エピローグ
☆
河村先輩と赤石さんは、密輸船に乗り込むところを現行犯逮捕された。
逮捕され時の所持金は、1000円ほどだったらしい。わたしのカード類は闇市に売ったらしく闇市も一斉取り締まりが入った。
わたしのカードとスマホは戻って来たが、カードはその場で切断して捨てた。
既に新しい物を再発行されて、暗証番号も変更した。
わたしはまだ営業部にいる。
部長は、今度は二人で一組のスタイルを取って班を作り直した。
わたしの相手は、同期の男性社員だ。大地君は触手を出し、絶えず観察している。
しばらく営業部のフロアーで見かけなかった大地君が、班替えと同時に、毎日見かけるようになった。
心配性の大地君は、お昼にお弁当を持って降りてくる。だからお弁当を一緒に食べるようになった。わたしの相棒の男性社員に、「俺、花菜ちゃんと結婚したんだ」と大暴露をして、わたし達の秘密の同居生活は、フロアーの皆が知ることになった。
大地君の取り巻き達は悲鳴あげて、わたしの守り隊のメンバー達は大きなため息を漏らした。
お弁当にわたしの好物の甘い卵焼きに、オレンジがよく入るようになった。
「そういえば、大地君、お弁当のカロリーは幾つなの?」
「カロリー?」
「前に女子社員にお弁当を盗まれそうになっていたときに、カロリー計算しているって言ったよね?」
「あー、あれは花菜ちゃんカロリー。花菜ちゃんカラーの変形」
わたしは微笑んだ。
4年前の入社式に一目惚れをしたと言うのは、本当らしい。
わたしと大地君は今、すごく幸せだ。
釣り仲間の伝で、大地君が望んでいる家を造っている人がいるらしい。
次の休みにモデルハウスを見に行く予定だ。
近いうちに、二人の家が建つかもしれない。
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読んでいただきありがとうございます。
ファーストシーズンは、ここまでですが、この先、番外編、セカンドシーズンと続きます。
お付き合いいただけると嬉しいです。
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