第4話遠い旅人へ

拝啓


緩やかに流れる風のような日々が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。私は常日頃からの行いでしょうか、空を支配する神のお情けをうけております。


号外な郊外に潜む公害を目の当たりにして、名を付けた行為は愚かな事だと、天は人々にそう諭したそうですが、はたしてそうでしょうか?


命を授かり、息を吸うことで生きていれる訳ではないのに、人はひたすら無力なのです。また、無知でもある。限界に達した人の知恵は、案外奇抜的で、先の読めない展開がたまらないのです。


道に導かれた未知の世界を、おやすみなさいと言えたなら、満ちたりた海のように優しくて静かなのでしょう。


言えば、未熟者の私もあなた様のように、誰かを驚かせたエゴの結晶を抱くのでしょう。しかし、それは自然で何の疑問を得るわけでなく、むしろ、それが問題なのかと思います。


艶やかな仕草で気をひくなどと、野蛮でしかないのです。どうかあなたも心ごと拐われないようにお気をつけ下さい。


敗者はいつだって敗者ではないのです。全世界の名のもとに結集した神々は、いつも見守っているのです。黒き花束を感謝とともに捧げましょう。


そろそろ終わりを向かえる時間ですね。心揺るがず、健やかな日々を送る事を祈ります。


心から愛を込めて。


敬具

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