第426話 地元ってこれだから嫌だよね……(6)

 まあ、怖い。奇抜な化粧をしている傾奇者、ヤンキー姉ちゃんの零なのだが。


 実際のあいつの素顔はキ〇ンキ〇ン似の可愛い少女だからね。流石に僕自身もムキ、本気になってヤル、痛みつける。折檻をするのは忍びない。


 だから自身の左腕だけを使用しながら優しく、労りあるで『グッ!』とあいつ、零の小さな顔を鷲掴み握れば。


 そのまま上に、大空へと持ち上げて──


「零~、どうじゃぁ~? 気持ちえかぁろぅがぁ~?」、

「わっ、はははっ」と、僕は高笑いをしながら零の奴を宙刷り状態へと誘ってやったのだ。


 だから零の奴は自身の両手で僕の腕、手、掌で強く掴んで握り。自身の足をバタバタとバタつかせ暴れ、抗いながら。


「ふんが、ふが、うがうが、うぎゃぁあああっ! 一樹! 痛い。痛い。離せぇやぁあああっ! こんちくしょう目がぁあああっ!」と。


 沙也加やマコ。その他の先輩達、同級生タメ、後輩達の前で自身の情けない姿。悲惨な姿を披露し始めだす。


 だからこの暴走族、総長の沙也加の口から。


「ああ、零もムキになって……。一樹の口煩いのは昔からじゃけぇ、右から左へと流し、『うんうん』と頷いちょったらえぇのに」と。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る