第14話 異常なモテ(笑)

 村田美夏さんは羊飼いさん、永濱利廣さんと金融界の大物をfacebookで次々と紹介してくれた。情報学の天才の伊東先生も豪志のtwitterアカウントにハッキングして次々と面白い人を紹介してくれた。豪志はleviとdasmanのダブルアカウントでやっていたのだが、本名の「根岸豪志」のアカウントも作った。顔出しもして、

「今後は本名アカウントを公的なアカウントにしようかと。facebookをホームページ代わりにして。まあ靖国神社を参拝するときだけ都合よく切り替わる政治家の公的私的の切り替えスイッチみたいなもんです」

「私も20代30代の頃は貧困や共産主義の研究をしてきました。湯浅誠さんとか藤田孝典さんとか。資本論を読み考えた。貧困は本人の責任ではなく社会の問題なのではないかと。でもね、富岡製糸所とか貧しい女の子が1日23時間も働かされた時代、マルクスがブルジョワジーと闘った19世紀の貧困と現代の貧困では少し事情が違うのではないかと。山谷や西成の労働者のように、もらう端からお酒やギャンブルにおカネを遣ってしまうヒトたちというのは本人の資質にも多少の責任があります。だから私は保守の言い分も分かるんです」

「群馬は自民党帝国よ。どうやって闘うの?」と、淳ちゃん。確かに原病院は自民党系列だし、淳ちゃんの弟の原和隆さんは自民党から出て群馬県議をやっている。

 原病院で仲良くなった、クキタ君、イワサキ君、サクライさん、ノグチ君、ワカミ君、コヤマ君たちには、

「日本の精神医療は変わるよ。もっと患者が自由に外に出られるようになる」と言っていた。


村田美夏さんに言われて、東京国際フォーラムを訪ねた。

「ここはかつての旧東京都庁の跡地で、戦前の逓信省があったところでもあるの。情報学をやるなら歴史的に絶対外せない土地。逓信大臣は小泉進次郎の曾祖父、つまり小泉純一郎元首相のおじいさまもやっていたのよ」

 ホールCに入ると「相田みつを展」が催されていた。

「人間だもの」と(笑)。

「豪志は絶対こっちかなと思って(笑)」

 

 群馬と東京の行き帰りに相変わらずtwitterでアイドルナンパを続けていたが、ありえない美少女たちが豪志の周りに寄って来るようになっていた。

「何だコレは」と思っていたのだが、堀江貴文さんがホリエモンチャンネルでゲイのヒトを呼び、豪志にホモ疑惑をかけていた。

「何でヤラねーんだよ(笑)」確かに豪志はこの間、モテまくってた割には誰ともSEXしていなかった。次から次へと色んなことが起こりすぎてそれどころではなかったのだ。

 原病院でも大量の女の子にモテまくり、ヒラカタは、

「根岸さん、根岸さん」とドMの顔で豪志に付きまとい、サトウは外泊のたびに目をハートにして、

「根岸さんのお部屋、掃除しておきます!」と言っていた。退院して外来に変わった患者のカオリはアッシー君を従えおめかしして

「勘違いしたらヤダよー」と言ってバレンタインチョコを持ってきた。ウッチーはお母さんを連れて挨拶に来た。


 鈴木柚里絵がtwitterで豪志をフォローしてきた。

「最近、みりんをお酒代わりに飲むのにハマってます」

「斬新なカクテルです。ユリエリータみたいな」

「プリンに名前を書くタイプですか?」

「あれは儲かったらしいから そこから狙ってるものもあります( ̄∇ ̄*)ゞ」

「それが一生の友達になります( ̄∇ ̄*)ゞ 」

「ですからムーブメントとはそうやって作る訳です」

「恋愛=暇つぶしなのかという」

「言い訳です」

「それがクリエイターです」

「オシム「野心を持て、おかしな意味ではないが」

「それはキミの問題や」

「次質問したら宿泊料3千円発生するから その後はぺニオク形式で騰がってくからとかね」

「ユリーエでいいじゃん」

「ユリエリータドライで あちらの方に」

「値を吊り上げてる訳だな 巧いネゴシエーションだ」

「僕の人生せいぜいリアルに62年ぐらい」

「後から言えるんだよ 今の事もたぶん3年もしたらあーだこーだ言えると思う」

 

 村田美夏さんとも電話やfacebookのチャットで連絡を取っていた。

「根岸さんが東大卒だったら、良かったのに・・・ 」

「根岸さんより、私の方が変人でも許された」

「何故、立教とか日大とか、聞きたくないですが、人生ミス」


 アイドルや東大女子たちが続々と豪志のtwitterをフォローしだした。

「YAHOO天気予報を見ればいい」

「確率が載ってるだろ まあ雨が降ったらどうしても困るシチュエーションなら雨具を用意した方がいいし ドアツードアなら別にっていう」

「逆にカッパとかどう?あれはあれでマニアには萌え度が高い そういう逆手に取る狙いもアリっちゃあアリだ」

「あんまり作為的にやると鼻に付くから 自然な感じで不自然な事をするのがベストだ 何も用意してなかったんで仕方なくお姉ちゃんのお下がりのカッパとゴム長で来ちまったぜちぇっみたいな」

「まずバランスの良い食事睡眠運動だと思います 具体的には西式健康法がおススメですね」

「人生ゲームの方が遥かに面白くて長いから ただテレビゲームを止めて現実を生きるだけでだいぶ違うと思うんだ」

「もう簡単にテレビゲームなんかで時間と労力を浪費できる方がおっさんには難しいんだが まあそこは世代のギャップもあるから何とも説得しようがないけど」

「2の30乗とかトンでもない事に」

「よく分からんけど好きだから突き詰めるっていうか もう意地でも全部クリアしないと気が済まないみたいな気分もたまにはあるかも」

「相変わらずだなって昔付き合ってた男にそう言われた良く取っていいのか悪い意味なのか良く分からずただただムカついてた」 

  北条かやちゃんも加わり、金子遼子も帰ってきた


 少し前から、あいきょーたーぼのクドウとネットアイドルのるっとんを少しだけ贔屓にしていた。

「今日どうせ仕事ないんでしょ?高田馬場に友達のベトナム料理店があるんだけど 行ってみない?何かキミやり方次第で色々できそうな気がするんだよね まあアイドルとして売れたいならそれも完璧にやるけども」

「別にアイドルの売り方って色々あると思うんだけど まあオーソドックスなカバー曲から紹介します これは王道で意外と深いから」

「どう?ドン引き?これはねえ政治や経済の本質を巧みに突いた歌なんだな つんくってまあ巧いわ」

「じゃあ もうちょっと浅いやつで行くわ」

「どうかな?浅いっちゃあ浅いけど まあ女の子の考えることなんてだいたいこんなもんだわな キミはどんなジャンルの歌を歌いたいの?恋とか社会風刺とか家族とか友達とか人生とかお金とか 色々あるよね」

「伊東先生に怒られたw」

「何かリクエストない?何か明日朝考えるわ」

「じゃあこれはどう?川瀬智子はハッキリ言って歌がヘタだけど 作詞は全部彼女なんだよな あのコも相当不幸なコだからね」

「まあ最後は宇多田ヒカルで締めるかな このコももう子供を産めない身体らしいんだ 突然イタリア人のバーテンと結婚したのはこのコなりの人生を賭けた何がしかの救いなんだろうな」

「じゃあ、ちょっと 女の子がドン引きの歌行きます」

「どうもどうも、オジサン休暇に入りましたので 今週の1曲目行きます」

「じゃあ、もうちょっと可愛らしいのを探します」

「もうドイヒーだな(笑) もう明るい曲まで無理やりネガティブにしてしまう とんでも親父なんですけども」

「じゃあ、今度こそポジティブな歌で」

「これはね 植村花菜のトイレの神様って歌があっただろ あれよく読むとこのコは要するに親の愛情を全く受けずに育った訳だそういう反証と言いますか 何とかしてロクデナシの親を愛そうというむりくりな理屈だ たぶん親は植村が金持ちになったから急に復縁を迫っただけだと思うんだが」

「で、この植村のライブビデオをよく見ると ずっと周りで踊ってる子供に気を配って客なんか見てない訳だ で、ガキ共は自分を可愛く見せる事にしか興味がない訳だ どこまでいってもすれ違いの関係だな(笑)」

「じゃあ、もう飯食ってくるから 最後の曲を」

「もう寝るぞ 英語の勉強もしろw」

「ファイティーン♪」

「まず、アイドルというか ビジネス或いは人間としての生活もそうなんだが ハッキリ言って男と女では考えてること興味のあることがまるで違うんだ 当たり前かもしれんが こういうのを学問的にかなり、解き明かされてきてる 進化心理学などでは、男と女のマインドの違いがなぜ生まれたのかを」

「進化論と心理学を結びつけることで かなり謎が解明されて来てるんだ つまり進化の過程で女はそういうマインドだから後世に遺伝子を残し易かったという理屈だな この男女のマインドの差を意識することで アイドルとしても男性ファン女性ファン或いはスタッフ友達との関係を円滑にする手掛かりになる」

「で、またアイドル産業とは 当然仕事だからシビアなビジネスでもある訳だ であるから、お客さんがなぜそのアイドルの仕事を喜ぶのか もっと言えばなぜお客さんはその仕事にお金を払ってくれるのか これを説明した学問がひとつ 行動経済学といって消費者の消費行動を説明して謎を解き明かした訳だ」

「まあ、別に進化心理学も行動経済学も絶対の正解ではないんだが まあ、ビジネスを成功させるためには 少しでも成功の確率を高めるために努力をするのは当然のことだな まあラクではないのは確かなんだが つまんないかというと よく勉強してみると意外と面白いことが書いてあってまあ楽しいかもしれん」

「あとは、女マインドを上手に説明した漫画が倉田真由美さんだ あの人もメスの本能剝き出しの女性だ ただ、凄いインテリだから まあ巧くマインドの差を漫画で説明できてるな ただ男がこれを読むと無性に暴力的な衝動に駆られるぐらい怒りを覚える訳だ そこから男の心理を反証してみるといいかもしれない」

「まああとは経営やプロデュースは経営者が勉強して考えることなんだけどね(笑)えへへっ キミらはまず国語算数理科社会をちゃんとやりなさい」

「じゃあ、今日も1曲目から行くか 何にしよう またミスチルから入ってしまう世代なんですけども」

「じゃあまあ、今日は仕事があるので これでお終いにしますけど 今日の教訓としてね やっぱどこまでも他人の考えることは分からないから おかしいなあと思ったら その場合は市役所に行けば普通に戸籍とか載ってるから調べればいいの どこまでも現実の世界の方が先だからね」

「ただ信じるってことも大事よ やっぱ最後は目の前の人間が自分から見て信用できるかどうかだと 僕は思ってるからね」

「じゃあ、まあ、今週はもうお仕事が入ってしまったので終わりにします まあ、今週の教訓として物事を疑うことと人を信じる事という矛盾した選択肢の中で自分の人生を世界の中で作っていかなければいけないということです で、その例えではないですけど サッカーの監督のオシムさんの話を引用します」

「信じられるって重要なんだよね 一見観念論のように見えるけど実は本質を突いた話なんだな サッカー代表監督でオシムさんっていたけど あの人は監督としても凄く優秀で面白い人だったんだな あの人のサッカーって内容にこだわりながら結果も出すっていうサッカーなんだな 何で内容にこだわるかって」

「いうと 内容のない結果は偶然に過ぎないから、内容がないと結果も長続きしないっていう、サッカーの真理を突いた考え方なんだな で、あの人自身の人生が哲学そのものっていうか まあ、到底普通じゃ体験できないような数奇な人生なんだな 本当にヨーロッパ中の危険で極貧の世界ばかりを回り続けて生き抜いて」

「きた人なんだな だからあの人が日本代表監督になって契約をするときに契約書も見なければサインもしなかったんだな ダメな日本人から見れば、何だこの馬鹿はってなるんだけど まああの人自身がカネなんか最初からいらねーってのもあるんだけど 最初から契約とかサインとか無意味なのを知ってるんだな」

「ダメな日本人からすれば、契約違反をすれば法律だのなんだので追求できると思ってるけど あの人が生きてきた世界では、契約?法律?人道?人権?だから何なの?っていう人間ばっかりに囲まれて生きてきたんだな だからものすごくたくさんのひとから慕われてきたけど、ものすごくたくさんの人から裏切られて」

「きてるんだな だから、あの人は最初から人間しか見てないの 目の前の人間が信じられるかどうかしか問題にしてないの 人間が裏切ったら、すべての契約なんか意味ないんだから 人間の信用だけが全てだって初めから分かってるんだな」

「こっちに移動してくれ もうマジで帰らなきゃいけないんだ 都内の仕事はもう終わり」

「じゃあ、まあ、久しぶりに一曲を この歌は草野正宗が全く売れてなかった頃に、妹の結婚式で披露した曲だ 来客は小汚いマイナーバンドを指さして失笑してたそうだ 結果しか見てない連中の発想はそんなもんだ」

「じゃあまあ今週も一曲だけ 実はバレンタインの季節性に合わせたまともな歌はあんまり無いんだ オジサンたちがビジネス的に狙ってるところだ 大人の事情で(笑)まあ参考までにまた宇多田だ この娘は顔は大したことないが、だからこそ、女の等身大の悲しみを歌ってる、実は稀有な存在だ ここにヒントが」

「相手がいてこそ初めて自分が孤独だという概念が成り立つ訳だ 人間が本当に一人になると簡単に発狂するから 非常に哲学的な歌だが、まあこの娘は コロンビア大学で哲学専攻だからな まあ、教科書知識だろうが、それをポップ音楽に持ち込んだのが新しい処だ オジサンたちもこういう処を狙ってる訳だ」

「まあ俺が女に語り掛けるとなぜか伊東先生まで召喚して、止めさせようとするから、男女関係というものが如何にナイーブかが分かるんで、これで終わりにするけど 美人で金持ちで頭も良くて、完璧なアイドルは憧れの対象にはなっても共感は呼べない やはり不幸な部分がないとエンタテイメントの本質には迫れない」

「じゃあ、まあ寝る前に1曲を」

「浜崎あゆみは糞だと言われがちだが 初期の頃はこの娘なりに本当に痛みを抱えていたのだろう 頭も悪く育ちも悪く不良で落ちこぼれで その中で、何か必死に生き残ってきた末の魂の叫びだな やはり、初心を忘れてはいかん」

 るっとんには、

「じゃあ、まあCOCCOから この娘は沖縄出身の純朴な女の子だ ただやはり女特有の苦しみを抱えている 一つは性的虐待だ これは殆んどの女が必ず経験することだ レイプと言ってもいい ただ本能的な行為だからこそ理性では拒否しても身体は受け入れてしまうそこで自分への嫌悪感に苦しむ訳だ」

「力強い声で、歌詞も素敵な歌でした♪」

「じゃあまあ明日もう1曲 何かリクエストある?」

「テストがもうすぐあるので、応援歌をリクエストします♡」

「応援歌ね 難しいな まあじゃあできるだけポジティブなヤツを」

「まあ、そのまんまの曲ではあるけど この時期の宇多田は人生もすべてが煮詰まってたんだろう 親が死に歌も売れなくなり、本当に生きることに絶望していたのかもしれない が、願いは願いに過ぎないのを百も承知で 敢えて、もしも願いが叶うならという 本当に追い詰められた状況だと思う」

「有り難うございます」

「さっきのは歌詞ですか???」

「浜崎あゆみは糞だと言われがちだが 初期の頃はこの娘なりに本当に痛みを抱えていたのだろう 頭も悪く育ちも悪く不良で落ちこぼれで その中で、何か必死に生き残ってきた末の魂の叫びだな やはり、初心を忘れてはいかん」

「浜崎あゆみのTOBE」

「そうだったんですね!」

「まあ、また芸の道を語るけどね ホーキング青山さんという方がいる訳だ この人は障害者であることを笑いに変えて飯を食ってる人だ 何か俺が弱者繋がりみたいな感じで彼をフォローしているとかいう奴がたまにいるんだが それは違うな 本当に体を張った捨て身の笑いとか芸術とはこういうものだ」

「捨て身の芸って、本当に身を捨てることだからな 身を拾う事を前提にしている浅い芸人とは何もかもが違う 乙武洋匡さんの「五体不満足」も俺に言わせれば捨て身のギャグだ 本人は怒るだろうが 実は俺は19歳の頃に彼に会った事がある 早稲田の受験会場で彼は普通に友達としゃべってた」

「俺はどうとかこうとか思わなかったんだが まあ、早稲田はエレベーターがないから あれでどうやって階段を上るかが気になった そして、彼は受かって俺はスベった そこから人生が一気に転落した訳だ これが捨て身の笑いだな」

「だから、まあ、浅い人間の言うことは大抵浅い そして、それを指摘すると命がけで復讐しようとする だったら最初から命がけで仕事しろと」

「深いですね!」

「すまん、本来はもっと芸が細かいんだが ちょっと大人の事情で同じ芸になる で、スピッツの草野正宗だが 彼はずっと基本的に誰からも相手にされず不遇を囲っていたのに Jポップブームとやらで意味も分からず売れ出した訳だ 周りはカネ目当てなわりには誰も現実には助けに来ないと 腹が立ってしょうがない」

「訳だ さっさと等身大の俺を助けに来いと 過小評価から過大評価に変わって何一つ現実を見てないバカが多すぎる そんなに短期間で超能力なんか芽生えるんだったら全員にその教育をやれと 最初から微妙に凄いけどそんなに大した男でもなかった訳だ 意味が分からないな こういう時に」

「草野が あの弱い男が、精一杯背伸びした 突っ張った歌だ  

 本当に短い夢だけ見る割にこの先どういう現実が続いていくのか 想定できてないおかしなフライデー(マスコミ)だ 意味が分かっていればこんな軽はずみに手拍子には乗らない 妄想と現実の区別ができてないのだと思う 分からんが」

「で、まあ、こうやってネットでも現実でも反証してみれば分かるが 本質が分からない人間ほど簡単に裏切ったり寝返ったりの繰り返しだ ココを間違えるのは結局、現実と妄想の区別になると思う つまり、また過小評価だな これはマインドのせいだが やはり、物事を時系列で現実的に追いかけられるかが肝心」

「だと思うんだが そこに作為を混ぜてくる大人まで加わると 

 さすがに見切れる人間は少なくなる が、別に自暴自棄になった訳ではないぞ 一つの動揺に釘を刺す意味合いだな 別に形勢は変わってない これもマスコミュニケーションだと考えています 短期間に動揺しすぎだな 理解に時間が掛かる」

「難しい」

「すまん、ちょっとオッサン化してしまった」

「いやいやそんなことはないよ!」

「るとの国語力がないだけです笑」

「まあ、待ってくれ キミも現実を認識できてない訳だ これから時間が必要だと思うんだ みんなが理解してくれるのに」

「はい」


 新小岩の駅前まで秋葉原からアイドルが来て、ステージ衣装の制服を着たアイドルが数名、

「失礼なことを言ってすみませんでした」と豪志に頭を下げて行った。新小岩のバス停にはありえない美少女たちが並び、よく見ると、駅前中美少女だらけだった。豪志のアパートの近くまでアイドルだのモデルだの女優だの女子アナだの東大女子だのが現れ、外タレや小学生の女の子まで豪志の周りに集まるようになっていた。

 

 伊東先生は、

「あんなにオンナにモテる男ははじめて見た」と言っていた。のちに東大生たちに、

「何であんなにモテたの?」と訊かれ、書いたのが「恋愛学」である。進化心理学とだめんずうぉ~か~を原典とし、女性マインドとイニシエーションで恋愛を分析したものである。

「イニシエーション」というのは伊東先生に聞いた概念で、「性的原体験」のことらしい。

 豪志のは、

「トレンドフォローの法則」女にモテればモテるほどよりモテるという現象である。他にも、

「女性は男性に従属する」

「レイプの不存在」など。フェミニズムやジェンダー論を完全に否定し、酒井順子の

「男尊女子」を正解とする、科学的に女性のマインドを分析したものであった。

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