第22話 何故、物の怪でもないのに鋼の甲冑を身に纏う?(5)

 僕は何故か鋼の甲冑を身に纏う。


 金髪の麗しい女性へと。


 力強く呼びかけた。


 何度も、何度もね。


 でもさ、彼女は、僕の力強い呼びかけに対して。


「ううう~。お、お願い……。だ、誰か、水をください。お願い。お願いします……」と。


 悲痛な声で呻り、呟くだけ。


 それがまた、誰に向けて呟かれ、嘆願をしているのかまでは、僕自身にもわからないけれど。


 この場! この周り!


 この中国山地の県境に近い山の中にある農協の購買部には、もう僕だけしかいない。


 だから僕が、自身の膝の上に頭を載せている金髪の女性を介護、救護する事にする! と。


 自身の心に固く決め、決意をする。



 ◇◇◇

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る