお願いしようか。それで私が侍従かな。」

「アイシャさんは分かりますが、明日夏さんが侍従なんですか。」

「私は遊園地のバイトで侍従をやっていたんだよ。」

「そうなんですか。侍従なのに王女様より目立っていたということはないですか?」

「・・・・・・。」

「最初は、私たちが苦戦をしなくてはいけないですよね。」

「地球の人が尚ちゃんたちに操られて『ハートリングス』を襲ってくる。」

「そうですね。その役は私たちのファンクラブで募集しましょう。でも、どうやって、その操られた人を元に戻すんですか。」

「戻さない。アイシャちゃんの命令で『ハートリングス』が操られた人を皆殺しにする。」

「さすが明日夏さん、容赦ないですね。」

「『ハートリングス』のファンなら喜んで死んでくれるよ。」

「そうかもしれません。集めるのは100人ぐらいですか。」

「そんなもんだろうね。終わった後に、みんなで一緒に写真を撮ってプレゼントすると言えば、喜ぶんじゃないかな。」

「死に方は各自考えてくるようにお願いしましょう。これは、プロデューサーの許可が必要そうですので、相談してみます。」

「そうだね。」


 明日夏とハートレッドが『ハートリングス対ギャラクシーインベーダーズ』のストーリーに関して、悟、久美、由香がヘルツレコード、溝口エイジェンシーとの打合せに関して話をしていた。昼前に今日は来る予定がない亜美が事務所にやってきた。

「亜美ちゃん、いらっしゃい。今日はアイシャちゃんと同じで、学校が日曜授業の振替で休みなんだよね?」

「はい、社長。アイシャと同じクラスですから。アイシャは直接記者会見場に行くと言っていました。」

「それは聞いている。久美と僕も午後一番にここを出る予定だけど、亜美ちゃんは大丈夫?何か切羽詰まった顔をしているけど。」

「それが社長、由香に話がありまして。」

「そう。それじゃ由香ちゃん、こっちの話は後にしよう。」

「分かりました。亜美、何だ?」

「由香、ダメじゃないか。」

「へっ、亜美、いきなり何だ?豊の件なら大丈夫そうだぞ。」

「そうじゃない。由香は『トリプレット』とかでエゴサしないの?」

「普通しないだろう。」

「普通するよ。」

明日夏が尋ねる。

「亜美ちゃん、『トリプレット』の掲示板で何かあったの?」

「はい、例えばこれを見て下さい。」

亜美がスマフォを見せる。悟とハートレッドもやってきて、5人でそれを見る。


464 名前:ファンクラブ会員番号885

新しい一直線のパフォーマンス、カッコよかった


465 名前:ファンクラブ会員番号885

運動量半端ないな。なおみちゃん大丈夫かな


466 名前:ファンクラブ会員番号885

なおみちゃんのおっぱいが揺れすぎじゃない


467 名前:ファンクラブ会員番号885

>466

お前は何を言っている


468 名前:ファンクラブ会員番号885

>467

https://imgur.com/gallery/agdg7X***


469 名前:ファンクラブ会員番号885

467じゃないが本当だった


470 名前:ファンクラブ会員番号885

本当だ


471 名前:ファンクラブ会員番号885

ビデオでも確認した

>468 はフェイクじゃない


472 名前:ファンクラブ会員番号885

星野なおみは中学生なのに成長しすぎ


473 名前:ファンクラブ会員番号885

アイドルなんだから自分の良いところを利用するのは当たり前


474 名前:ファンクラブ会員番号885

本人が決めるわけじゃないんだから文句があるならプロデューサーに


475 名前:ファンクラブ会員番号885

文句は全くないが知らなかった


476 名前:ファンクラブ会員番号885

同意


477 名前:ファンクラブ会員番号885

いいんじゃないか


478 名前:ファンクラブ会員番号885

大河内ミサちゃんと仲がいいと言うし

なおみちゃんの水着写真集を出版する前宣伝では


479 名前:ファンクラブ会員番号885

それはある


480 名前:ファンクラブ会員番号885

2日目のワンマンライブの宣伝では


481 名前:ファンクラブ会員番号885

あれは子供向けと言うし


482 名前:ファンクラブ会員番号885

子供を連れてくるお父さん用


483 名前:ファンクラブ会員番号885

なるほど


484 名前:ファンクラブ会員番号885

おっぱい揺れすぎ


485 名前:ファンクラブ会員番号885

中2なのにおっぱい大きすぎ


486 名前:ファンクラブ会員番号885

おっぱいなら亜美ちゃんだろう


487 名前:ファンクラブ会員番号885

同意


488 名前:ファンクラブ会員番号885

なおみちゃんはスリムだからいい


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亜美ちゃんの方が背が低くてぽっちゃりだからいい


490 名前:ファンクラブ会員番号885

亜美ちゃんの方が3歳上だけどな


491 名前:ファンクラブ会員番号885

亜美ちゃんはおっぱいに栄養が取られて背が伸びなかった


492 名前:ファンクラブ会員番号885

それはある


493 名前:ファンクラブ会員番号885

大河内ミサは?


494 名前:ファンクラブ会員番号885

あれは人間じゃない

超高性能バーチャル歌手なんじゃないか


495 名前:ファンクラブ会員番号885

なるほど


496 名前:ファンクラブ会員番号885

なおみちゃんのおっぱいが揺れて今晩は寝れそうもない


497 名前:ファンクラブ会員番号885

さっきから無限ループで見ている


498 名前:ファンクラブ会員番号885

俺も


499 名前:ファンクラブ会員番号885

目が離せない


500 名前:ファンクラブ会員番号885

何カップなんだ?


501 名前:ファンクラブ会員番号885

おっぱいを揺らしても可愛い


502 名前:ファンクラブ会員番号885

>500

Cよりはある


503 名前:ファンクラブ会員番号885

>500

Dのように見えるけどスリムだから大きく見えるだけなのかもしれない


504 名前:ファンクラブ会員番号885

>500

CとDの中間ぐらい


505 名前:ファンクラブ会員番号885

>504

同意


506 名前:ファンクラブ会員番号885

中学生にガチ恋しそう


507 名前:ファンクラブ会員番号885

事務所のそういう作戦かも

分かっていてもガチ恋しそう


508 名前:ファンクラブ会員番号885

俺も


509 名前:ファンクラブ会員番号885

俺もだ


510 名前:ファンクラブ会員番号885

事務所のやつら中学2年生を使って卑怯だ

でも俺もだ


511 名前:ファンクラブ会員番号885

はきはきして可愛い顔しているのにずるい

お金をいくらでも使ってしまいそうだ


512 名前:ファンクラブ会員番号885

それが資本主義


513 名前:ファンクラブ会員番号885

資本主義万歳!


514 名前:ファンクラブ会員番号885

このタイミングで秘密兵器を披露ということだろう

プロデューサーが優秀なんだよ


515 名前:ファンクラブ会員番号885

デビュー1年しないで所沢ドームだからな


516 名前:ファンクラブ会員番号885

遅れて来た。本当におっぱい揺れすぎだ

でもすごくいい


 亜美がとりあえずまとめる。

「こんな感じで、リーダーの胸の話題が続いていました。」

「俺にはそんな意図はなかったんだか。俺がビデオか何かで謝罪するか。リーダーは何も悪くない。ダンスを考えた俺だけが悪いんだと。」

ハートレッドが尋ねる。

「亜美さん、この話はどのぐらい続くんですか?」

「1スレッドぐらい。」

「投稿数で1000ぐらいということね。それで今の状況はどうなんですか?」

「昨日の夜だけで、今はもう静かです。」

「由香、それならもう心配はいらない。放っておけばいいと思うよ。」

「僕もあのダンスの案は見たけど、これは想定外だな。」

「社長、プロデューサーの胸を大きくするのが早すぎたということですか?」

「レッドちゃん、今は冗談を言っていい時じゃないから。」

「社長、心配しなくても大丈夫です。本当に炎上したら、一晩で20スレッド、投稿数で2万ぐらいはすぐに越えますし、そんなに簡単に鎮火しないです。」

「社長、レッドちゃんの言うことが正しいんじゃないかと思います。」

「でしょう、明日夏さん。それに、ヘルツレコードやうちではSNSや掲示板は専門のスタッフが常時チェックしていますから、すぐに対応が必要な状況ならもう社長に連絡が来ていると思います。心配でしたら、鎌田さんに連絡してみたらいかがですか。」

「そうだね。とりえあずレッドちゃんの言う通り鎌田さんに連絡してみる。」


 悟が鎌田に電話する。電話はあまり長くならずに終わった。

「鎌田さんもレッドちゃんと同じ意見だった。ヘルツレコードでも、全く心配はいらないという結論になったということみたい。」

「由香ちゃん、良かったね。坊主にならないで済んで。」

「明日夏さん、俺が坊主ですか。まあリーダーには迷惑をかけられねえから、それで収まるなら喜んで頭を丸めるけど。」

「由香、全然大丈夫だって。もし謝るとしたら、お兄さんに。でも、次に事務所で会った時でいいと思う。」

「マー君なら、故意じゃないから、すぐに許してくれると思うよ。」

「明日夏さん、レッド、兄ちゃんには土下座だな。分かった。」


 ハートレッドが社長に話しかける。

「社長、次回の打合せの時に詳しく分析した報告があるとは思いますが、この件は問題にはならないと思います。」

「レッドちゃんの言う通りだと思う。あと、鎌田さんが、問題になったときに一番大事になるのは亜美ちゃんの件だから、僕に丁寧にケアして欲しいとのことだった。」

「社長、心配は不要です。警察のご厄介になって、親を泣かせるつもりはありません。」

「まあね。親を泣かせちゃいけないね。でも確かに亜美ちゃんの件が問題になったら、一番大変そうだね。ははははは。」

悟が力なく笑った。


 一件落着して、ハートレッドが明日夏に話しかける。

「明日夏さん、せっかくだからスレを眺めてみませんか?」

「面白そうだけど、レッドちゃんも肝が据わっているね。」

二人に由香と亜美が加わって、4人でパソコンを使ってスレッドを見ながら話す。悟がその後ろに立って、静かに見ていた。

「見ていると、ファンの皆さんはプロデューサーの胸が見かけによらず大きいことを本当に分かっていなかったみたいですね。」

「尚ちゃんには、そういう雰囲気がないからね。」

「あと、リーダーの悪口は全然ないですね。」

「おう、それはレッドの言う通りだ。ちょっぴりホッとした。」

「えっ、私に飛び火している!」


917 名前:ファンクラブ会員番号885

レッドちゃんのおっぱいも揺らしてほしい


917 名前:ファンクラブ会員番号885

その話はスレチだ


918 名前:ファンクラブ会員番号885

そうだけどレッドちゃんは何カップだ

レッドちゃんがなおみちゃんに負けていると悲しくならないか


918 名前:ファンクラブ会員番号885

レッドちゃんもDぐらいに見える


919 名前:ファンクラブ会員番号885

おっぱいなら由香ちゃん


920 名前:ファンクラブ会員番号885

貧乳教徒め


921 名前:ファンクラブ会員番号885

おっぱいなら亜美ちゃん


922 名前:ファンクラブ会員番号885

亜美ちゃんは実際何カップなんだ


923 名前:ファンクラブ会員番号885

分からん

Dより大きそうだからEかF


924 名前:ファンクラブ会員番号885

体が小さいから大きく見えるだけで本当はDかもしれない


925 名前:ファンクラブ会員番号885

なおみちゃんと比べてもそれはないのでは


926 名前:ファンクラブ会員番号885

Eだよ俺の目に狂いはない


 ハートレッドがスレッドを見た感想を言う。

「胸の話が続いていますが、対象は分散してきたみたいですね。亜美さん、次のスレッドで収まるんですか。」

「はい、次のスレッドで収まります。」

「それじゃあ、レッドちゃん、次のスレッドに行こうか。」

「明日夏さん、了解です。」


 ハートレッドが次のスレッドを表示させる。

「亜美さん、収まるのはどのあたりですか?」

「スクロールダウンして下さい。えーと、このあたりです。」


422 名前:ファンクラブ会員番号885

由香さんとダンスが綺麗にシンクロしていますから胸を揺らす意図はなかったんじゃないですか


423 名前:ファンクラブ会員番号885

確かにシンクロ率高いな


424 名前:ファンクラブ会員番号885

おう、そうだな。ダンスは由香ちゃんが考えているという話だから、由香ちゃんが自分の胸が揺れなくて気が付かなかったんだと思う


425 名前:ファンクラブ会員番号885

なるほどAカップの悲哀か


426 名前:ファンクラブ会員番号885

貧乳はステータスだ!馬鹿にしちゃいけない


427 名前:ファンクラブ会員番号885

わざとおっぱいを揺らすなら亜美ちゃんだろうからな


428 名前:ファンクラブ会員番号885

それはそうだ


429 名前:ファンクラブ会員番号885

でも二人ともカッコいい


430 名前:ファンクラブ会員番号885

なおみちゃんの動き、普通のアイドルとは一線を画す


431 名前:ファンクラブ会員番号885

マグネティックコーティングでもしているみたいです


432 名前:ファンクラブ会員番号885

なおみちゃんはモビルスーツだったのか


433 名前:ファンクラブ会員番号885

モビルスーツで女性の形ってないよな


434 名前:ファンクラブ会員番号885

マジンガーZのとかならあったけど


435 名前:ファンクラブ会員番号885

何て言ったっけ


436 名前:ファンクラブ会員番号885

アフロダイAです


437 名前:ファンクラブ会員番号885

そうそう


438 名前:ファンクラブ会員番号885

おっぱいがミサイルになるんだよな


439 名前:ファンクラブ会員番号885

そうそう


「確かに収まってきた。レッドちゃんは422をどう思う。」

「422はお兄さんということですか?」

「その通り。」

「そんな感じがしますよね。424は監督か。」

「確かに、パスカルさんとやらっぽいね。431もマー君だね。」

「434もそうだと思います。」

「なるほど。それで、438がまたパスカルさんとやらか。」

「はい、427番はコッコさん。429番はアキさん、426もかな。」

「レッドちゃんの言う通りかも。それで、亜美ちゃんの言う通り、このあたりで話がだいぶそれてきたね。」

「はい、お兄さんたち4人が火消しをしたという感じですね。」

「レッドちゃんの言う通りだね。」

「そうだとすると、パスカルさん、俺の胸が揺れなくて気が付かなかったはひでーな。」

亜美が由香に意見する。

「由香、でも事実じゃないの?」

「まあ、そうだけど。」

「亜美ちゃん、続きはどうなるの?」

「この後は私の話になったりしますけど。」

「へー。やっぱり、Eカップの方が話題性があるということだね。」

「そうじゃないんですけど。」

「そうなの?まあ見てみようか。」


440 名前:ファンクラブ会員番号885

おっぱいならミサちゃん


441 名前:ファンクラブ会員番号885

同意


442 名前:ファンクラブ会員番号885

レッドちゃんも水着だと勝負にならないと言っていたから同意


443 名前:ファンクラブ会員番号885

枠が違うが同意


444 名前:ファンクラブ会員番号885

俺はレッドちゃんの方が日本人的でいい


445 名前:ファンクラブ会員番号885

あんなに脚が長い日本人はいない


446 名前:ファンクラブ会員番号885

それはそう


447 名前:ファンクラブ会員番号885

ハートレッドの話はスレチ


449 名前:ファンクラブ会員番号885

ワンマン両方行くし


449 名前:ファンクラブ会員番号885

ギャラクシーインベーダーズってトリプレットだし


450 名前:ファンクラブ会員番号885

まあそれはそうだな


451 名前:ファンクラブ会員番号885

それで選ばれているんだろう


452 名前:ファンクラブ会員番号885

ミサちゃんは人間じゃない


453 名前:ファンクラブ会員番号885

化け物だ


454 名前:ファンクラブ会員番号885

そんなことを言うと繊細なミサさんが傷つきますのでやめましょう

トリプレットにも迷惑がかかります

冬にはいっしょにスキーにも行ったようですし


455 名前:ファンクラブ会員番号885

同意


456 名前:ファンクラブ会員番号885

ミサちゃんは体に栄養を取られて頭の成長が遅れている気がする


457 名前:ファンクラブ会員番号885

ミサさんは高校のときは引きこもりと言っていました

それで少し社会性が遅れているのかもしれません


458 名前:ファンクラブ会員番号885

ミサちゃんが引きこもりと言うのはもったいない


459 名前:ファンクラブ会員番号885

お前はミサちゃんのファンか


460 名前:ファンクラブ会員番号885

ミサさんの歌も好きで聴いていますがファンではありません

それにイベントが被ればトリプレットに行きます


461 名前:ファンクラブ会員番号885

ならいい


462 名前:ファンクラブ会員番号885

ここにはなおみちゃんの実のお兄さんがいらっしゃりそうだから

なおみちゃんの胸が揺れた話はやめた方がいい


463 名前:ファンクラブ会員番号885

お兄さんというと夏になおみちゃんにスプレー缶を投げた人のこと?


464 名前:ファンクラブ会員番号885

その通り


465 名前:ファンクラブ会員番号885

なおみちゃんのお兄さん降臨


466 名前:ファンクラブ会員番号885

お兄さん降臨


467 名前:ファンクラブ会員番号885

実の妹なら普段からチェックしているよな


468 名前:ファンクラブ会員番号885

だろうな


469 名前:ファンクラブ会員番号885

お兄さん、なおみさんを下さい

幸せにします


470 名前:ファンクラブ会員番号885

年収はいくら?


471 名前:ファンクラブ会員番号885

360万円


472 名前:ファンクラブ会員番号885

なおみちゃんに求婚とか年収を100倍にしてから言え


473 名前:ファンクラブ会員番号885

100倍か現実は厳しい


474 名前:ファンクラブ会員番号885

100倍はいかなくても年収1億円は欲しいな


475 名前:ファンクラブ会員番号885

そうだろうな


476 名前:ファンクラブ会員番号885

お前らはワンマンライブ2日目も行くの


477 名前:ファンクラブ会員番号885

行くよ


478 名前:ファンクラブ会員番号885

行くけどついでにハートリンクスも行こうかな


479 名前:ファンクラブ会員番号885

それは俺も考えている


480 名前:ファンクラブ会員番号885

俺は亜美ちゃんファンだから2日目も絶対


480 名前:ファンクラブ会員番号885

おっぱい星人め


481 名前:ファンクラブ会員番号885

違う声が好きなの


482 名前:ファンクラブ会員番号885

たまにそういうやついるよな


483 名前:ファンクラブ会員番号885

いやそっちが普通だから


484 名前:ファンクラブ会員番号885

亜美ちゃんはアイドルで有名になったらグラビアモデルだろう


485 名前:ファンクラブ会員番号885

将来は歌手だって


486 名前:ファンクラブ会員番号885

そう言っているだけ

本当はグラビアモデル


487 名前:ファンクラブ会員番号885

お前に亜美ちゃんの歌の良さは分からない


488 名前:ファンクラブ会員番号885

亜美ちゃんの良さを語ろう


489 名前:ファンクラブ会員番号885

体の良さは分かる


490 名前:ファンクラブ会員番号885

性格が可愛い


491 名前:ファンクラブ会員番号885

小学生男子にもてる


492 名前:ファンクラブ会員番号885

小学生男子はどこが好きなんだ


493 名前:ファンクラブ会員番号885

Eカップだろう


494 名前:ファンクラブ会員番号885

クラスにはそういうやつもいるけど俺は歌だよ


495 名前:ファンクラブ会員番号885

小学生か

小学生はもう寝なさい


496 名前:ファンクラブ会員番号885

布団には入っている


497 名前:ファンクラブ会員番号885

リアル小学生キター


498 名前:ファンクラブ会員番号885

最近の女子小学生ってどうなの?


499 名前:ファンクラブ会員番号885

おっぱいの大きさのこと?


500 名前:ファンクラブ会員番号885

違うけどそれでもいい


501 名前:ファンクラブ会員番号885

大きい人は大きいよ

Cカップはある


502 名前:ファンクラブ会員番号885

なるほど


503 名前:ファンクラブ会員番号885

小学何年生?


504 名前:ファンクラブ会員番号885

5年生


505 名前:ファンクラブ会員番号885

亜美ちゃんとなら結婚できる?


506 名前:ファンクラブ会員番号885

俺はできるけど年収1億円は無理


507 名前:ファンクラブ会員番号885

亜美ちゃんはそこまではいらないと思う

歳の差を気にしないのは偉い


508 名前:ファンクラブ会員番号885

ショタコンおばさんが来ているのか

少年危ないから逃げなさい


509 名前:ファンクラブ会員番号885

女子大生におばさんは失礼


510 名前:ファンクラブ会員番号885

こんにちはショタコン女子大生

何カップ?


511 名前:ファンクラブ会員番号885

Eカップ

少年さんに聞きたいんだけどEカップは有利?


512 名前:ファンクラブ会員番号885

亜美ちゃんとぐらい同じなら絶対的に有利

クラスにはいない


513 名前:ファンクラブ会員番号885

有難う


514 名前:ファンクラブ会員番号885

まあショタコンネカマだろう


515 名前:ファンクラブ会員番号885

だろうな


516 名前:ファンクラブ会員番号885

ショタコン女子大生さんの大学での学科は?


517 名前:ファンクラブ会員番号885

国語


518 名前:ファンクラブ会員番号885

国語なんて学科は大学にはないよ

高校生か


519 名前:ファンクラブ会員番号885

絶対違う


520 名前:ファンクラブ会員番号885

まあそうだろうな

中卒か高卒の引きこもりだと思う


521 名前:ファンクラブ会員番号885

Eカップなら社会不適合者でも毒牙にかかる小学生が羨ましい


522 名前:ファンクラブ会員番号885

少年好きのおじさんやお兄さんもいるから

とりあえず少年は逃げろ


523 名前:ファンクラブ会員番号885

そうだな


524 名前:ファンクラブ会員番号885

逃げなくても大丈夫

また男子小学生の話を聞かせて


525 名前:ファンクラブ会員番号885

何かこの板危なくねえ?


526 名前:ファンクラブ会員番号885

危なくないよ

お姉さんと話そう


527 名前:ファンクラブ会員番号885

いいよ


528 名前:ファンクラブ会員番号885

有難う


529 名前:ファンクラブ会員番号885

亜美ちゃんに小学生男子のファンが多いから

そういうのがここに集まってくるのか


530 名前:ファンクラブ会員番号885

年上女子に興味がある小学生が来る板だから

それに釣られて小学生に興味があるお姉さんが集まるということか

世も末だな


531 名前:ファンクラブ会員番号885

少年たちは絶対に個人情報を明かさないこと

それでいいんじゃない


532 名前:ファンクラブ会員番号885

まあそうだな


533 名前:ファンクラブ会員番号885

私も小学生男子の話が聞ければそれでいい


534 名前:ファンクラブ会員番号885

それでベッドの中で興奮するのね


535 名前:ファンクラブ会員番号885

全裸で興奮するなら押し入れの中じゃないか


536 名前:ファンクラブ会員番号885

それはお前だろう

でもショタコン女が全裸で興奮しているところを見たいな


537 名前:ファンクラブ会員番号885

興奮しないよ

男子小学生と接するときの参考にするだけだよ


538 名前:ファンクラブ会員番号885

この女の周りの小学生が危なくなるということか


539 名前:ファンクラブ会員番号885

日本の警察は何をやっている

早くこの女か男を逮捕しろ


540 名前:ファンクラブ会員番号885

羨ましいだけのくせに


541 名前:ファンクラブ会員番号885

女なら裏山

男なら即逮捕


542 名前:ファンクラブ会員番号885

Eカップ女子大生ならブスでも羨ましすぎる


543 名前:ファンクラブ会員番号885

高卒引きこもりでもEカップならOKだ


544 名前:ファンクラブ会員番号885

私はそれほどブスじゃないよ


545 名前:ファンクラブ会員番号885

ショタコン女子大生さんは男子小学生とどんなことをしたいの


546 名前:ファンクラブ会員番号885

いっしょにお風呂に入って体を洗ってあげたい

今はそれだけでいい


547 名前:ファンクラブ会員番号885

俺たちに置き換えると女子小学生とお風呂に入って体を洗ってあげるということか

気持ちがわかるだけに怖いな


548 名前:ファンクラブ会員番号885

まじでヤバくないかこの女


549 名前:ファンクラブ会員番号885

ほっとくと犯罪に走るんじゃないか


550 名前:ファンクラブ会員番号885

親を泣かすようなことはしないから心配しないで


551 名前:ファンクラブ会員番号885

泣かすにしても一人で興奮しているのを親に見つかるだけにしとけよ


552 名前:ファンクラブ会員番号885

分かっている


 スレッドを見た明日夏が亜美に尋ねる。

「ねえねえ、亜美ちゃん、自分では女子大生と言っているショタコンの人、亜美ちゃんじゃないよね。」

「えっ、へへへへへ。何でそう思うんですか?」

「高校生と聞かれて絶対に違うと否定しているところをみると女子高校生みたいで、ショタコン、女子高校生、Eカップなんてそんなにいないし、口調が亜美ちゃん。」

「明日夏さん、亜美さんならプロデューサーの話題をそらすために書き込んだんじゃないかと思います。」

「そう、その通り。さすがレッドさん。」

「えっ、本当に亜美さんなの・・・・。まあ、誰も亜美さんとは思っていないから構わないとは思いますけど。」

「確かに尚ちゃんの話題が完全に吹っ飛んじゃったね。」

「女子中学生の揺れる胸より、自称Eカップ女子大生ショタコンの方がインパクトで圧倒するということですか。なかなか興味深いですね。」

「自称女子大生は質問に答えてくれるからだろうけど。でも亜美ちゃん、楽しいで済まなくなる時もあるから、ほどほどにね。」

「はーい。」

「レッドちゃんもね。」

「えっ、私もですか?私は掲示板に書き込むことは本当にないですよ。」

「レッドちゃんの場合は、自称Eカップ女子大生ショタコンなんて単語を急に思いついて言わないようにね、ということ。」

「明日夏さん、ここ以外では言いません、楽しいこの場所を守りたいという、この気持ちを信じて下さい。」

「私もあと10年間待って見せます。楽しい徹君との将来を守りたいという、この気持ちを信じて下さい。」

「うーん、とりあえず信じておこうか。」

「有難うございます。」「有難うございます。」

悟は「だから、鎌田さんが僕に亜美ちゃんを監督するようにお願いしたのか。」と思いながら、4人の話を聞いていた。


 ハートレッドが後ろで静かにしていた悟に話しかける。

「でも社長、私は楽しい人でいっぱいのパラダイス興業に来ることができて嬉しいです。」

「いや、楽しいだけじゃないけど。」

「社長は大変でしょうけれど、皆さん伸び伸びしていて。社長の人徳だと思います。」

「そう言ってもらえると嬉しいけど。」

「家からも近いし、オーディション、ここを受ければ良かった。」

「いや、やっぱりレッドちゃんをプロデュースするのは溝口エイジェンシーの方が良かったと思うよ。」

「でも溝口社長が亡くなられたら、溝口エイジェンシーは危ない気がします。」

「確かに溝口エイジェンシーはワンマン社長の溝口社長で持っている会社ではあるけど。」

「もし溝口エイジェンシーがつぶれたら、ここで雇って下さい。」

「僕は構わないけど。」

久美が意見を言う。

「レッド、うちで雇われたかったら、もっと歌の練習ね。」

「分かりました。頑張ります。」

「レッドは明日夏と違って真面目に練習するから、美香とは違った高音を活かしたロック歌手になれるとは思う。」

「有難うございます。頑張ります。」

「橘さん、何で私と比較するんですか。」

「明日夏も、頑張ればハスキーなロック歌手になれそうなんだけど。」

「うーーーん、ハスキーなロック歌手か。」

「まあ、嫌なら無理はしなくてもいいけどな。」

「有難うございます。」

悟が「久美も丸くなったな。」と思いながら久美の話を聞いていた。

「それじゃあ、二人とも、私は午後には行かないといけないから、ロックの練習をするぞ。」

「結局、私も練習するんじゃないですか。」

「何か言ったか?」

「いいえ。」

ハートレッドが明日夏に話しかける。

「明日夏さん、頑張りましょう。でも、午前中にストーリーの概要を決めるはずが、本当におしゃべりばかりになりましたね。」

「それでも、話の骨格は決まったかな。午後からは、もう少し話の詳細を練ろう。セリフに関しては、『ハートリングス』はレッドちゃんが、『ギャラクシーインベーダーズ』は私が考えるという方針でいいかな。」

「はい、そうしましょう。」

久美、明日夏、ハートレッドの3人が練習室に入って、ロックを歌う練習を始めた。

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