第6話 変異種2




 街道に出ると、まるで何かからように現れた、マンモスみたいなサイズの〝大猪おおしし〟を倒し──食べられそうだったので、俺はその肉を解体し、食料として〝アイテムストレージ〟にしまっていると……


「──GUGAGRRRAAグガァァァァァ!!」


  〝大猪おおしし〟が現れた方から猛々たけだけしい声が聞こえる。


 湧き水の所で会った〝第8騎士隊〟の少女から聞いた話だと、どうやらこの辺りに〝魔獣ヒュドラ〟とやらが現れたらしい。


 この腹の底から響くような猛々たけだけしい叫び声は、その噂の〝魔獣ヒュドラ〟で間違いは無いだろう。


 湧き水の場所で会った少女には──『危ないから来てはダメですからね!』と、言われていたが……


(……少し様子を見に行ってみるか?)


 と、俺は少し考え込んだ後、ヒュドラの雄叫びのする森に入る──



 ──森に入ると辺りがやけに騒がしい。


 すると、森に入ってすぐの所で、首が2つある熊のような魔物がこちらに向かって走ってくる。


 こちらに気づいたその魔物は威嚇しながら、丸い火の玉のような〝魔法〟を2つある首の口から、それぞれに何発か吐き、攻撃をしてくる。


「魔物か?」


 俺は、軽くそれを避ける。


 そして俺は剣を抜き──瞬時に間合いを詰め、魔物の2つある首の右側の首を斬り付け、首をねる。


「──ガアッ!!」


 残った方の魔物の首が声を漏らす。


 そのままの〝魔力銃〟に魔力を込め、

 〝魔力弾〟でもう1つの首の頭を撃ち抜くと……


 ──バリバリッ! バーン!!


 と、その魔物を倒すと全身にラグが走り、魔物は消え、そしてアイテムがドロップする。


 ・双熊の毛皮×1

 ・魔力結晶(+4)×1


 ドロップアイテムを確認した後に、俺はこの魔物の様子もおかしかった事について考える。


「こいつもか……」


 この熊の魔物も逃げるように走ってきた。


 だが、この魔物はワイバーンや大猪おおししと比べるとコイツは遥かに強い。それが血相かいて逃げて来るって、ヒュドラってのはそんなにも強いのか?


(まあ、行ってみれば分かるか)


 そんな事を考えながら、再び俺は森を走り出す。



 ──大分、近づいてきたな?


 ドカンッ! バタバタ!! ドーン!!


 だんだんと、誰かが、そのヒュドラと戦っているであろう音が近くなってくる。


 それとまだ少し距離があるので、ハッキリとは聞こえないが、人の悲鳴なども聞こえる。


 そして少し進んだ辺りで、見晴らしの良さそうな高い場所を見つけたので、俺は一度そこに移動する。


(〝バカと煙はなんちゃら〟とは言うが、別にバカでも煙でも無くとも高い所へ登る。高い所は低い所よりも、勿論見張らしが良く、情報を集めるのには効率が良い)


 ──特に、山だと尚更だ。


 〝山で迷ったら無理に下山しようとせず、上に登り〟何てことも聞いたことがある。


 山のふもと、何て物は沢山あるが、頂上は1つだ。


 もしも山で遭難したとして、捜索隊がヘリでの捜索をしてくれてたら、どう考えても山の麓や、下手な山の中よりは、頂上が一番見つけやすいだろうしな。


 そう考えると、高い所に登るのバカでは無く、むしろ賢いのではないだろうか?

 まあ、それとこれは今は別に関係ないけど。


 そして俺はヒュドラとの戦況を確認して驚愕する。


「──何だ、ありゃ……!?」


 俺は被っていたフードをパサリと取り、視界を広げて、高台から辺りをよく見回しながら戦況を見渡す。


 まず。全身がで首がある、あの4本足の龍のような生物がヒュドラで間違いないだろう。


(近くに数十人ぐらいが集まり戦っているが劣勢……いや、もはや撤退できるかどうかすら怪しいぐらいの押され気味だ……)


 ヒュドラの大きさは10mメートルぐらいか? 魔力も高そうだな。そして少し離れた所に負傷者と、その周辺に〝回復魔法〟を使い負傷者を治療する人達と、馬車(?)のような物が集まっている場所がある。


 荷車を引いたり、この世界の移動手段なのは分かるが、四足歩行の恐竜? みたいなのと〝元の世界〟より一回り大きめの馬っぽいがのがいる。


(まあ、今はそんな事はどうでもいい)


 そんな事より、戦場はかなり不味そうな状況なので、俺は急ぎヒュドラの所へ向かう。


 ヒュドラに近づくいて行くと、逃げずにいた魔物もいくつかいるようだ。いや、どちらかと言うと、逃げずにというよりは、感じだな。


 すると──


「システィア隊長が時間を稼いでくれてる間に退路を確保しろッ! 近くの魔物は全て倒せ!」


「「「──おお!!」」」


 鎧を来た人間が何人も走ってくる。


 俺におにぎりをくれた黒髪の子──名前はクレハだったか? 恐らく、コイツらが、クレハが言っていた騎士隊と冒険者の連中だろう。


(今、遭遇しても面倒臭そうだな……)


 そう考え、俺は少し道をズレて走り、木から木に飛び移りながら更にヒュドラの近くへと移動する。


「──何だこれは?」


 すると〝サークル状〟の〝防御結界の魔法魔法障壁〟と思われる物が、何重にもヒュドラをように放たれる。


 先程の騎士隊(?)の言葉が本当ならば、とやらがあの中で戦って時間を稼いでるのだろうか?

 それとも、その隊長がこのを張って時間を稼いでいるのだろうか?


 どちらにしろ、随分と立派な隊長みたいだ。


 そんな事を考えながら、木の上から、俺はサークル状の〝防御系の魔法〟の様子を伺っていると……

 

 ──何やら少し先から話し声が聞こえる。


「クレハまで……バカッ! ミリア、お願い援護して! 私達も行こう! ──もし……クレハやシスティアさんが居なくなったりしたら……」

「うんッ! 私もクレハやシスティアお姉ちゃんが居なくなる何て、絶対にだ!」


 何やら金髪のエルフの少女と水色の髪の少女が話している──そして俺はこのには見覚えがある。湧き水の時に黒髪の少女と一緒にいた子だ。


 まあ、その時、この子は黒髪少女のクレハの後ろにずっと隠れており、一言も喋らなかったけどな。


 今の話を聞く限り、あの少女は隊長とやらと一緒にで、ヒュドラと戦っているみたいだな?


(普通ならこの状況は直ぐに退だ。なのに、あのクレハとか言う少女が〝空間移動〟で出て来ないとなると、何らかの理由でそれが使えない可能性が高い)


 隊長とやらの実力は知らないが、クレハという少女の実力じゃ、あのヒュドラを倒すのは難しいだろう。


 ──ヒュンッ!


 急ぎ、俺は更に木から木へと素早く移動し、

 サークル状の〝魔法障壁〟の近くの木へ移る。


 次に俺はドンッ!! と近くの大きめの木を強く踏み込み〝サークル状の魔法障壁〟のする。


 そして剣を抜き、少し強めに「こんなもんか?」と〝魔力〟を込めて〝魔法障壁〟を斬るッ!!



 ────ガッシャーーン!!!!



 そんな音を立て〝防御魔法〟が割れる。


 ──ヒュンッ!!


 そのまま俺は高速でヒュドラのから、

 6本ある首の、右から3番目の首を目掛け──

 ──〝魔力〟を込めた剣で斬りつける!!


 ヒュドラの首が〝ザクリ!〟と音を立てて斬れると

 ──ドスン!! と鈍い音と共に地面に落ちる!


「──GUGYAAAAグギャアァァAAAAAAァァァァァァAAAAAAァァァァァァ!!!!」


 ヒュドラの残りの首が悲痛な声を上げる。

 その場の大気が大きく震えるような大絶叫ぜっきょうだ。


 すると、俺はそのヒュドラの近くに湧き水の所で会った黒髪セミロングの少女──クレハを発見する。


 だが、唖然とした様子で俺をみるクレハは……


「……え……えっ……? い、一体……な、何が……?」


 と、あまり状況が飲めずにいるみたいだ。


「よぅ、生きてるか? 怪我は……ありそうだな?」


 俺は驚いた様子のクレハに声をかける。


 そしてクレハ自身もダメージがあり、その腕には気を失った血だらけの金髪ポニーテールの女性が抱えられている。


 2人とも怪我は明白……というか1人はだ。

 ──怪我は無いか? とは聞くまでもなかった。


(クソッ、もっと早く来るべきだったな……)


 ちゃんと間に合ったとは言えないだろう。

 1人は怪我、もう1人は瀕死の状態を見て、俺は自分に舌打ちする。


「あ、あなたは……湧き水の時の……!?」

 

(へぇ、良くわかったな。湧き水の時はフードを被っていたから顔は見えなかった筈だが?)


「──確か、名前はクレハだったな? 下がってろ。後は任せときな。ああ、それとおにぎりご馳走さま。凄く美味しかったよ」


 俺は礼を言いながら、クレハに近づき、クレハとクレハに抱えられている、瀕死の金髪の女性のひたいに手を置く。


「い……いえ……え……えと……あ、あのっ……!?」


 まだ頭が追い付いてないみたいで戸惑った様子だ。


「大丈夫。悪いようにはしない」


 これは毒か? 普通の毒じゃないな?

 まあ、でも。これぐらいなら治るだろう。


 俺は2人に〝回復魔法〟を使うと、ボワッとした緑の光に包まれ、2人の傷が治り始める。そして金髪の女性の方の毒も見る見ると引けていく。


(やはり、異世界こっちだと回復性能も上がってるな? 少なくとも〝元いた世界〟だと……こんな如何にも〝回復しますよ〟みたいな緑の光は出なかったからな?)


「か……回復魔法……!? こ、こんな一瞬いっしゅんで!!」


 ──信じられない! といった様子でクレハは腕の中の女性の具合を確認している。


「早く下がれ。どうやら向こうも回復してたみたいだしな?」


 ヒュドラがこちらを睨んでくる。やけに静かだと思ったら、向こうも怪我の回復していたらしい。


 落とした首の跡を見ると、血は止まり、傷口は少しずつだが回復していっているように見える。


(こいつ……このまま放って置けば、首の1つぐらいニョキニョキと生えて来るんじゃないか?)


「──えっ!?」


 クレハは再生し始めてるヒュドラを見て驚く。


「そういえば、さっき壊した〝魔力障壁〟の外で、湧き水の時に一緒にいた水色の髪の子と金髪のエルフが大分心配していたようだったぞ? 早く行ってやれ」


「「クレハッ!! システィア隊長!!」」


 と、ちょうどその2人が駆けつけてくる。


(噂をすればだな)


 その時、こちらを見ていたヒュドラが動き出す。


 前足を大きく振りかざし、こちらを潰すような形で攻撃してくる!


(魔力も気配も感じる──速度はが威力は。この付近を吹き飛ばすぐらいなら十分すぎる威力だ!)


 ──ドバァァァァンッッ!!!!


 俺はその攻撃を魔力を込めた剣で受け止める!


 そしてその前足をドンッと横に凪ぎ払って、ヒュドラのバランスを崩し、次にそのままヒュドラの死角から剣を逆手に持ち換えて、右から5番目の首を裂くように斬り上げる!!


「──GUGYAAAAグギャアアァァAAAAAAァァァァァァ!!」


 叫ぶヒュドラに俺はすかさず〝魔力銃〟で右から1番目の首を撃ち抜きをかける。


 右から数えて1、3、5の首は潰した。

 これで残りの首は後は3つだ。


 すると、ヒュドラは上に、俺から距離を取ろうとするが……


「──こっちだ!! 蜥蜴とかげッ!!」


 それを読んでいた俺はヒュドラよりも高く跳び上がり、ヒュドラの真上から〝魔力〟を込めた蹴りをヒュドラに垂直に叩き込み、地面に蹴り落とす!!


 ドシャァァァァンッ!!!!


 地面に叩きつけられたヒュドラは


「──GUGYYAグギャッ!!」


 と、潰れたような悲鳴をあげている。


「う、嘘……何……あれ? クレハの知り合い!?」

「──!? ……わゎ……!!」


 金髪エルフの少女と水色の少女は、まずクレハと金髪のポニーテールの女性に駆け寄っている。


 その後。俺とヒュドラを見て二人も状況が良く飲み込め無い様子でポカーンとしながら、クレハと同じく『信じられない……』と言うような声を上げる


(そろそろ限界か……)


 俺はアルテナに貰った剣が〝ヒュドラの堅い鱗〟と強めに込めた俺の〝魔力〟に耐えられず、悲鳴をあげている事に気づく──。


 アルテナには手に合う剣が見つかるまではをと貰ったが、早くも限界みたいだ。


 剣をくれたアルテナ本人も言っていたが……

 この剣は決してでは無いがでもない。


 ──ズシッ……


 大分のダメージがある様子のヒュドラが、ゆっくりと起き上がってこちらを睨んでくる。


(毒でも撒き散らされる前に倒さないと厄介そうだ)


 次で決めるべく、俺は剣をである右手で剣を構え──今までよりも強めに魔力を込める!


 そして俺は気圧けおすようにヒュドラを睨み──


「──GUGYAAAAAAグギャアアァァァァAAAAAAァァァァァァ!!」


 ヒュドラがこちらに攻撃をしかけて来るが……


 ──ビュン!!!! ザンッ!!!!


 と、俺はヒュドラが攻撃を放つ前に距離を詰めて

 ──ヒュドラを胴体から真っ二つに斬るッ!!


 真っ二つになったヒュドラは例の如く……


 ──バリバリバリッ!! バーン!! 


 と、音を立て全身にラグが走りヒュドラが消える。


 そしてそれと同時に……


 バキッ、ガシャン! と剣が折れる。


(悪いな、助かったよ。ありがとう──)


 俺は剣と剣をくれたアルテナに心の中で礼を言う。


 すると、撤退準備を終えた冒険者や騎士隊の連中がこちらへ向かって来る声がする。


「「「「うぉぉぉ!! あのヒュドラを倒したのか!!」」」」


「システィア隊長! ご無事ですか!?」

「防御魔法が無くなった時は隊長が死んでしまったのではと本当に心配しました……クレハさん達も無事でほんと良かったです……!」

「てか、嘘だろ……? あの黒いアンちゃんが1人で倒したのか?」

「付近の魔物は粗方倒しました。退路も確保済みですッ! 負傷者も竜車に運んでおります!」


 撤退命令が出ても、この隊員らは隊長を置いてく気なんてさらさら無かったようだな。


 ずいぶん慕われてるみたいだ。


「──あ、あの!!」


 クレハが近寄って話しかけてくる。隊長のシスティアも目を覚まし、最後の方の場面は見ていたようだ。


「怪我はどうだ? 治しておいたが、まだどこか痛むか? そっちの隊長さんの方は毒も消してある筈だが?」

「は、はい! お陰さまで。大丈夫です。本当にありがとうございます!!」


 バッ! と、クレハが頭を下げてくる。


「失礼! 私は〝第8騎士隊〟の隊長を任されています──システィア・エリザパルシィと申します! 此度は仲間の命と私の命を救ってもらい心から感謝を申し上げます!!」


 次にシスティアが深々と頭を下げ、丁寧な感謝の言葉を伝えてくる。


「気にしなくていい。後、敬語も使わなくていい。かしこまられ過ぎても話しづらいからな? それとヒュドラのドロップ品は持っていきな。後はそっちで処理しといてくれ。元々あんたらの任務らしいしな?」


 と、俺は勝手に話を着ける。


 〝ドロップアイテム〟は少し悩んだが……まあいい。


 それにギルドの方針は知らんが、隊の被害がデカいだろうからな。ヒュドラのドロップ品ぐらい持ち帰れば少しは役に立つだろう。


「ちょッ、ちょっと待ってくれ! そういうわけには! それではあなたが損をするだけでは!?」

「別に今回は損得感情で動いてない。そこの黒髪の子──クレハだったな? 強いて言えばその子に貰ったおにぎりの礼をしに来ただけだ」


 もちろん嘘じゃない。今は別に損だ得だのは考えてないしな? それにおにぎりの礼を改めて言いたかったのも本当だ。


 それに異世界で初めてあった……しかも可愛い女の子がすぐ死んだりしても嫌だからな。


「し……しかし……」


 システィアは納得のいかない顔をする。見た感じ、ドが付くほどの真面目そうな性格だからな


「あ、あれは本当に気にしないでください! そんな喜んでもらえると嬉しいですけど……/// ……というかお弁当の残り物なので、それに私お婆ちゃんみたいに料理も上手くありませんから!」


 少し照れながら謙遜気味にクレハは言ってくる。


「そうか? 凄く美味しかったぞ? ご馳走さま」


 俺は改めてご馳走さまを告げる。


(それにお世辞抜きで本当に美味かったしな!)


「それに隊長さん、あんた、俺のことは別にいいから早く街に戻った方がいいんじゃないのか? 負傷者も多いように見えるが?」

「た、確かに……特に毒の感染者は心配だ!」


「失礼します! システィア隊長! 街への帰還準備はできています!」


 部下であろう騎士の一人がそう告げてくる。


「分かった。ヒュドラのドロップを回収し急ぎ帰還する! エメレアは〝精神疎通テレパス〟でフォルタニア殿を通じてギルドに連絡を! ──ヒュドラは倒された! 一先ひとまず、援軍よりも、大至急〝聖水〟持って来てほしいと伝えてくれ!」


「わ、分かりました!」


 と言い、エメレアと呼ばれた金髪エルフの少女は、目を閉じ〝精神疎通テレパス〟を使い始める。


精神疎通テレパスか。救援や連絡手段には持ってこいだな)


「あの、街に行くって……あとギルドにも用があるとおっしゃってましたよね? よければ御同行して貰えませんか? その……案内します!」


 クレハは湧き水場での事を覚えてたらしく、そんな提案をしてきてくれる。


「それは良い! 是非来てもらえないだろうか! 今回の件の礼も改めてしたい!!」


 システィアも歓迎ムードみたいだ。


「まあ、確かに街とギルドは探していたが……」


 じっ……とクレハが少し寂しそうに見てくる。

 そんな目で見るなよ……何か苛めてるみたいだろ?


「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えるか……礼はその街までの案内で十分だ」


 それに今日の寝床も無いしな? 晩飯……は倒した大猪おおししの肉があったか……食えるか知らんが。


 でも、街に行けるならそれに越したこともない。

 街ならちゃんとした宿や飯屋もあるだろうし。


「はい! では、こちらへ──竜車はこちらにありますので乗っていってください!!」


 と、クレハが案内してくれる。


(竜車? あの高台から見た恐竜みたいなやつか?)


「〝大都市エルクステン〟までは竜車なら数時間で着きますのでゆっくりしていってください!」

「ああ、ありがとう」


 俺は案内されるままクレハに着いていく。


(てか〝大都市〟なのか? そりゃ楽しみだな)


 取り敢えず、異世界初日に街までは着けそうだ。


 〝大都市〟らしいし。アルテナに貰った支度金もあるから、街に行けば宿もどうにかなりそうだな──。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る