迷宮都市ルナ(2−2)

【冒険者ギルド迷宮都市ルナ支部】。


中に入ると、お酒の匂いが漂っている。

見渡す限り、人間からエルフまで、さまざまな種族が集まっており、みんなお昼にもかかわらず、楽しそうにお酒を飲みながらおしゃべりに夢中になっている。


冒険者って、こんなに騒がしかったっけ?

まあ、どうでもいいけど。

とりあえず、受付らしきエリアに向かおうと、しばらく辺りを見回すと、ようやくそれらしい場所を見つけた。

そこに向かうと、受付嬢がにこやかに微笑んでくれた。

めっちゃ美人だ。


「すみません、ギルド登録をお願いしたいのですが」


そう言うと、受付嬢は元気よく頷いた。


「はい、かしこまりました。お初にお目にかかりますね、お客様。もしかして、ギルドは初めてですか? でしたら、まず簡単にギルドについてご説明させていただきますが」


「あ、はい。お願いします」


と、僕が肯定すると、受付嬢はギルドの説明を始めた。

基本的にギルドは世界各地の冒険者たちが登録する施設で、ここで仕事を受けて、クリアすることで報酬がもらえる。

仕事は難易度によってランク分けされているので、下級ランクの者が上級ランクの仕事を受けることはできない。

ただし、もし同行者が上級ランクの冒険者であれば、下級ランクの者でも上位ランクの仕事を受けることができる。

さらに、冒険者であれば、迷宮に潜ることが可能になる。

迷宮は、アレンが説明してくれたとおり、基本的に腕を磨いたり、お金を稼いだりするために存在しているが、時折魔物退治の依頼が出されることもある。

その後はランク上げや依頼の失敗など、いろいろと説明された。


「以上で説明を終わります。わからないことがあれば、その都度お尋ねくださいね」


「分かりました」


「では、こちらの用紙に必要事項をご記入ください」


受付嬢は用紙と羽のついたペンを僕に渡してくれた。

僕は渡されたものを受け取り、まずは用紙に目を通す。


【冒険者登録用紙】

名前

年齢

性別

種族

職業


渡された用紙はこんな感じだった。

用紙に記入し、受付嬢に渡すと、受付嬢はそれを受け取ってからカードを取り出し、何やら呪文のような言葉を呟いた後、僕に渡してきた。


「こちらがあなたの冒険者カードです。無くさないように気をつけてくださいね」


受付嬢はそう言った。

僕は冒険者カードを受け取り、カードを見ると、そこには僕がさっき提出した情報が記載されていた。

そして、僕の冒険者ランクも載っていた。

どうやら僕はランクFの冒険者のようだ。

まあ、登録したばかりだから仕方ないか。


冒険者カードを無くさないように、こっそり【アイテムボックス】にしまった。

 

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