第177話 えっ? 彼女?(9)
いくら翔子の会社の同僚。大学時のツレ。友達がいようともお構いなしなのだ。
僕自身も眠たくて仕方がないのだから。不愛想な顔で、翔子と。その仲間達を呼ぶのだ。
自身が載る。運転をしているトヨタや日産のハイソカー。シ〇コタン〇ブギではないが。
自身の愛車をロウダウン。シャコタン仕様にして、BBSやボルクのホイル、ワイザーのホイルにと。インチダウンをしたMK・1のホイルやSSRのメッシュホイル、他のアルミホイルにメッキのフェンダートリム仕様にトラストやフジツボのマフラーを装着して──。
〈ブゥオンー! ブゥオンー!〉と。
アクセル踏み、空吹かしをしている奴等。輩を横目で睨み、ガンをつけながら。
「早く、こいやぁ、翔子ー!」と。
荒々しく、苛立ちを隠せない表情と声で叫び、呼んだ。呼べばね。
「……あっ、御免。御免、一樹……。あっ、ははっ」と。
不機嫌極まりない僕に対して、これだけだからね。酔っ払いの姉ちゃん仕様の翔子の奴は。只僕に対して苦笑を浮かべ漏らしながら駆け寄ってくるだけなのだ。いつも、いつも……。
でっ、僕とカマロZ28の側。右の助手席迄着く、来ると。馴れた手つきで扉。ドワを開け、助手席のシートを倒し。
「皆、乗ってぇ、乗ってぇ、家のが、送ってくれるらしいから」と。
笑みを浮かべながら。自分のお連れさん達へと告げれば。
「いつも、いつも。すいません。お兄さん……」
「御免ねぇ、一樹君……」
「いつも、悪いね。本当に……」と。
お迎え、アッシー君の僕を。不機嫌極まりない顔をしている僕へと、彼女。お姉さま達は、労いの言葉とお礼をくれたので。
「いいえ、どういたしまして……」と。
やはり不機嫌極まりない声音で、嫌味たらしく言葉を漏らしてやった。
と、同時ぐらい。
そう、酔っ払いのお姉さま達が、僕のカマロZ28に載るところを確認した。前のシャコタンハイソ。運転手や助手席の、ヤンキーの兄ちゃん達は、『チッ』と、舌打ち。唾を道路に吐きながら。不満。険しい顔。怪訝な表情をしながら。車窓から身を乗り出し、僕とガンのつけやい、飛ばしやい。睨み合いをする行為を辞め。
翔子と仲間達のことは諦め。
その場。僕の目の前。カマロZ28の前から。マフラーの爆音と共に走り去って行くのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます