私を聞いて。
蘭
私を聞いて。
私は、心は女性。体は男性。
いわゆるトランスジェンダーの高校生。
あのころのことを今でも覚えている。
「ママ、私あのウェディングドレス着たい。」
私は、当時3歳の頃ママの友人の結婚式に参加していた。ママの友人が着ていたウェディングドレスを見てそう言ったのだ。
「何、言ってるの。あなたは、タキシードを着るのよ。」
私は、今でもママの当時の顔を覚えている。
あきれていた顔で言われて、私は小さいながらも
心の傷がついた。
~高校生~
私は、時が過ぎ高校生になっていた。
私は、今でも悩みを隠しながら生きている。
そんな中、放送で呼ばれる。
「1年4組 真田サクラさん。職員室へ。」
私は、なんの事だろうと思いながらも
ゆっくりと職員室に向かう。
私は、空模様が雨模様に変わっていくのを見て、何となく嫌な予感が走った。
「失礼します。」
斎藤先生が手を招く。
私は、急いで先生の方へ走っていく。
そして、先生の横にある椅子に座り
先生の話しを聞く。
「サクラさん、何か困っていることがあるよね。」
私は、困っていることというようなことはなかったが、性別の違和感で、困っていることことがあったが今は言うときではないと思い、それは言わず、
「ないです。」
先生は、私の顔を見て。
「サクラさん。困っているよね。ここでは話せないと思うから、保健室に行こうか。」
先生は、実は、心理アドバイザーの資格を持っているらしい。と噂を聞き、私の顔を見ただけで感情が読めたのだろう。と思い出し心の中は、苦しくて、今でも泣きそうだった。
斎藤先生と私は保健室に入る。
すると、保健室には、養護教諭の登坂先生がいた。
斎藤先生が、
「登坂先生も、いいですか。」
私は、喋りたくないことをどうしても言わなきゃいけないのかと思いながらも、苦しい思いを吐き出したいと思った。もうここは勇気出して、私のくるしい思いを吐き出すことにした。
「先生、私は、心が女性、身体が男性。いわゆる
トランスジェンダーです。両親には言ってません。
私は、お母さんの親友の結婚式に参加した時、ウェディングドレスを見ました。私は、その服を見てあの姿になりたいとお母さんに打ち明けたんです。ですが、あなたは、タキシードを着るのよと言われ、私は、女性なの。どうしてそんな事を言うの。と
お母さんは、あなたは男として生まれたの。だから男らしく生きなさい。と言われました。私は、小さいながらも、傷つきました。だから我慢して生きてて、やっと、この苦しい想いを先生に言えました。」
私は、言った後に涙がポロポロと出て。
「よく言ってくれましたね。先生も分かってたんだけどね、あなたがいつも体育のお着替えの時、男子より遅れながら着替えている。後、休み時間いつも一人でおる。男子が女子にちょっかいを出してるときにいつも止めてる姿とか見て、ひょっとしてとおもってお話をさせてもらったの。」
斎藤先生は、前々から私の姿を見て
気づいてんだと思いまた、一段と涙が出てきた。
養護教諭の登坂先生は、涙を流していた。
「ありがとう、話してくれて。苦しかったよね。
打ち明けたかったのに打ち明けれない気持ちわかるよ。先生は、サポートするから言ってね。今、困ってることとかあったら言ってね。今日は、保健室におっていいよ。後の授業は。」
私は、その後の授業は、保健室で過ごした。
そして、次の日からは、どうなったのかを言うと、
スカートでの登校を許してくれたり、両親も説得出来るよう、先生たちは必死に頑張り、なんとか親は説得できた。なんと、友達もできた。今ではその友達と遊んでいるし、悩みを打ち明けている仲にもなった。
~筆者のあとがき~
やはり、こういう問題は、一向に減りません。
学校の中で困っている事がたくさんある。特にLGBTは、最近学習しますが、なかなか昔のひとには、伝わりにくいと思います。なので、この作品を読んで少しでもわかって欲しいです。
私を聞いて。 蘭 @hanasaita
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