第3話 隣の美女
採用を決めた次の日から、カレンダーばかり眺めては早く来月にならないか待ちどおしい自分がいた。
そわそわしているのに気づいた真理には毎日のようにからかわれている。
その度に否定するも、早く相場さんと仕事がしたいとうずうずしている。
週末になると、気を紛らわせるために海に出かけては、ビキニのデザインを考えてスケッチしていた。
なんで相場さんと働く日を待ち遠しく思っているのか自分にも理解できない。
そんな日々を送り、いよいよ明日が相馬さん初出勤日いう日になる。
いつもの週末以上にソワソワしている自分がいた。
そんな気持ちを落ち着かせるために、いつも通り海へでかけてスケッチして行きつけのカフェでランチをする。
すっかりお腹もいっぱいになり、マスターと話す。
家に戻って少し仕事をしようと店を後にして、車に乗って家に向かう。
海岸沿いの道に出て車を走らせていると、サーフボードを抱えたカップルが歩いている。
微笑ましくてちらっと見ると、明日やってくるはずの相場さんに似ている。
車に乗っているので、通り過ぎる一瞬の出来事だったから、相場さんかどうかは確認ができなかったが、横顔がとても似ていた。
隣にいた女性はすらっとしていて、かなり美人な感じだった。
何を期待して1ヶ月待ち遠しくしていたのか分からないが、ずんと気持ちが落ちるような気分になる。
家に帰って仕事でもしようと思っていたが、その気になれずスポーツジムに寄って帰ることにした。
ジムでは無心になって泳ぎ、サウナで汗を流したら、さっぱりした気分になる。
さっきまでの気分は、仕事が忙しくてストレスが溜まっていたからだ。
いい機会だから、久々に料理でもして映画を見て、ゆっくりしようと身支度をして家に向かう。
スーパーで買い物をしてから家に帰り、料理をして映画も見る。
何をしてても海で見かけた相場さんに似た人と隣の美女の事が頭を掠める。
相場さんが美女と付き合っていようが私には関係ないことだと自分に言い聞かせる。
あくまでも仕事の同僚であって、それ以上に期待することは何もないはずだとも言い聞かせる。
明日相場さんと会った時は同僚として接するためにも、今日の出来事は忘れようと思いながら眠りについた。
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