第76話
「衣はサクッとしていて、じゃがいもはホックりしていて、美味しいです」
「流石春たん料理上手!」
「俺も食べたい!春たんのコロッケ!!」
あ。自画自賛になっちゃったんだ。
「では、次に、アンケート1位になった……コメントから先に読みますね。誰が考えたんだ!無理しちゃだめだぞ春たん。ちょっと際物Vtuver目指してるの?……と、心配する声が多数寄せられました。あれ?心配されているのに、1位に選ばれたら食べないといけないのに、あれ?」
ちょっと矛盾を感じた。心配しているなら別のコロッケに投票しない?
「あはは、押すなよ、お前ら、押すなよ?のあれでしょ」
なるほど。
「春たんが無理なら代わりに食べてあげたい」
「純粋にどんな味が気になる」
うん。まぁ、そうだね。私は昔すでにどんな味なのか食べて大丈夫なのかを経験してるけど、初めて聞いたらそう思うよね。
「では、1位の麦チョココロッケを食べますね」
今回は、前回のおそるおそる感がないので、コーンたっぷりコーンコロッケレベルに、麦チョコたっぷり麦チョココロッケにしてみた。
「こんな感じです」
すでに優斗が二つに割って中を見せた写真を撮影してあったようで、写真に画像が切り替わる。
コメントが踊る。
「まじで麦チョコ入ってる」
「うわー、遠慮気味でなくガッツリな」
「あれ?おいしそうかもしれない」
麦チョココロッケを食べる。
優斗がPC操作してキャラクターが食べる動作をする。
「えーっと、美味しいですと言うとあれですけど、まずくないですよ」
と、素直な感想を口にする。
「え?」
「どう判断すれば……」
そうですよね。
「えーっと、ジャガイモを甘い味つけて丸めてあげたものあるじゃないですか」
名前なんて言うんだっけな。
「ある!北海道名物!」
「そうか、ジャガイモを揚げるなんて塩っぽいイメージしかなかったけど、あるのか!」
コメントに正解の名前が出てこないので、話を続けよう。
「ジャガイモドーナツ?と思えば、それほど違和感はないです。じゃがいもチョコドーナツ?麦チョコの麦パフが入っているので、ジャガイモだけのもそっと感も緩和されてるので」
そうなのだ。
麦チョコを大量に入れたことで、触感が麦チョコの麦のふわっとした感じが増した。ドーナツでもコロッケでもない、不思議な食べ物に仕上がった。
「これはコロッケの衣なしで、ホットケーキみっっくすか何かをつけて揚げたほうがおいしいかもしれません」
ふと思いうかんだアイデアを口にする。
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