新居
※1 宅建 宅地建物取引士資格の略
不動産屋さんになるのに必要。資格取得界隈でも人気の試験
※2 アメリカは地域によって、教育制度(年数や新学期の時期など)が異なる。日本のように全国一律ではない。
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俺 主人公
エリさん 俺マンションの家政婦さん
マリちゃん エリさんの娘
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【大学1年10月中旬】
3LDKの改装工事は順調に進んでいた。
テレビの大道具を製作している会社に、
見た目は柱にクロスが張ってあるように
何を隠す予定かというと現金だ。銀行から引き出した分をそこに入れる。ATMで引き出せる金額には、限度額が決まっている。銀行の貸金庫も週末はやっていないので、いざという時のために、ある程度の現金は手持ちで持っておきたい。泥棒や火災が心配だが、俺は開き直って部屋に現金を置く事にした。
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俺の入居前に、エリさん達が先に、2LDKへ引っ越して来た。家政婦の
片付けが
「わりと新しいので売るのも
俺はマンションの物置の事をエリさんに説明するのをすっかり忘れていた。さすがに大型家電を部屋に置くと
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内装工事も終わって、週末の今日からエリさんの家政婦としての仕事が始まった。今回の土日だけ、特別出勤と言う形で来てもらった。引っ越しじゃないけど、家電や家具が大量に届くので、新居に荷物を入れるだけでも大変だった。掃除や片付けも含めてエリさんがいてくれて本当に助かった。
いつまでも3LDKと呼ぶのも変なので自宅と呼ぶが、エリさんは、原則として、平日の月曜日から金曜日に自宅に来る予定だ。土日は休みで、週一回だけ、午前中に自宅の仕事を終わらせたら、ワンルームの掃除に午後から来てもらう。
正直なところ、掃除、洗濯だけなので2日に1回でも十分なのだが、エリさんの収入のためという部分もある。
仕事のスケジュールは、すべてエリさんに任せてあるので、フレックスタイム制だ。俺の大学の講義予定表を渡してあるのでワンルームの方は、俺と
【10月下旬】
司法試験予備試験の口述試験が週末にあった。実は、夏に
口述試験と言うのは面接のようなもので、試験官に俺が口頭で答えなくてはならない。むちゃくちゃ緊張したので
エリさんは自宅の掃除を日中に終わらせるので、俺と顔を合わせる事があまりない。連絡は主にメールでしていて、週末に電話するくらいだ。
【11月初旬】
司法試験予備試験の合格発表が11月初旬にあり俺は合格した。3回にわたる
両親に予備試験に合格した事を伝えたら驚いていた。
「司法試験に合格したわけじゃないよ。予備試験に合格した事で本試験の受験資格を得ただけだよ」
「それでもすごいものだ」と喜んでくれた。
予備試験に合格すると5年間の期間限定だが、その間に3回、司法試験を受験する事が出来る。3回不合格、または5年経過後は受験資格を失う。それ以降に受験したいなら、再度、受験資格を
俺は、大学2年から4年の間に、3回、司法試験を受ける予定でいる。もし合格出来なければ大学院へは行かず、
俺は、両親が喜んでいるこの機会に、マンションについて報告する事にした。
「ああ、それと試験勉強に忙しくて報告が遅れたけど、俺、マンションを買ったよ」
「お前なぁ、そんな大事な事は、もっと早く言え」
父は別に怒ってはいなかったが地震火災保険に入っているかと確認してきた。
「あなたね、3月に私がマンションを買おうと言った時は反対したくせに自分だけズルい」と、母は冗談っぽく
「都会の人にはわからないかもしれないけど、地方に住んでいるとマンションには
自称、トレンディドラマ世代の母はそう言った。実際に住んでみると庭付き
そういうわけで、お祝いも兼ねて12月に両親
妹の方は8月の盆明けからアメリカに行っている。高校の交換留学で、本来は1年生が選ばれるのだが、その年は、なぜか誰も希望しなかったらしい。そこでサマースクールに行った事のある2年生の妹に、良い意味での
アメリカの高校は義務教育だから
妹の行くアメリカの高校は4年制で9月から高校1年生(9年生 ※2)として入学から始めるそうだ。17歳の妹が15歳の生徒に
俺が留学した時は、
あ、エリさん(家政婦さん)の事を両親に話すのを忘れていた、ヤバっ。
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