第21話 テレパシー
目が覚めると隔離室のベッドの上。手足を拘束されていた。サトウが入って来た。豪志のジーンズとパンツを下ろしてペニスをつかむ。何人か女性が入ってきて、最後にヒラカタが入って来た。ヒラカタは、
「ウ、ウチはあ、もう31才ですし、子供も2人いますし、ダメなら元の旦那のところへ帰ればいいんどす」
「ウチなんかチンポしゃぶってりゃいいんどす」原病院の女子たちの豪志の吊し上げが始まった。
「アイドルのACJやあいきょーたーぼは?」クキタ君。
「結局、神様は誰が本命だったの?」
「ヒラカタ、サトウ・・・」
「最初からあんまブレてない」
「んーーー!!」
手足を吊り上げられ背骨が痛い。
「おい、あれじゃ死んじまうぞ」
「死ねばいいんだよ、こんなヤツ」
手足の拘束を緩めてくれた。少しラクになる。
「根岸君。キミのおかげで医者としての尊厳はボロボロだ。責任は取ってもらう」
ブスッ。淳ちゃんに腹を刺された。だがよく見ると腹はそんなに傷ついていない。
「他に刺したい者はいるか?」特に誰もいない。
「いいです。これで解放しましょう!」
ようやく解放されたと思ったら今度は賭博場へ。賭博場で再び手足拘束をはめられる。堀江さんが来て、
「これは賭博場のイレギュラーなんだ。ガ・カーという。完全に治外法権。誰も助けに来れない。」
「海外の口座に助けを求めますか?90億」
「イエス」村田美夏ちゃん登場。
「90億引き受けます。さらに90億」500億、1000億と更にレートは上がっていく。
「ですから、最初にすべての金額を仰ってください。これが「オール」。博打というのは先に持ち金を晒したら終わりなの。破滅するまで意地を張り合うもの。私の身を案じてくださるのは、かえって迷惑。ゲームの理論で考え尽した結果」
「でもね。どうしても考えてくださるなら、1500億を超えた場合だけ教えてください。私の人生と引き換えにできる男かどうか。少しだけ考えたいの」
「情報の非対称性」美夏ちゃんが言う。
「要するに。免許を取って車を買って!」
「はい。これ。六本木ヒルズのマンションの鍵とNSXの鍵」
ぼーっとしてると、
「頭が悪い!」美夏ちゃんに追い出される。
また眠りにつく。気が付くと船の上。
「これから南アフリカのイスラム国へ亡命します。北野武さん、香山リカさんら著名人20人が立会人として署名してくださいました」
「この国でみんなと上手くやっていけないんだろう?」
「ライク、ライクスピーチ!」
「ライクスピーチ。また流行りそうな」右翼が反発する。
「まさか本当に亡命する気じゃないだろうな」堀江さん。
「抜け出して逃げればいい」
看護師のコヤマ君が現れて原病院に連れ戻された。再び眠りに落ちていく。起きると小野先生が隔離室に入って来た。
「どうですか?調子は」
「頭に差し込みというか外からの連絡があります。先生も聴こえますよね?」
「いえ、私には」
「一体、何があったんですか?」
「伊東乾先生、村田美夏さん、堀江貴文さん、津田大介さん、左巻健男先生、北条かやちゃん、鈴木柚里絵ちゃんとペニンシュラホテルで会って、東京中を大冒険してきたんですが」
「スゴイですね」
「私の病名は何ですか?」
「統合失調症だと思います」
2015年3月7日。原病院1病棟隔離室で2度目の入院生活が始まった。病院と縁を切るためには、離院(脱走)しかないとテレパシーで伊東先生は言う。脱走といってもおカネも水も着替えもない。身ひとつでヒッチハイクしながら群馬から六本木まで来いという。碩学のファインマンだから当然だという。どんな体力だよと。
「フーリエ変換」が始まる。伊東先生の出す問題を解けたら脱走ができるという仕組み。だが、豪志には解けない。
「同年代の友人たちが家族を築いてく、人生観は様々そう誰もが知ってる」(Mr.Children 花 )
「ねえ、どうしてスゴクスゴク好きなこと、ただ伝えたいだけなのに上手く言えないんだろう」(ドリームズカムトゥルー LOVE LOVE LOVE )
「無口なヒト息は白く歴史の深い手にひかれて」(GLAY Winter Again )
「キミの仕草が滑稽なほど、優しい気持ちになれるんだよ、夢物語逢う度に聴かせてくれ」(Mr.Children 名もなき詩 )
「小さなころは身体が弱くていつも甘えて困らせてたね」(福山雅治 家族になろうよ)
次々にテレパシーで頭に曲が流れる。
「東大医学部と日大医学部が技術提携するそうです」
「東大が日大と組むなんてゴキのため以外考えられん」と東大生。
「テレパシーを付けて山手線とか乗ると、みんな汚いこと考えていますよー」美夏ちゃん。
「多少の刃傷沙汰など・・」
昔、付き合ってた男を別れ話のもつれから刺したらしい(笑)
テレパシーでみんなめいめい情報を流してきた。
看護師のイワサキくんがいう、
「根岸さん、2回目のセンターを受けたとき、会場で「統一!」と叫んだのは本当ですか?」と。
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