12/16 寺門定次(ジェイ)↔ロゼ

『ジェイ〜! クリスマスの予定は空いてるかしら〜!』


「バイトのシフトの相談なら無しだぜ」


『大学生の恋の駆け引き的なサムシングはゼロよ〜? そもそもバイトしてないでしょあなた〜』


「日本にいるときは、アイツのツテで探偵事務所の助手してたりするんだ」


『アイツ……あ〜、確かナギの叔父さんが』


「そ、そこの所長だ。撃てねぇ抜けねぇ仕事なんて退屈だと思ってたが、向こうもプロだ。ターゲットを追跡する技術においては学ぶことが多い」


『それじゃあその学んだ技術で、復帰明け最初の一仕事お願いできないかしら〜?』


「──依頼か。どんなやつだ」


『今回の敵は手強いわよ〜、何せまた、この世界には存在しないはずの相手だもの』


「まさか、また平行世界パラレルワールドの住人か?」


『そ。そして、分かっているのはそれだけ。7次元座標が異なる以上、不在堂書店によるリサーチは不可能だと思ってちょうだい〜』


「なら辿るべきは……か」


カンとか言うやつね〜? それじゃ、ターゲットの説明をするわ〜。相手は現在、インターネット上で主だった行動を起こしているわ〜。掲げている目標は、"人類総魚民化"』


「何だそりゃ、みんな居酒屋で飲めってか?」


『もっと広義だわ〜。世界中の人々に海産物を食べてもらいたいということらしいの〜』


「意味分からん」


『意味が分からなくても、平行世界の人間がこちらの世界に大きく働きかけようとしていることに変わりはないわ〜。大事になる前に対処したいのよ』


「んで、手がかりはどこまで」


『こっちでSNS上で確認されている複数のアカウントについて調査した結果、見事に撒かれたわ〜。ただ、どうにもネット上でこんな噂が囁かれているのよ。"急に知らない男が、SNSやメッセージアプリで魚の話をしてくる"というね』


「そんじゃあ、そこから辿っていくしかなさそうだな。アカウント名は?」


『同じみたい。とりあえず、手に入れたスクリーンショットはこれよ』




(ライン会話画像) 




「ドニオ──バブリッシュ」

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