第2話 事件と隠された真実

 事件現場に来てみたが……

 古井戸の周りは、草木が荒れていた。

 簡単には近ずけない。

「文哉」

 ここの井戸が……水死体が上がった現場か。

 あれ?これは……

「彩乃」

 どうしたんですか?

「文哉」

 これを見てくれ。

 井戸の近くに、手紙が落ちていた。

 彩乃、これを開けて見てくれ。

 文哉は、彩乃に手紙を渡した。

「彩乃」

 わかりました。

 彩乃が手紙を見た瞬間……

「彩乃」

 キャーー。

 彩乃が悲鳴をあげた。そして、顔が青ざめていた。

「文哉」

 おい!!どうした!?

 何が書いてあった?。

 文哉が手紙を見た。

「文哉」

 おい……嘘だろ?。

 これは悪い悪戯だよな……

 手紙にはこう書いてあった。

「許さない。許さない。次はお前の番だ」

「文哉」

 おい、彩乃大丈夫か?

 ひとまず、事務所に戻ろう。

「彩乃」

 は……はい。

 あ……あの。文哉さん、あれはなんですか?

 彩乃が古井戸に指を指していた。

「文哉」

 なんだ?

 文哉も古井戸を見た。すると、目を疑う光景が広がっていた。

 古井戸の目の前に、赤い服を着ている女が立っていた。

 文哉は、思った。これは生きているこの世の者では無いと。

「文哉」

 彩乃、何も言わずに来た道を戻ろう。

 戻っている最中は、絶対に振り向くな。

 約束だ。

「彩乃」

 わかりました。


 2人は、何も見なかった事にして

 来た道を戻る。

 車に乗り、事務所に戻り

 全ての事を整理した。


「彩乃」

 あの、1ついいですか……

 被害者って、見つかった時はどんな格好をしていたんですか?。

「文哉」

 被害者は、水死体で見つかった時は

 赤い服を着ていた。

 あの時、見たのは被害者にそっくりだった。

 被害者で間違い無いと思う。


「彩乃」

 そうなんですね。あの、警察の捜査資料とかってあったりするんですか?

 もしかしたら何か手がかりがあるかもしれないと思うんです。

 わからないですが。

「文哉」

 捜査資料か……確かに気になるな。

 わかった。知り合いの刑事に聞いてみるよ。

「彩乃」

 ありがとうございます。

 後、あの現場にもう一度行きたいです。

 あの、古井戸をもう一度調べたいです。

「文哉」

 わかった。先に捜査資料から紐解いていこう。

「彩乃」

 そうですね。

 2日後

 事務所にて。

「宮内」

 これが捜査資料だ。この事件の再調査とはな。暁探偵事務所も大変だね。

 あまり、この事件に介入をするのはおすすめはしないがね。

「文哉」

 宮内さんの言う事もわかります。

 この事件には、あまり介入したくは無いですね。何だか嫌な予感しかしないのでね。

「宮内」

 そうだよな。

 ところで、そちらさんは?

「彩乃」

 私は、暁探偵事務所に入ったばかりの探偵見習いです。

「宮内」

 そうか。俺は暁さんとは長い付き合いの、富士先署の刑事だ。よろしくな。

「彩乃」

 はい。

「文哉」

 宮内さん、この事件の再捜査はどうするんですか?

 もしするならば、私達も同行したいです。

「宮内」

 再捜査は、これからだが

 捜査本部の連中がな……

 まぁ俺から何とか言ってみる。

 しばらくは捜査資料を預ける。

 何かあれば、直ぐに連絡すれよ。

「文哉」

 わかりました。

「宮内」あぁーまたな。

 宮内が事務所を後にした。

 次の日

「彩乃」

 あの、捜査資料を見て気になったのですが

 この印は……?

 彩乃が捜査資料からある印を見つけた。

「文哉」

 うん?

 これは……

 新興宗教の印だ。もしかして、この殺人事件は新興宗教が関与しているのかも?。

 被害者である、春日井さんに娘さんについて聞いてみるか。

 次の日

「文哉」

 春日井さん、わざわざありがとうございます。今回、娘さんについて何点か確認したい事があるので、来て頂きました。

「春日井」

 いえいえ。

 で、確認したい事とは?

「文哉」

 はい。単刀直入に聞きますが、娘さんは宗教について何か言ったりしていませんでしたか?

 自分から入信した等は言っていませんでしたか?

「春日井」

 いいえ。特に何も言っては無かったですね。

 あ……確か家を出る前に、今日大事な約束があるとか言って出て行ったのが最後でした。

「彩乃」

 あの、これはあくまでも仮説に過ぎ無いのですが約束と言うのがもしかしたら宗教の関係だったかもしれないのです。

 何故かと言うと、この写真を見てください。

 事件のあった日に、宗教の関係者に会い

 殺害された可能性が高いです。

 井戸の近くに、こんな印があったのです。

「春日井」

 これは……この印は私の祖母が信仰していた宗教団体の印だ。何故!?

 私は詳しくはわからないですが、祖母なら何かわかるかもしれないです。

「文哉」

 本当ですか!?

 だとしたら、進展があるかもしれないです。

「春日井」

 はい。少しだけ時間をください。

 お願いします。

「文哉」

 わかりました。

 春日井が事務所を後にした。

 その日の晩に、探偵事務所宛のメールが来た。差出人が不明だった。そして文面も文字化けしていて、解読不能だった。

「文哉」

 なんだろう。気持ちが悪い。

 次の瞬間、電話がなった。

 出てみると、微かに聞こえたのは赤子の泣き声とお経のような物が聞こえて来た。

 気持ちが悪くなり、直ぐに逃げた。

 あれは……

次の日

宗教団体が関与していた事がわかったが、詳しくはまだわからない。

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