12/22 リオ↔イロハ

(旅行券の画像)


『商店街のクリスマス福引で当たった』


「特賞を引いたのかよ」


『日頃の行い、ってやつだな』


(ドヤァ、のスタンプ)


「行き先はどこだっけ、近場の温泉旅館?」


『"一週間インド旅行"と書いてある』


「インド!?」


 おや、もしかして帰省できるということかな?


「黙っててくれないか」


『どうした急に?』


「ああごめん、ゾウのやつが地の文で割り込んできて……」


 いやぁ、インドかぁ……ここ百年くらいは帰ってないから、覚えてるところがあればいいけど……。


『楽しそうだし、行ってみようぜリオ。ペアチケットだぞ』


 僕はチケットいらないし。


「はぁ、しょうがないなぁ……母さんに相談してみよう」


 スマホを置き、僕は階下の母さんのもとに向かう。

 この時の僕達はまだ、この先に待つ試練について何も知らないのだった──。


「不穏な地の文置くな」

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