第435話 やっと出発できるようです? (2)

 僕とは違い。


「うんうん」と首肯しながら。


「こんな鋼の二輪車も自動で走るからこの世界の錬金術、バテレン、魔法技術は凄いよね」と。


 時代錯誤の言葉を漏らしながら頷き、首肯する。している我が家の筆頭奥方、元勇者で魔族軍討伐総大将のエルにやきもちから怒声、罵声を吐かれるのが嫌だから言わないと言うか?


 エルにまたしばかれる。折檻、お仕置きされるのが嫌だから僕はいらないこと、言葉、一言多いい言葉を漏らさないように、自身の奥地へとチャック──ファスナーでジィーと締めれば。


「エルさん、うちので良ければ運転してみる?」と。


 零の奴が乗る。騎乗しているスズキGS400のパールピンク仕様にリーゼント風防、白とピンクの三段シートにエビティルと透明カラーのヨーロピアンウインカーに何処のメーカーわからないメッキの集合管に最後は特攻隊長らしく突撃ラッパもサイドに装着した仕様の単車に乗り運転してみるか? と誘うのだが。


 家の、我が家の奥さまは未だある物を持っていない。所持していないから。


「えっ! ああ、ありがとう。私未だ車の免許やバイクの免許……。原付すら持っていないから免許をとってからお願い」と言葉を返せば。


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