L ラーラ(必要闇)

「ラーラ、お前の傍若無人ぶりは目に余る。よって巫女の資格を剥奪し、我が息子との婚約も破棄する。そしてその行いに似合った場所へと送ることを決めた」


 その時、一部の王族や、王都に住む一部の豪族の代表の顔色が変わったのを私は見逃さなかった。


 私が送られた場所は、この王国で唯一許された公営の慰安所だった。

 戒律の厳しい国ゆえ、その欲望による犯罪を防ぐべく吐き出す場所も限られている。

 そしてそこで従事するのは私の様な罪を負ったものなのだが。

 私は今日も仕事に励む。


「ああラーラ様、もっと…… もっと厳しくしてくださいませ……」


 私はそう哀願する相手に、私は容赦なく尻をひっぱたく。

 今日の相手は、常に一族に対し、横柄な態度を取らなくてはならない男だった。

 そんな自分が嫌になる、と慰安所に相談に来た結果、私の元に送られてきた。

 ぺん! ぺん! 音を立てて裸の男の尻が鳴る。ありがとうございますと男は言う。

 終わるとあくまで私は相手を客として扱う。


「本当に、君のおかげで自分は領主をやっていられるよ……」

「ありがとうございます」


 ところで時々、仮面をつけた少年がやってくるのだけど。

 あれは確か王子の一人じゃなかったかしら?

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