第427話 地元ってこれだから嫌だよね……(7)

 先程迄はアパートの部屋の中で僕やエル相手にムキになりガンの付け合い。飛ばし合いをしていた癖、輩の癖にしてさ、急に大人びてと言うか?


 僕の妻、妃らしいドンと構えた落ち着きある様子で、本当に子供染みた馬鹿な人達とでも申したい。言いたい。告げたい。漏らしたい顔をしながら僕と零と、その他自身の仲間、友人、後輩達の様子を透かした目と瞳で見詰め様子を窺いながら。


「あんたらぁ~、皆~。零を助けたぃんじゃったら。一樹のことを好きなだけ殴ちゃらぁえぇよ~。自身の単車に積んどる金属バッドや鉄パイプ。ドカジャンや革ジャンに入るちょぉる警棒を使ってもえぇけぇ」と。


 自身の暴走族仲間達……。ツレ、後輩へと他人事……。殴られるのは僕なのにさ、この阿保、ボケナスの沙也加の奴がケラケラと笑いながら告げる。漏らす。


 だから「さ、沙也加! そ、そんな事をしたらうちの一樹が死ぬ。死んじまぅけぇ、それはうちも流石に不味いと思うけぇ、そんな事をさせたらいけん。いけんよ。」と。


 あのさ、僕がいつお前の物、マコの奴の物、所持品になった? 僕は一切なっていなし。と不満、文句を言ってやりたい衝動ではあるのだが、今はそれどころではないみたいだからマコの奴は、自身の顔色を変えながら沙也加へと注意、諫め。


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