第44話 目覚めてみると? (1)

「チュン、チュン」


「チュン、チュン、チュン」



(……ん? あれ? 鳥のさえずり、鳴き声……。そして亜人達の声……)


 そう、私が産まれて初めて耳にする異形な音……。


 まあ、暴音と言う奴が、私の大きな耳へ聞こえてくる。


 だからここは何処? と、言うか?


 ここは魔王の居城の一室なのか? と、私が思えば。


「うっ、ううう……」


 急に私の頭がいたくなるから。


 私は痛い。痛いよ……。



 そう、まるで?


 私が昨晩、自身の記憶が飛ぶくらい家臣達とお酒を浴びるほど飲んだ時の、翌日のような、二日酔いのような感じ、感覚が私の事を襲うから。


 私は偏頭痛がして仕方が無い。


 だから私は「はっ!」だ。


 はっ! と、声を漏らしてしまうのだ。


 だって私は昨晩──!


 そう、臣下の者達と男女問わず、交えて宴……。



 それも私が魔王討伐をした戦勝祝いの美酒に酔いしれてしまい。


 そのまま朝を迎えたのではないか? と思ってしまう。


 う~ん、でも、私は昨晩まだ魔王と剣を交えていたような気もするし?


 私は何処か真っ暗闇の中……。


 それも、自身の身体が凍るほど冷たい場所にいて。私は震えるほど寒くて仕方がないから誰かに助けを求めようとしたら、大きな明るい目を持つ魔物に襲われた気もするし?


 誰かに怒声を吐かれ、放たれたような思い出もある。


 それと私は誰かに水を求め、救いも求めた気もするし。その者にしな垂れ甘えたきもするのだが。


 あっ! これ重要!


 そう、私は誰かとキスを交わしたような気もするから。

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