第214話 娘? (4)
僕の妻エルの怒声、『一喝』が放たれると。
あら、あら不思議だ。
僕の身体全体が、金縛りに遭ったように動けなくなるから。
「うぅっ。エ、エル……。またやったなぁ、わりゃ、何を考えちょるんやぁ、お、お前はぁ……」と。
僕は自身の妻に対しての抵抗、抗いは、言葉でしゃべる、不満を漏らす事しかできないのだ。
こんな感じでね。
だって家の奥様は、宇宙人であり、元勇者、将軍様。
ついでに伯爵令嬢様だから。
僕は多分今?
エルが放った魔法によって身動きがとれない状態へと陥っているからね。
でも、僕のエルフな奥様の、魔法にかかって束縛、身動きをとれない状態へと陥っているのは。
僕の身体を掴み、荒々しくなっている気を落ち着かせ、和らげようとしている家の両親も束縛、身動きができない状態だから。
「か、母さん。な、何だかぁ。何だかよぅ分からんがぁ。儂の身体が身動きとれん。とれんけど。何でじゃろうか?」
「さぁ、うちにも分からん! 分からんよ、あんた! うちの身体だって、何で、だか分からんけど。金縛りにおぅたみたいに、身動きがとれんけぇ」
そう、只今、僕と両親の様子を凝視すればわかる通りだ。
自身の両手を伸ばし、エルの後ろに隠れている美紀を引きずりだそうとしている僕の事を、家の親父が背から抱き付き、お袋が僕の片足を掴んで前へ、前進へ、できないようにとしている最中の状態で停止! 止まっているのがわかる。
確認できるから。
「……どうしたん? 一君と、おとうさん、おかあさん」と。
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