第217話 家の嫁と娘は、魔法使い? (1)
「先程の金縛りは、なんじゃったんだ?」
「ほんまよねぇ、お父さんの言う通りで、急に身体が軽ぅなって、金縛りが解けたんじゃけれど。何故じゃろぅ?」と。
自身の首を、仲良く傾げる家の両親なのだが。
そんな家の両親に、美紀の奴が、僕の妻的物言いでね。
「ほんまよねぇ、私も、お父さんとお母さんの様子を、エルさんの後ろで隠れながら見ちょぅったけれど。二人揃って……と、言うか? 一君と三人で前に倒れたけぇ。私も正直驚いたけぇ」と。
自身の瞼、目を大きく見開きながら、家の両親に嫁の如く話しかける。
余り反省をしていない美紀に対して僕はじろりと、目を細め見詰めれば。
「わぁっ。また一君が怒る。怒るよ。エルさん」と。
美紀の奴が大袈裟過ぎる程の振る舞いで、僕の真横に座るエルへと泣きつくから。
僕は、自身の真横に座るエルに、己の頬をギュッと、指先で摘ままれ、引っ張られ。
「一樹、いい加減にしなさい」と。
注意を受ける。
と、同時に。
「お前なぁ、何で直ぐに、美紀ちゃんに怒るんじゃぁ! 昔からそうなんか?」
「あんたぁ、一樹。ええ加減にしんさいよ。孫の目の前で、母親を叱って、ええ加減にせんと。母さん。許さんけぇ、ねぇ!」と。
美紀が産んだ女の子が、僕の娘だと聞かされている家の両親は、もう既に嫁面している
事ある毎に、美紀を庇うは、洋子ちゃんの頭を優しく撫でて。
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