第197話 今嫁の愚痴(1)

「へぇ~。そんな事があったんだ!」


「うん!」


「そうかぁ~。それは悲しいね。エルさん!」


「うん!」と。


 二人仲良く、頷き合いながら、今日の出来事──。


 スーパーマーケットの仕事の最中に起きた、大変な事件……。



 今嫁と元カノの主だった男、健太に隠し子事件、ではなく。


 彼、健太いわく元カノ翔子のお腹の中に、新たな生命である子が宿っている可能性が大なのだと、言った話し、説明をエルは、自身の碧眼の瞳を濡らし、光らせ、垂れさせながら不満、愚痴、嘆いていると。


「一樹先輩は、昔から。そう言う事、事件、話題が多いい男性ひとだったからね」と。


 美紀が自身の頬を指先でポリポリとかきながら、苦笑を浮かべ漏らせばね。


「そうなんだぁっ! 一樹って、昔から、やっぱり魔王なのね!」と。


 エルが突然美紀に、訳解らない言葉、『魔王』と、言った言葉を、涙の溜まった目を大きく見開きながら呟くものだから。


 美紀自身も驚愕。


「エ、エルさん、一樹先輩が魔王って何?」と。


 自身の首を傾げながら問う。


「……ん? あっ! ま、魔王って、な、何でもないから美紀さん」


 エルは慌てふためきながら、自身の両手の掌振り、違う、違うと、ジェスチャーし始めるのだ。




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