第3話雪國に住む妖精たちへ

拝啓


野に咲く名もなき花が、春を誘う季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

私は毎日チェーンソーに追われるような日々を過ごしております。


最近は公害のような、人の心に支障を与えるものばかりが流行っていて、もどかしさを覚えます。誰が甘い蜜を吸っているか、許しがたいことです。

人の情けにつけこんで、何もかも奪い去るのは人として疑問を覚えます。

いやはや、嫌な時代になったものですね。


しかし、晩年に咲いた花のように美しさや、とても優しい香りは、良い終末を迎えられそうで、それだけで救われる気がします。


今世の中は、混沌としておりますが、それが全てではない。そんな事を思いながら、生きています。


あなたは雪国にお住まいですが、凍えるような吐息は白く、精神の神秘を生むのでしょうか?非常に興味深い事柄なのですが、私がおもむくのは中々難しく、想像の中の世界でとどめておこうと思います。


まだまだ寒い日々が続きますが、お体ご自愛下さい。


敬具

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る