第445話 やっと出発できるようです? (12)
僕は今自身が跨いでいる沙也加のホンダCB350Four、黄色いタンクのバケヨンのシート、後部座席をポンポンと叩きながら。
「沙也加、もうしゃべるのはえぇけぇ、早ぅ、俺の後ろに乗れやぁ、皆がまちょるけぇ~」と。
沙也加の奴を急かすように告げ、呼べば。
「みゆき、翔子は家のローレルの方の運転を交代で頼むの~。お互い無理をせんように~」と告げれば。
「うん、一君分かった」
「はいはい、私等は大丈夫じゃけぇ。いざとなったらエルさんの魔法で無人運転してもらうけぇ大丈夫~。それよりも皆さんバイクで事故をせんように」と。
みゆきに続いて翔子がバイクのメンバー達へと気遣いと労いの言葉を告げれば。
「一君ばいばい……。香月ちゃんもパパにバイバイしようね」と。
只今美紀が抱いている沙也加の娘、香月の小さなもみじのような掌を優しく一緒に振りながら僕達へと見送りをしてくると。
「パパいってらっしゃい」と。
洋子が満身の笑みを浮かべながら告げてくれたから。
「うん、洋子ありがとうパパ達は出発するから向こうで会おうね」と。
僕は自身の娘へと告げれば後ろを再度振り返り。沙也加やみゆき、マコ、零の仲間達が、準備が整うのを目で確認していくのだった。
◇◇◇
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