第13話 野球観戦①
二人は京セラドームに到着した。二人はチケットを買った。そしてドームの中に入った。あまねは通路から席に着くときに、グラウンドやドームの内装に圧倒された。スタンドもスコアボードも大きくてcmなどが流れていた。もうすでにスタンドにはお客さんがいっぱい入っていた。さすが日曜日のデイゲームだ。座席の5分の4が埋まっていた。
ドームの天井はスター・ウォーズの巨大戦艦、デス・スターをイメージして造られたらしい。三四郎が電車の中でそう言っていた。確かにデス・スターに似ていると思った。
二人は席に着いた。内野B指定席だ。ちょうどピッチャーからファーストに牽制球を投げた先ぐらいに位置する席だ。結構いい席だなとあまねは思った。あまねと三四郎はまだ昼食を食べていなかったので、ドーム内のマクドナルドに行くことにした。
マクドナルドに着いた二人は長い列に並んだ。めちゃくちゃ列が長かった。中学の卒業式で卒業生が入場してくる列ぐらい、列が長かった。
「こんなん待ってる間に試合始まんで、三四郎さん」
「ホンマやな、じゃあ一回外出てイオンモール行こうか」
ドームのすぐ横にイオンモールがあるのだ。そこで二人は昼食を買うことにした。
二人はイオンモールで30分ほどで買い物を済ませた。でかい豚カツが挟まったおにぎり2つ、唐揚げ1パック、コロッケ4つ、焼き鳥4本、たまごサンド2つを買った。
二人は球場に入り直してまた席についた。
試合開始時刻は2時だ。2時まであと30分だ。場内はスターティングメンバーの紹介が始まっていた。バックスクリーンで選手が映されている。スタジアムDJの紹介に合わせ応援団が声を張り上げる。ラッパも鳴っている。
「ロッテの応援団は声が大きいなあ」三四郎が言った。「オリックスはラッパが上手い」三四郎は楽しそうだ。目をキラキラとさせている。
「俺、小学校の頃は野球選手になりたかってん。あまねちゃんは将来の夢とかある?」
「将来の夢ですか?何でしょうね、う〜ん、結婚することかな」
「ピュアやな」三四郎が小さく笑った。なんかバカにされた感じがした。
「バカにしてます?」
「いや、バカにしてへんよ。良い夢やと思ってるよ」三四郎はおにぎりをかじった。あまねは食べ終えた焼き鳥をビニール袋に押し込んだ。「あまねちゃんは良い人見つけて結婚できるわ。俺はでけへんけどな」
「なんでそんな悲観的なんですか?」
「悲観的じゃないよ。現実的なことやで」
「だって俺、病気やもん」三四郎は悲しい顔をした。
「病気の人だっていっぱい結婚してますよ」
三四郎は「そうかあ」と言ったきり黙ってしまった。
あまねと三四郎はおしゃべりしながら買ってきたものを食べた。コロッケが濃厚な味でおいしかった。三四郎は、焼き鳥がおいしいと言った。タレが美味いと言った。
そうこうしているうちに試合が始まった。
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