第32話 驚愕! 驚嘆!(6)

 どうやら異国、外国で産まれ育った女性ではない。


 だって後部座席に横たわる彼女の小さな顔にはね。


 不釣り合いと思えるほどの、大きなクマ笹の葉に良く似た耳が左右にある。


 だから僕は、異国の姫武将さまの笹耳を触りながら驚愕をした。


 この女性ひとはこのの人──人類ではないようだ。


 そう、僕の瞳に映る金髪の麗しい西洋式の姫武将さまは、地球外生命体──。


 アメリカのSF映画や日本の怪獣映画、特撮ヒーローシリーズ、アニメ、マンガにSF小説にでてくるような。


 宇宙からUFOに乗って、日本にきた地球外知的生命体──。


【宇宙人】さんのようだ。


 と、なれば?


 この物々しい容姿──。


 西洋式の甲冑を身に纏う、金髪で宇宙人のような大きな笹耳を持つ女性? 少女? は。


 ノストラダムスの大予言に出てくる、世紀末の恐怖の大王かな? と。


 僕は直ぐに思う。


 と、言うか?


 あの時の僕は、そう思った。


 だってあの頃の時代……【昭和】はね。


 今の【令和】の時代の子供達や青年達にように、が、瞬時に思いつくような。


 ごく当たり前の時代ではない。


 僕達、昭和のおじさん世代はね。



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