第175話 えっ? 彼女?(7)
だから大変なトラブル。警察沙汰になるようなこと。強姦、凌辱行為で事件になることも多々起きていた時代だったからね。
僕は翔子の奴に電話口から更に不満と諫め告げるのだ。
「えぇかぁ、絶対に乗るなぁ。乗るなよ。翔子。わかったかぁ?」と、釘を刺すのだ。
でも翔子の奴は、やはり僕が釘を刺そうが、こんな調子なのだ。
「(ああ、煩い。煩い。一樹……。私に憤怒しながら怒号を吐いてきても、私は知らんよ……。それにもういいよ。一樹。私らは。私らで何とかするけぇ。じゃ、サ・ヨ・ウ・ナ・ラ、一樹。もう二度と電話せんけぇ。バイバイ……」
翔子の奴は、僕が何度も釘を刺し、諫めても。全く反省した様子もみせないのだ。未だに……。
ッて、今はどうなのだろう?
もう、長らく電話、御無沙汰ない状態だから、僕自身もよくわからない。
でも、あの頃は、深夜に電話が頻繁にかかってきていた気がする翔子だった。
だからここまで、電話で二人が口論。喧嘩をすれば。最後には僕が致し方がなく折れて。
「わかった。今から。俺が迎えにいくけぇ。絶対にそこを動くな。公衆電話の近くにいろ。道路へは近づくなよ。わかったなぁ。翔子? 中には、強引に手を引き車に連れ込む奴らもいるから。絶対に公衆電話の近くから離れるなぁ。わかったかぁ、翔子! ……。それでも近くに寄ってくる奴らがいたら。男が今迎えにきょぅるから、いいと言って断っておけ。わかったなぁ?」と。
まあ、こんな感じで。僕自身も、毎度、毎度の度に、翔子へと荒々しく告げていた。
それでも、しかし。しかしなのだ。
アイツは自分が年上、僕がガキで『アッシー君』だと思っているから。
多分?
「──一樹、仕事のボンゴや軽四のNで来んといてね。カマロ。カマロで迎えにきてよ。お願いじゃけぇ」と。
まあ、こんな感じだよ。僕の愛車の一台──。
ガソリンを大変に食う。食らう。燃費が悪い。アメ車のシボレーカマロZ28・79年式に乗ってこいと告げてくるのだ。
だから僕は『えぇ、えええっ!』と、翔子の奴に不満を申したい衝動に駆られるのだが。
ここはグッと、堪え。耐え忍び。
「ああ、わかった。今からいくけぇ」と、告げ。
あわてて、準備して向かうことが多々でね。
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