M マーガレット(本当の浪費とは)
「マーガレット! お前の浪費癖は次期王妃として相応しくない! よってここに私は婚約を破棄する!」
国王も隣席している祝賀会兼壮行会にて、第一王子はそう彼女に告げた。
「私の浪費癖が駄目だとおっしゃるのですか、殿下」
「そうだ! この国難の時期において、自らを飾り立てて、国内外の重鎮の出席する宴会に顔を出し、媚びを売っているというではないか!」
「外交ですわ殿下」
マーガレットは臆さず言う。
「我が国と近隣諸国との間に不穏な空気が漂っているのは私も判っております。それだからこそ、それらの国との友好関係が重要でしょう。各国の思惑を知るのもそう言った場は有効です。私はたまたまこの容姿ですので、それをただ利用しているだけのこと」
「続けたまえ」
王子を制し、国王がマーガレットの発言を許可する。
「軍備拡張より大事だと言いたいのかね」
「備えは何より必要。しかし一度始まれば、私の浪費など鼻で笑う様な金額の兵器武器人員が消えていきます。そうせぬための費用を浪費とおっしゃるなら、破棄でも何でも」
さてこの後、彼女を婚約破棄した第一王子は廃嫡され、マーガレットは王太子となった第二王子の妃となったということである。
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