第1章 ②ママはニューヨークのジャーナリストだったの??

ママの話は、まだまだ続いた。

それって本当?って話が、、


ママのお姉さん、ぼくのおばさんが、ニューヨークに住んでいる。

日本には、帰ってくることがなく、クリスマスカードだけが届いている。


おばさんが、ニューヨークに住むことになったいきさつを聞いたのも初めてだ。


ぼくはてっきり、おばさんもアメリカの高校に行って、そこで誰かと知り合って結婚したと想像していた。


でも、実際はちょっと違った。


ママが、ニューヨークのアパートメントを引き払う準備をして、日本に帰国するという話をしたら、

おばさんは、ママがいる間に、一度はニューヨークに旅行に行きたい!と、ママの帰国予定の3週間ほど前にニューヨークに来たのだ。


ママは仕事でお世話になった人たちを訪ねて、挨拶回りをするのに、おばさんもついてまわったらしい。


その時に、なんと、ものすごい大富豪で、ママの取材協力をずっとしてくれてたアメリカ人と恋に落ち、そのまま残る!と言い出したのだ。


おばさんは、アパートメントを再契約し、ママの代わりに自分が住むと、言い張った。


仕方なく、ママは、自分の住んでたアパートメントを契約続行し、姉が住むことになったと、大家に伝え、

日本のおばあちゃんにそのことを電話で話した。


もちろん、おばあちゃんもビックリしたけど、言い出したら聞かない性格を1番知ってたのはおばあちゃんだから、好きにさせなさいと、言ったらしい。

そのまま住むなんて、無理だと分かったら帰ってくるだろうとおばあちゃんは思っていたのだ。


ところが、その後、トントン拍子に話が進み、なんと1ヶ月後に、おばさんは、その大富豪と結婚することが決まった。


「お姉さんは、ある意味、大成功よね。

シンデレラストーリーもいいとこ。


ママは、お父さんと結婚して、落ち着いた暮らしを手に入れて、あなたが出来て、幸せだと思ってる。


それは本当に心から思ってるけど、

姉の人生はドラマティックで、なんかキラキラしてるように思うよね。


ママが独身の時は、ジャーナリストととして飛び回りすぎて、

いろんなことも見えちゃって、

怖い思いもしたこともあって、

疲れてて、

お父さんみたいな普通の、優しい人と結婚して落ち着くことが夢だった。


だから、とても幸せなのよ。


でも、たまにあの活気のあるニューヨークでの生活を思い出すと、やっぱりアメリカは、夢の国だなと思うし、そこに乗っかったお姉さんが、羨ましく思う時もあるかな、、、


でも、絶対に戻りたくない!って思うことがあったのよね。

本当、今は平和。、、、、、」

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