R リメイン(男の無意識な自業自得)

「リメイン、君と結婚はできない。婚約破棄したい」


 俺は彼女にそう切り出した。


「何故ですの? 家同士の決めた相手ですが、上手くやってきたではありませんか」

「君に対してだけ、どうしてもその気になれないんだ……」

「私が醜いからですか? 皆の様な容姿ではないからですか? それとも」

「判らない。容姿じゃない。だが結婚して跡取りを儲けるのが貴族の役目。無論他の手立てもあるが、それでも俺は自分の血を引いた子が欲しい。君は愛人を認めてくれるか?」

「……確かに嫌ですね。どうしようもないですわね。ようございます。お父様にそう告げて参ります。今までありがとうございました。ごきげんよう」


 本当に済まない、と彼女に謝り倒し、俺は婚約者を変えることとなった。



 だがその後、やはり結婚した相手に身体が反応できなくなってしまった。

 今度は愛人を作ることを妻となった女は了承してくれたが、愛人にも子供を作るとなると駄目になっった。

 その後噂を聞いたリメインから手紙が来た。

 彼女は既に別の男と結婚していた。

 手紙にはこうあった。


「つまり、貴方は子供を作りたくないひとだったのですよ」


 ああそうだったのか、と俺は絶望の声を上げた。

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