第436話 やっと出発できるようです? (3)

「そうなんだ」と。


 零の奴は何故か寂しそうに我が家の筆頭奥方、異世界の魔族の女王さま、太后陛下になっているらしい? エルへと残念、無念と告げれば。


「一君も単車持っているからエルさんも免許とれば。その単車を乗ると良いよ」と。


 自身のタメ、同級生……。



 そして同じ屋根の下で暮らすようになった犬猿の仲? 零の残念そうな顔を苦笑いを浮かべながら見詰め、エルへと呟けば。


「えっ! 一樹も単車持っているの?」

「えっ、でもアパート駐車場にはバイクを置いていないよね」と。


 エルと翔子の二人が自身の首を傾げながら言葉を漏らせば。


「実家の裏にシートビニールシートをかぶって置いてあるよ。エルさんと翔子さん」と。


 美紀の奴がニコニコと微笑みながら呟けば。


「流石美紀さん、実家の近くに住んでしたし。お母様と生○のグループ購入の友人同士だったから詳しいわよね」と。


 エルが感心した物言い。口調で告げれば。


「以前お母さんから一君が乗りもしない。エンジンもかけないような単車を家の裏に投げているから困っていると聞いた事があるから」と。


 美紀がいつもの如く調子でニコニコ御日様のように微笑みながら呟けば。


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