第200話 元カノの愚痴? (1)

「私ね、最初あのひととお付き合いをしている最中にね。先輩達から苛められたの。一年生の分際で、年上と付き合うなんて生意気だって。事ある毎に、女子トイレに連れていかれて苛めにあったの。だからそれに私耐え切れなくなり。一度あのひとと別れたの。本当は別れたくはなかったのだけれど。色々とヤキを入れられるから我慢ができなくなってね……」


「へぇ、そうなんだ」


「うん……でっ、二回目のお付き合いの時は、もう中学校も卒業をしているから。先輩達に睨まれる事もないし。文句を言われないと高を括っていたのだけれど。何処から噂をかぎつけてきたのか知らないけれど。美紀~。あんたぁ~。何~。家のひとにちょっかいをだしょぅるんねぇ、一樹はうちの男なのに。いい加減にしんさいやぁって、感じでね。また呼び出されてヤキ入れられたの、私……。それも? 一度ではなく、何度も私呼び出されてヤキ入れられたの……」と。


 美紀が下を向き、涙を落としながらエルに愚痴を零すから。


「大変だったんだね。美紀さん」


 エルは、一応は美紀に言葉を返すのだが。


 彼女の顔は相変わらず強張った顔で、もう美紀の話しなど、どうでもよいから自分の事を解放して欲しいと言った感じで言葉を返すのだが。


「うん、そうなの、エルさん。日本の地元に住んでいたら色々あるの。それにあのひと。一君……。今日のエルさんの話しではないけれど。自分から別れる時に、相手に対してハッキリと別れると言わないから。以前お付き合いをしていた女性達って未だに彼女だと思っている人も未だいると思うの。エルさん」


「そうなんだ」


「うん」と。


 美紀は、エル自身の夫である一樹への不満を、自分の彼氏、夫のように嘆くから。


 エル自身も、もう面倒だなと思うから。



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