第102話 男の威厳って奴?(2)
いくら僕自身が、己の腹部の下に、漢として! オスとしての証! 大事な物! 聖剣を携えていようとも元勇者……。
自分の星に帰る。UFOで帰還をすれば、その星、世界の一の英雄! 武力と知力、力を持つ妻……。
僕のエルには、僕が男! 漢! オス! であろうとも敵わないのか? と、いうよりも。全然僕は妻に敵わない。敵わないようなのだ。
だから今後も……。
そう、僕とエルとの夫婦での生活、余生も。今後は、家の大黒柱、主の座を全部、元勇者の妻、エルに差し出して僕は、妻の性奴隷、おもちゃとして生きる。生きるしかないのだろうか? と、愚痴や不満、嘆いている場合ではないのだ。ないのだよ。
僕とエルとの今後の仲慎ましい夫婦としての未来は、もう既に終焉……。終わりを告げかけていることを、僕は忘れていた。いたよ。僕の妻、エルが、二人の愛の結晶である。新たな魂を追い。自らの命を絶つ! 絶つのだと! 狂乱をしているから僕は妻を、エルを、取り押さえ、気を落ち着かせ、和らげようとするために何故か? 必死で抵抗、抗っている状態だった。だった、のだから。
僕はここで、己の決意を諦め、抗い。抵抗をする行為をやめる。止める訳にはいかない。何としても、狂乱、錯乱をしている妻を止める! 止めるのだ! 己の命が絶えようともね……。と、言う訳にはいかない。いかないよね。僕自身がだってさぁ? また他界、天国、黄泉平良坂へと向かえば、僕の元勇者な妻が、蘇生魔法を使用して。僕をあの世から連れ戻すイコール。また僕達の【愛の結晶】が消えて亡くなることになるから。
エルではないが? 僕自身も辛い。辛くなるので、何とか己の命を守りつつ、妻に! エルに! 対して抗う。抵抗を試みることにする。と、いっても?
僕の力と勢いも無い【ロボ〇ンパンチ】では、妻の暴挙を止めることは出来ない。出来ないでいるから。
『ハァ~』と、溜息が漏れそうなのと。僕自身が悔しくて、悔しくて、「うっ、ううう……」と、涙が、嗚咽が止まらない。
まあ、そんな僕にエルはね?
「一樹~! いい加減にしなさいよ! あなたぁあああっ! あんたはぁあああっ!」と。
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