第212話 娘? (2)
僕の両親が力強く、押さえつけながら嘆願をするのだけれど。
僕の高ぶる気。
そう、荒々しく気が立っているこの状態は、少々では収まりつかないからね。
そのまま、自分の両親を、己の火事場の馬鹿力を使用しながら、美紀のいる和室の部屋へと猪突猛進なのだ。
だって僕と美紀とのお付き合い。
別れの原因は、美紀の奴が、今の亭主と、僕とのお付き合いの最中に浮気したのが原因なのだ。
そう、僕は美紀をあの男に寝取られた間抜けな男へとなった訳だからね。
今更美紀の奴が、自分の亭主と、夫婦生活が上手くいかないからと、僕と寄りを戻したいからと。
自分自身の都合の良いようにして、美紀の娘をダシに使い、家の両親を上手く騙し、取り組んだ上で、新婚ホヤホヤで仲の良い僕とエルの夫婦二人の邪魔。
僕とエルを離別に追い込もうとしているに違いないと思うから。
アイツ! 美紀だけは絶対に許さない!
アイツの頬に一発ビンタ! 平手打ち! を入れ込んでやらないと、僕のこの、荒ぶれている気は収まりがつかないのだ。
だから僕を取り押さえようしている両親を引きずってでも、美紀の許へと辿り着いてみせる気構えでね。
「美紀ー! わらゃぁあああっ! ええかげんにせいよぉおおおっ!」と。
僕は声を大にして叫びながら、一歩、一歩、先へと進めばね。
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