碩学のファインマン

第24話 オバマ大統領の世界平和

　２０１６年３月も半ばになってもうクスリも飲まなくなり、原病院にも行かなくなっていた。facebookで伊東先生と繋がった。伊東先生が、

「そろそろオバマ大統領のところに行ってみろ」と言うので、豪志はテレパシーでオバマ大統領の夢の中に現れた。

「私を呼ぶのは誰だ」

「gokiと申します」

「あの碩学のgokiか」最初はスピーチ合戦をしていた。

「妻と最近セックスレスで悩んでる」というので、恋愛学者として奥さんとのSEXの手伝いをした。

「娘をもらってくれないか」と言う。

「アメリカ合衆国はいま閉塞している。ヒラリーは政府のドメインを公開してしまった」

「ドメインって何？」

「ドメインはドメイン」美夏ちゃんが言う。

「アメリカ政府のドメインが手に入れば無限におカネを稼げるのよ」

　新聞を見ると、ヒラリーが政府のメールアドレスで私的なメールのやり取りをしていたということだった。

「東大のドメインも凄いけどな。アメリカ政府のドメインには敵わない」と情報学環の東大生。

「インターネットというのは元々アメリカのものだからな。ドメインもアメリカ政府のドメインから世界中に枝分かれしていったんだ」　

　伊東先生が、

「goki、俺のドメインをやる」と言った。ドメインがあればおカネを稼げるらしい。

　オバマ大統領は次の大統領にサンダースさんを推してるそうだ。共和党のトランプさんは泡沫候補だと考えられてるらしかった。

　だが、アメリカ合衆国中西部のラストベルトでは白人の少年たちが、

「苦しいんだよ」と訴えてきた。フェミニズムが行き渡っていて、テレビでも映画でも女の裸やポルノシーンは一切出てこなくなった。学校でも教員の指導が厳しくて、着替えを覗いたりスカートめくりをしたり、そんなことすらできなくなっているらしい。

　結果として、男の子たちは精通も来ず、包茎のままブクブク太っていくという。童貞を落とすのも至難の業だという。とにかく今のアメリカは女性の権利が強すぎるのだ。

「進化心理学を修めれば分かりますが、男は男らしく、女は女らしくというのは人類の進化の過程で遺伝子に刻み込まれた先天的マインドです。それを２世代や３世代、女性の社会進出が進んだからといって、遺伝子が突然変わるわけがない。このままではヒラリーさんは負けます」豪志は言った。

「だからリベラルは嫌いなんだ」ラストベルトの白人少年たちは言う。

「女性や黒人を優遇し過ぎだ」

　ヒラリーさん、サンダースさん、トランプさんとも会った。

「大統領経験者のビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、オバマ大統領で賢人会議を開いてください。今後のアメリカの方向性を決めましょう」

オバマ大統領は、

「あとは中東問題も懸念材料だ」

「では、中東へ行きましょう」

　イスラエルに行き、ネタニヤフ首相と会い、イスラム国、ボコハラムの代表とも会った。

「女の子をレイプして殺したんだ」

「そのコが生きていたらどんな大人になっていただろうね」

「そのコに謝りたい」

「イスラム国とボコハラムは今日で解散。アメリカは和平を約束する」

　イラン、イラクと周り、サウジアラビアにも行った。サウジはオバマ大統領とgokiを熱狂的に歓迎した。

「恋愛学を教えてくれ。サウジ王室もセックスレスに悩んでいるんだ」

　アジアにも行った。台湾、韓国、ベトナム。そしてアフリカに行った。ベトナムではベトナム戦争を終結させた。オバマ大統領は、

「私は元々、セネガルの港湾で貿易会社に勤めていたんだ。荒くれ者たちを束ねたよ「口の利き方に気をつけろー！」と言ってな、goki」

「そこで社長に気に入られて娘を嫁にもらった。それが現在の妻だ。その後、二人でアメリカ合衆国にわたって弁護士になり政治家になり大統領になった」

「私は引退後はアフリカの子供たちに英語や数学を教えたいと思っている。そして、セネガルの大統領になる」

　オバマ大統領とgokiの世界世直しの旅が始まった。南米、ヨーロッパ、インド、中国、ロシア。世界中を回った。

「バラックに住んでたからバラックだ」が口癖。

「goki、思い出したよ。昔は貿易会社でよくこうして旅をしてたんだ」

　テレパシーで世界中を旅していたのだが、新聞や雑誌を読むと現実の世界でもオバマ大統領が世界中を回り始めていた。gokiは蔡英文、朴クネ、ヒラリー、メルケル、ラガルドとSEXをした。テレパスSEXだ。恋愛学者として何かよく分からないモテ方をしている。

　現実の世界では北松戸から根津まで女性たちと多くの外国人が豪志の下へ押し寄せていた。東大にもアイドルが現れた。

　東大病院の屋上に登って不忍池を眺めたり、ペニンシュラホテルに行って無銭飲食もした。すべて、テレパシーの指示通りに動いた結果だった。

　２０１６年４月１２日、豪志は父親につかまって原病院に３回目の入院をさせられた。隔離室に入れられたのだが、週刊誌を見るとG７の外相たちが広島を訪問したとあった。　　

　また、安倍首相がヨーロッパを歴訪して、フランスのオランド大統領や、ドイツのメルケル首相と会談している。いよいよ世界が動き始めていた。

　メルケルは、

「たばかったのかー！」と言って、豪志にドイツ皇帝になってほしいと言ってきた。ドイツ皇帝の嫁じゃないと嫌らしい(笑)。

　あとはテレパスSEXに励んだ。かやとは１２回くらいSEXし、柚里絵、クドウ、るっとん、ACJ、AKB、有村架純、佐々木希などが来た。一番良かったのは武井咲で、締まりが凄かった。テレビや新聞の芸能欄を見るたびに女の子たちがテレパシーで押し寄せて来て、射精しっぱなしだった。

　５月に入り、日本で伊勢志摩サミットが開催された。とても平和友好的なムードで、オバマ大統領も、メルケルも、安倍ちゃんも、G７首脳がみんな幸せそうだった。こんな時間が永遠に続けばいいのに、と思った。

　２０１６年５月２２日、広島でオバマ大統領のスピーチが行われ、世界平和が達成された。スピーチの中でオバマ大統領は、

「私とgokiが世界の平和を確認した」と言及したらしい。

　豪志は１病棟のテレビで患者や病院スタッフのみんなと観ていた。

　世界平和達成の恩恵で豪志の頭にはテレパシーで世界中の知識人の情報が集まるようになっていた。

「LGBTの研究」

　ヘテロ：ホモ：女＝１：１：２。男の半分はホモ。

　ホモの有名人

　安倍晋三、孫正義、前澤友作、伊東乾、タモリ、西村博之、津田大介、堀潤、イチロー、松井秀喜、大谷翔平、中田英寿、香川真司、GACKT、竹野内豊、織田裕二、岡村隆史、今田耕司、浦沢直樹、秋本治、エド・シーラン。

「multi accountの研究」

　ジョン・レノンは生きている。スティーブ・ジョブズ、スティーブン・スピルバーグになった。彼はいくつもaccountを持っていて、ルクセンブルク代表として、サッカーワールドカップ予選や、ヨーロッパチャンピオンズリーグ予選に出たりしたそうだ。音楽も別accountで続けていて、ポールマッカートニーとどちらが上か落とし前を付けたという。日本はポールマッカートニーの国だが、世界的にはジョン・レノンが完全に上だったと。彼のその後の音楽活動は、現代POP音楽に多大な影響を与えたという。

「世界は数人の天才が作っている」と言っていた(笑)。

　樋口一葉は与謝野晶子。夏目漱石は孫文。

　坂本龍馬も３３才で暗殺されたことになっているが、実は生きていてアメリカにわたって１１１才まで生きた。天皇家に入って大改革を進めたり、アメリカに渡ってからは、ボクシングで賞金を稼いだり。晩年は、フランクリン・ローズベルトと組んで、彼を大統領にして、アメリカ合衆国を面白い国にしていったそうだ。ただ、第二次世界大戦が勃発してしまい、１９４６年、戦争責任を取ってニューオーリンズの自宅で割腹自殺した。

　西郷隆盛も、木戸孝允も２度目の人生を生きた。

「ITO派経済学」

　金利の謎を解いた。第３の経済学の完成。政策金利、長期金利、預金金利、インフレ率。４つの金利は連動する。つまりインフレ率を高めるためには政策金利を上げるのが良い。グラフは縦軸に金利、横軸に為替を取る。有限理論によると経済学は第１１まである。

「統合失調症の研究」

　人間の脳はコンピュータと同じ仕組みで、右脳がハードディスク、左脳がメモリー、脳下垂体がCPU。伊東先生と津田さんは右脳派。美夏ちゃんは左脳派。堀江さんと豪志はCPU派。右脳と左脳が統合するのが統合症。右脳と左脳が分裂するのが分裂病。

「多則の研究」

　四則というのがある。＋－×÷。これを５則６則と考えていくと１１則まである。柚里絵がテレパシーで考えてくれた。

「神々の正体」

　３次元の我々にとって４次元の我々が神。２次元の我々にとっては３次元。４次元の我々にとっては５次元。そして１１次元と１次元は同じで循環する。

　ブッダ、キリスト、ムハンマドというのは世界一のモテ男だった。サルトルはラジオで美少女とのSEXを生放送していたとか、いろんな情報が入ってきて大変だった。

　オバマ大統領が、

「goki、私は大統領を引退したあとどうすればいい？」と訊くので、

「比叡山延暦寺に入って仏教の僧になってください。そしてブッダとなって仏教の最高位に着きます。そのあとイスラム教に入信してカリフになってください。で、最後はローマ法王となって３大宗教を統一してください」