第26話 鋼の甲冑を身に纏う女性の介護を始めます(4)

 僕が先ほど救助した海外の女性──。


 そう、海外の人なのに彼女は何故か?


 僕達日本人のように、スラリスラリ、ペラペラと日本語で『うぅ、ううう』と呻り声を漏らしつつ。


『喉が渇いた。水をください』と。


 彼女は自身の衰弱した身体で僕に嘆願をしてくる。


 でも水もスポーツドリンクもない自動販売機だから。


 僕自身も本当に彼女に対して、何のドリンクを購入したらいいのか? と困惑するのだが。


 いつまで、金髪の麗しい姫武将さまを一人で、放置をしておく訳にはいかないから。


 だって外国の人である彼女に、日本人の男性は、レディーファーストではなく。


 女性に対して酷い男達の住む国だと思われたくない。


 だから僕は、日本人の代表として恥じない行動を素早くしないといけないと思うから。


(これでいいか?)と思いつつ。


 僕の目の前にある自動販売機のボタンをプチ! と押す


 するとドン! と、大変に大きな音を立てながら。


 自動販売機の取り出し口に缶ジュースが落ちてきたのが。


 僕の瞳に映り、確認がとれた。



 ◇◇◇

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