時は、不穏なる大正。
主人公の幸は、富豪の生まれでありながらも天涯孤独。火事で家族を失った苦痛と罪悪感から逃れるように、図書館に通っては本を読み耽っていた。
突如怪物に襲われる幸を救ったのは、怪しい青年藤堂逸気《とうどういつき》。彼は、著名な物語から生まれる怪物、文魔《ぶんま》を狩る御伽狩《おとぎが》りであった。
藤堂に御伽狩《おとぎが》りとしての才を見抜かれた幸は同時に、家族を奪った火事の原因は、その才にあるかもしれないと告げられる。
幸は、償いと孤独を埋める為、藤堂と共に御伽狩《おとぎが》りとして、文魔《ぶんま》と戦う道を選ぶのだった。
その戦いの果てで、家族を奪ったものの正体と、向き合う事になる。
伝奇が好きなら兎に角読んでみて欲しい作品です! 地の文には洒落た比喩表現が散りばめられ、文魔には元となる物語は何だろうとワクワクし、幸や藤堂を始めとした御伽狩り達は、無事に文魔を狩る事が出来るのかとハラハラしながら読みました!
最終戦ではあっと言わされる仕掛けもあり……。是非、読んで確かめてみて下さい!
時は大正。まだ闇が濃い時代に、あるべき物語の姿から外れ、人を害する「文魔」となってしまった物語の化身を狩る者達――御伽狩り。
幼い頃の火事で家族を失い、天涯孤独の身となった幸が出会ったのは、御伽狩りの青年・藤堂だった。
藤堂は幸もまた、御伽狩りになるための能力・御伽の異能(テイルセンス)を持つと告げる。そして、幼い頃の火事は、幸の異能が原因だと。
贖罪のため、御伽狩りとなることを決意した幸の前に現れたのは――。
大正時代というレトロな世界観に加え、「御伽狩り」「文魔」「御伽の異能(テイルセンス)」などなど、わくわくするワードがたくさんちりばめられています(≧▽≦)
つらい境遇の中で生きてきた幸が藤堂、そして藤堂とともに行動するもう一人の御伽狩り・アリスと出会い、交流する中で、少しずつ己に向き合っていく様が丁寧に描かれています。
個人的には、幸さんとアリスちゃんのやりとりが可愛くて大好きです( *´艸`)
伝記ファンタジーがお好きな方はぜひお読みくださいませ~!(*´▽`*)