ふわふわとした温かさに挟まれる

 私の首後ろを細く柔らかい毛がふわふわとくすぐってくる。窓から降り注ぐ日差しと同じ温かさが、拍を刻む。それがゆりかごのように私の意識をゆらゆらと揺らした。手に持っていたスマホは一瞬きのうちに暗転しており、私はその揺らぎに身を任せることにした。一滴の茶色が混じった髪の毛を振り払い、灰色の眼鏡を冷たい床に置く。中学から体格の変わらない私の身を包む褪せたグリーンの部屋着には、細く柔らかい白と茶色の毛がふわふわとすり寄っていた。スマホを眼鏡の隣に置き、手を枕に伸ばす。

 暖かい。時たま零れるかわいくないいびきが、どうにもかわいらしく感じる。あまり運動しなくなった最近も、家に来たばかりではしゃぎ盛りだった昔も、私とこの子の日曜の朝は、ふわふわとした温かさに挟まれる。

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