J ジョセフィーン(思い込みと温度差)
「ごめんジョセフィーン…… 君とは友達で居たいんだ。婚約は無しにしてほしい」
僕は少年時代からずっと好きだった彼女に去年婚約して欲しいと頼んだ。
だが付き合ってみてわかった。
彼女は確かに僕の友人としては最高だが、どう考えても恋愛の対象として見られないのだ。
ずっとずっと考えていた。彼女に悪い彼女に悪いと……
「何だそんなことだったの最近ずいぶん落ちこんでいたから」
へっ?
「いやそもテディ貴方、何頭とち狂ったのかとずっと思っていたのよね。まあ良かったんじゃない? あなたのお祖父様も気の迷いだと言って取り上げてくれなかったし、私もこれからニューヨークへ行って小説修行しなくっちゃ。ベスの療養費も稼がなくちゃならないし。貴方も音楽の勉強がんばってね!」
そう言って彼女はたったったっ、と家の方へ足取り軽く駆けていった。
……そっか彼女は本気にしていなかったんだ……
僕はその場にしばらく立ち尽くしていた。
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