第31話 驚愕! 驚嘆!(5)

 ……だけでない。ないのだよ。彼女の温もり、というか? 体温。肌の温もりと言う奴が、僕の指先へとプニョ、プニョと、じんわりと。この寒い夜空の中に伝わってくるから僕は更に、『これは何? 何? 何だろうか?』と、思ってしまうし。思案も始めだすのだが。車内が暗くて見えない。見えないから確認ができない。できないでいる。と、いうことはないよね。流石にさ。


 僕は異国情緒溢れる彼女の大きな柔らかくプニョ、プニョした物を直に、直接触れ、触り。プヨプヨ、プニョ、プニョと摘まみ、握り。柔らかさの感触を味わい堪能をした訳だから。


 その大きな物、人間とは異なる物を持つ彼女の大きくて柔らかい物が何? 何なのか? を、わからない。わからないのだと。告げ、呟くことはできない。


 そう、異国情緒溢れる金髪の長い髪を持つ彼女が持つ大きくて柔らかい物は【耳】なのだ。


 それも? この世の物、ある物、持つ物がいるとは思えないような【大きな耳】を持つ女性なのだよ。


 僕の愛車、仕事のパートナーであるマツダのボンゴの後部座席で「フゥ、フゥ、ハァ、ハァ」と、未だに荒い息を吐く。漏らす彼女はね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る