第199話 今嫁の愚痴(3)
そう、そんな、恋する乙女らしい仕草をエルに魅せるから。
彼女は驚愕してしまう。
「えっ! も、もしかして美紀さん! 美紀さんって、未だ家のひとの事を心から想っているの⁉」
とね。こんな感じ、様子へと、エルは陥ってしまうのだ。
しかしだ、美紀は、健太の妻であるエルが、こんなにも驚愕をしようがお構い無しなのだ。
そう、全く気にもしないで、自身の両目、ウルウルと滲ませながら垂らすのだ。
透明の粒、滴をポトポトと地面へと落としながら。
「最初にあのひととお付き合いをしたのは、中学一年生の時だったの私ね」と。
エルに告げてきたから。
取り敢えずエルは、「うん」と頷いたのだ。
本当は聞きたくもない話しなのだけれど。
彼女は元勇者であり、魔王を討伐する軍の総司令官だから、家臣、部下達の悩み事や不満、要望をつい最近まで首肯しながら聞いていた身分、身の上だから。
美紀の話しは、彼女的には絶対に聞きたくはない話しなのだけれど、姉さん肌の強いエルはついついと頷いてしまうのだよ。
そんな彼女に美紀は更に愚痴を漏らしていくのだ。
こんな感じで、だ。
◇◇◇
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